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Gitzo 1155T

軽さ、コンパクトさを実現した新アイデア! 究極の旅行用三脚

価格:99,750円

 昨年のPhotokina 2004、今春のフォトイメージングエキスポ2005(PIE2005)で展示された三脚の中で「今までにない斬新なアイデア」で驚かされたのが、このGitzoの1155T。秋から発売が開始された、とのことで早速チェックしてみた。

 旅行用に三脚を持っていくとなると、どうしても小型、軽量というところに目がいきがちであるが、「短くたためる三脚は、伸ばしても残念ながら高くできない」ものが多い。特にたたんだ長さ(縮長)が40cmを切るモデルとなると、一般的には、目一杯伸ばした高さ(全高)が110cm前後といったところだ。そこで以前取り上げたベルボンの「ULTRA LUXi F」では、伸縮機構を工夫し、パイプそのものをねじって伸縮する方式を採用して全高を高く設定していた。

 Gitzoの「1155T」は、パイプの伸縮機構に今までの三脚を使い慣れている人にとって最も使いやすいオーソドックスな仕様(ナット式:ネジを回して伸縮する方法)を採用しながら、新たなアプローチで縮長を短くしたところが新しい。さらにパイプにカーボンパイプを採用することで、軽量化を図っていること、Gitzoでは珍しく自由雲台をあらかじめセットして販売しているところなど、今までの製品との違いも見られる。

 雲台を含めての縮長が36cmと、大変コンパクトだ。A4の対角線とほぼ同じ。デジタル一眼と並べてみても「こんなにコンパクトで大丈夫なの」という印象さえある。


三脚をセットし、伸ばしてみた。全高は146cm。エレベーターを伸ばすと目の高さよりわずかに低いくらいの高さに、カメラをセットできる。カーボンパイプの剛性が高く、タワミ感はない
コンパクトにたためる秘訣は、独自の開脚機構にある。通常開脚、ローポジションの他に、脚をエレベーターに対して180度回転し「逆方向に水平」という位置にセットできるのだ。雲台を脚の間に収納することで、短い縮長を実現している

独自の開脚角度調整機構。レバーを右にスライドすることで、開脚角度を拡げていく。レバーの当たる部分で開き角度が決定するしくみだ。開脚角度は自動復元式のため「通常にセットしようとして脚が開きすぎる」というトラブルはない
最大パイプ径が24mmと、どちらかというと小型のサイズだが、旅行用三脚としては太めのパイプを持つ。ただ、5段伸縮式のため、先端のパイプは8mmとかなり細いものとなる。伸縮のナットも幅が狭いものを採用することで、少しでも「縮長を短くしたい」という姿勢が見える

エレベーター下にはウェイトを吊すためのフックが装備されている。カメラバッグを引っかけると、重心が下がって安定する。フックを使わないときはバネで引き上げることで、邪魔にならない
標準装備の自由雲台は、十分な固定力がある。ボールを締め付けるレバーの固定位置は、レバーを手前に引っ張ることで位置の調整が可能だ

3本の脚をローポジションに設定。エレベーターが長いため、あまり低くないように見えるが、地上から35cmの高さにカメラをセットできる
 斬新なアイデアにより、コンパクトさを達成し、三脚としての質感も非常に良くできている。「さすがGitzo」といわせる製品だ。旅行用三脚だが、単なる記念撮影用ではない、デジタル一眼ユーザーにもお勧めできるしっかりした仕様だ。一眼レフ+望遠レンズを載せることも可能だが、5段伸縮式で、先端のパイプがかなり細いこともあり、スローシャッターで使うとブレを防ぐのは無理そうだ。

 ただ、ローポジションでのセットでは、かなり安定性も高いため、ザックの中に入る三脚として、山登りなどでの撮影には大変重宝するだろう。

 脚パイプの素材はカーボン。カーボンよりもちょっと重いけど安いというGitzoの新しい軽量素材「バサルト」ではない。少しでも軽くしたい、という意向が見える。

 問題は価格がちょっと高いところか。PIE2005で、Gitzoのフランス人スタッフは「Gitzoは安い三脚に目を向けずに、いいものを追求していく」というようなことをいっていたのを思い出した。

 重い三脚を買ってあまり使わないよりも、高くても軽い三脚で、使用頻度が高い方が元が取れると考えれば、この三脚を検討する価値はある。



URL
  Gitzo
  http://www.gitzo.com/
  ケーエフシー
  http://www.kfc-net.co.jp/

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ベルボン ULTRA LUXi F(2005/07/05)


( 木村 英夫 )
2005/11/22 00:06
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