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スリック SBH-330 BK
~高精度自由雲台の改良タイプ
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価格:22,050円
三脚を使って撮影するのに、最もよく操作するのが「雲台」(ウンダイ、三脚の上部についていて構図を決める部分)だが、多くの三脚に装備されているハンドル付きの雲台(3ウェイ雲台)から、ボールジョイントによる固定の自由雲台へ交換して使っている人が増えている。
自由雲台を英語でいうとボールヘッドというが、その名の通り、カメラ台座の下に設けられたボールを、ネジ式やレバー式のツマミで固定して構図を決めるものだ。
自由雲台自体はかなり前から売られているが、急速に注目を集め始めたのがここ5年くらいのこと。ハンザの自由雲台が「プロ仕様の高精度タイプ」として売り出されたのがきっかけだったと思う。それまでの自由雲台に比べ、同じ大きさのもので比べると価格は3倍くらいするものの、部品が精密に加工されているためにツマミを軽い力で回しても確実に固定されるのだ。
その後同様の製品がケンコー、スリック、海外メーカーのフォーバなどから売り出され、「高精度自由雲台」というジャンルができた。
もともと自由雲台は「三脚を買った後に交換するアフターパーツ」という位置づけであった。過去にも、いくつか自由雲台標準装備の三脚が売り出されたものの長続きはしていない。
ところが近年「デジタルカメラ専用」という小型三脚や、高級カーボン三脚の一部で最初から自由雲台を標準装備した三脚が出てきて定着している。これも構図を簡単に決めやすい自由雲台のメリットが認知されたためであろう。
今回取り上げる「SBH-330」は、スリックの高精度自由雲台の中で中型サイズにあたるが、以前から売られている「SBH-320」の改良版だ。どこが新しくなったのかというと、カメラボディに取り付けるためのネジが雲台のプレートから独立したのである。以前のSBH-320では、ボールを固定しているネジを緩めてプレート全体を回転させなければならなかったのだが、SBH-330は雲台の上にカメラをセットしてカメラネジのツマミを回すだけで楽に装着できる。プレート部分以外の仕様はほとんど同じだが、カメラへの取り付けやすさは大きく異なってくる。
左が「SBH-330」、右が以前から売られている「SBH-320」
SBH-330のプレート部分。プレート自体を回転させずに装着できる
雲台を選ぶうえで問題になるのが「固定力」だ。よく「耐荷重」という言葉を聞くが、三脚メーカーが出している耐荷重は、カメラを載せて転倒事故を起こさないように表示している数値で、実際の操作性等は考えられていない。
このSBH-330も「最大搭載荷重7kg」とあるが、実際にこの重量を載せて操作できるのかチェックしてみた。まず、ちょっと古い600mmの超望遠レンズをニコンのD200に取り付けてみた。この組み合わせだと、重さは約7kgである。雲台をしっかり締めれば固定はできるが、ちゃんとフレーミングを行なうのは難しい。次に、18-200mmのズームレンズをつけたD200を用意した。これだとかなり快適にフレーミングできる。この程度の機材だと、軽く締めただけでもフレーミングがずれることはない。
600mmレンズとD200の組み合わせ。厳密なフレーミングは難しい
18-200mmズームを付けたD200。細かいフレーミングも容易だ
SBH-330は、ボール締め付けツマミを緩めると、ベース部、ボール部、ボールを受ける部分の3箇所のロックがフリーになる
雲台底部にあるアダプターをコインで外すと太ネジの三脚にも装着でき、あらゆるメーカーの三脚に取り付け可能だ
自由雲台は、カメラを支える手とボールを締め付ける手の位置関係を自由に変えられることから、ハンドル付きの雲台に比べて自由にフレーミングしやすい点が大きなメリットだ。また、部品点数が少なく三脚の軽量化につながるという点も人気のポイントだろう。ただ、超望遠レンズなどでは画面の動きが大きすぎて、フレーミングを決めるのは難しい。超望遠レンズを使うときは、やはりハンドル付きの雲台を選んだ方がベターだ。
SBH-330は、従来機種から4,000円ほど価格がアップしているが、カメラへの装着のしやすさやカメラへの固定のしっかりさという面では価格差以上の魅力がある。三脚で「うまく構図が決められない」という人にお勧めだ。
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URL
スリック
http://www.slik.co.jp/
製品情報
http://www.slik.com/bh/4906752206027.html
( 木村 英夫 )
2006/04/06 01:14
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