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ハクバ「GW-PRO ショルダーバッグ LL MULTI」

~国産バッグ最大級の収納量を誇る、プロ用ショルダーバッグ

 「ハクバ」といえば、撮影時から写真の収納まで、あらゆる写真用品を扱う写真用品の総合ブランドだが、昔からの写真愛好者としてみると、やはり「カメラバッグのブランド」という印象が強い。今でこそ「Lowpro」という海外ブランドバッグを輸入、販売しているが、以前からハクバのオリジナルブランドのバッグとして「Godwin」シリーズを展開している。

 2年前のフォトエキスポでハクバがデモンストレーションしていたのが、当時新製品だった「GW-PRO」シリーズ。内部の補強材に使っているという「衝撃吸収特殊ウレタン補強材」にゴルフボールを落としてみて、「ボールが弾まない」という実演を行なっていたのだ。

 今回はこのシリーズで最も大きい「ショルダーバッグLL MULTI」をチェックしてみた。外装は、太めの糸で編まれた、しっかりした風合いの生地を使っている。内部は、渋い焦げ茶色の生地。大人の雰囲気の配色だ。

 カタログによると「中判カメラを2台収納」とある。このバッグの企画時はまだ、フィルムカメラとデジタルカメラの移行期だったからであろうか。ノートPCを収納するための「PC用仕切りセット」は別売りとなっている。この仕切りを使用すれば、ハイエンドデジタル一眼2台とノートPCを納めることができるようだ。今回はPC用仕切りセットがない状態でのチェックだ。

 まず、現品を見てビックリするのは、まるで子どもが1人入ってしまいそうなくらいの巨大サイズであること。カタログでみた感じよりもずっと大きい。女房の感想は「釣りに行くときのクーラーボックスみたい」。持っている機材が全て入ってしまいそうな感じだ。

 持っている機材をひと通り入れて、バッグ上部の「三脚取り付けベルト」に三脚をつけて、重量を計測してみたところ11.6kgあった。だが、まだまだ詰め込めるので、本当に目一杯入れれば、20kgぐらいになりそうだ。

 この状態で実際に背負ってみたが、肩当てがよくできていることもあり、思ったよりも苦痛ではない。ただ、幅が広いので、街中を持ち歩くには気を使うかもしれない。


筆者の持っている機材と三脚で11.6kgだった デジタル一眼とフィルムカメラ、デジタルムービーとレンズを詰めたが、まだ入りそうだ 機材を詰めて実際に背負ってみたところ

 フタの内側には、透明なビニールで覆われたポケットがある。このポケットのジッパープルは、締めたときにカバーで覆われるようになっていて、中の機材を傷つけないための細かい配慮がなされている。

 フロントポケットにも、さまざまな小物が収納可能だが、さらに付属のポーチがあり、メモリーカードなどはこの中に入れるといいようだ。バッグ背面(体の当たる部分)のポケットはA4判がラクラクはいる大きめサイズで、取材先のガイド誌やレフ板などを収めるのに重宝しそうだ。


 バッグ底面の素材は、本体の素材と材質を変えている。水などが染みこみにくい素材のようだ。底部のDリングを使えば、別売りの「リュックベルト」で、リュックスタイルにもなる。機材を目一杯詰めて長時間運ぶなら、リュックスタイルにした方がよさそうだ。


フタの内側のポケット。フィルターなどを入れておくと、中が確認できて便利
ショルダーベルト、手提げベルトにはシートベルト調のナイロンを使用している。また、ハンドルは革製。材質へのこだわりが感じられる
フロントポケットと付属のポーチ

バッグ背面のポケット
バッグ底面の素材は、本体の素材と材質を変えている
ミニバンタイプのクルマのトランクスペースに入れてみた。サイズが大きいが、ピッタリ収まる感じだ

 国産バッグメーカーの最高峰モデルだけあって、素材と造り込みにこだわりが感じられるバッグだ。同サイズくらいの海外メーカー製バッグが5万円から10万円くらいの価格で、機材を入れなくても重さを感じるのに対し、GW-PRO LL MULTIは、サイズの割に軽く感じることと、3万円台という手頃に感じる価格で、非常に魅力的だ。

 ハクバのバッグは、ハクバ社員が販売現場からの声を元に企画している、と聞いた。だからこそ、衝撃吸収クッションの採用やレインカバーの装備、小物収納スペースなど、随所にさまざまな工夫が凝らされているのであろう。このサイズのプロ仕様カメラバッグは海外ブランドが強いが、国産カメラバッグの健闘に今後も期待したい。



URL
  ハクバ
  http://www.hakubaphoto.co.jp/
  製品情報
  http://www.hakubaphoto.co.jp/hakuba/product/03soft_bag/247039.html


( 木村 英夫 )
2006/04/13 01:32
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