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クローズアップレンズ
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~寄れない高倍率ズームに効き目あり! テレ端で接写が楽しめる
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価格
キヤノン クローズアップレンズ「250D 58mm」:8,925円
ケンコー「MCクローズアップレンズ No.2 58mm」:2,940円
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今回使ったのは、キヤノン クローズアップレンズ「250D 58mm」と、ケンコー「MCクローズアップレンズNo.2 58mm」
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ほかのカメラでは難しい超望遠撮影を手軽に楽しめるのが、光学10倍ないし12倍の高倍率ズームを搭載したレンズ一体型デジタルカメラ。35mm判換算で300~400mm前後までカバーしながら、大きさと重さは標準ズーム付きのデジタル一眼レフほどだし、最近は手ブレ補正機構を内蔵している機種も多い。
ただ、望遠側であまり寄れないのがちょっぴり不満な点。表にあげた全機種とも、広角側でマクロ機能を使えば10cmとか、それ以下の距離まで近づいて撮れる。対する望遠側はというと、実に物足りない。短いもので90cm。長いものになると実に2m。かなり雄大な数字だったりする。
光学10倍以上の高倍率ズーム機の最短撮影距離
機種名 | レンズ | 最短撮影距離 | マクロ | スーパーマクロ |
キヤノン PowerShot S2 IS | 6~72mmF2.8~3.5(36~432mm相当) | 50cm(W)~90cm(T) | 10cm(W) | 0cm(W) |
コニカミノルタ DiMAGE Z5 | 5.83~69.9mmF2.8~4.5(35~420mm相当) | 60cm(W)~160cm(T) | 10cm(W)~100cm(T) | 1cm(63mm相当に固定) |
ソニー サイバーショット DSC-H1 | 6~72mmF2.8~3.7(36~432mm相当) | 50cm(W)~90cm(T) | 2cm(W)~90cm(T) | |
ニコン COOLPIX 8800 | 8.9~89mmF2.8~5.2(35~350mm相当) | 50cm(W)~100cm(T) | 3cm(W) | |
松下電器 LUMIX DMC-FZ30 | 7.4~88.8mmF2.8~3.7(35~420mm相当) | 30cm(W)~200cm(T) | 5cm(W)~200cm(T) | |
松下電器 LUMIX DMC-FZ5 | 6~72mmF2.8~3.3(36~432mm相当) | 30cm(W)~200cm(T) | 5cm(W)~200cm(T) | 100cm(テレマクロ時) |
富士写真フイルム FinePix S5200 | 6.3~63mmF3.2~3.5(38~380mm相当) | 90cm(W)~200cm(T) | 10cm(W)~90cm(T) | |
富士写真フイルム FinePix S9000 | 6.2~66.7mmF2.8~4.9(28~300mm相当) | 50cm(W)~200cm(T) | 10cm(W)~90cm(T) | 1cm(W) |
もちろん、35mm判換算400mm相当の超望遠で最短撮影距離が2mなら悪いスペックとは言えない。35mm判一眼レフカメラ用のズームを含む400mmレンズの最短撮影距離は平均約2.9mだから、1mを切っている機種などは大誉めしなくてはいけないほどだ。が、なまじ広角側が寄れるものだから、望遠側の数字がよけいに物足りなく見える。思わず「もうちょっと寄りたい」と愚痴りたくなるわけだ。
その「もうちょっと寄りたい」欲を満たしてくれるのが、クローズアップレンズ。撮影レンズの前にフィルターのように取り付けて使う接写用アタッチメントレンズで、一眼レフのマクロレンズが今よりもずっと特殊な存在だったころに、中間リング(こちらはカメラとレンズの間に挟んで使う)とともに接写ファンに愛用された製品だ。乱暴に言えば写真撮影用の虫メガネだと思えばよく、凸レンズの度が強いほど対象に近づいて撮ることができる。つまり、対象をより大きく写せるというわけだ。
幸いなことに、高倍率ズーム機のほとんどは、直接またはアダプターリングを併用してフィルターなどが取り付けられるようになっている。使用を推奨しないメーカーもあるが、クローズアップレンズの装着は可能だ。
ただし、アダプターリングが別売だったり、ワイドコンバーターなどを買わないと手に入らない(部品として購入できる可能性はある)ケースもあるのでご注意いただきたい。ちなみに、キヤノンとソニーには純正アクセサリーとしてクローズアップレンズが用意されているが(お値段が高めなのが気になるが)、ほかはケンコーやマルミなどのサードパーティーメーカー製品に頼ることになる。こちらのほうが価格的にはぐっとお手ごろだ。
クローズアップレンズ対応可否・対応サイズ
機種名 | クローズアップレンズ対応 | 対応サイズ |
キヤノン PowerShot S2 IS | アダプターリング併用(別売) | φ58mm |
コニカミノルタ DiMAGE Z5 | アダプターリング併用(別売) | 不明 ※アダプターリングはワイドコンバーターキットに同梱 |
ソニー サイバーショット DSC-H1 | アダプターリング併用(付属) | φ58mm |
ニコン COOLPIX 8800 | 直接 | φ67mm |
松下電器 LUMIX DMC-FZ30 | 直接 | φ55mm |
松下電器 LUMIX DMC-FZ5 | アダプターリング併用(付属) | φ55mm |
富士写真フイルム FinePix S5200 | 直接 | φ55mm |
富士写真フイルム FinePix S9000 | 直接 | φ58mm |
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キヤノンPowerShot S2 ISには別売のレンズアダプター/フードセット「LAH-DC20」(3,675円)を介して装着する
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画質については作例写真をご覧いただくことにして、広角+マクロ機能と望遠+クローズアップレンズでは、背景の写り方が大きく違ってくる点にご注目いただきたい。今回使用したキヤノン「PowerShot S2 IS」の場合、スーパーマクロ時はレンズ前0cmまで寄れるが、背景が広く写り込んでうるさくなりがちだし、花の形も歪んでしまう。また、手前の花びらにはレンズの影が出てしまっている。一方、望遠+クローズアップだと背景が大きくボケてくれるので画面をすっきりさせられるし、対象から離れて撮れる分カメラや自分の影に困ることも少ない。
まあ、チャートテスト的な画質評価をすれば、望遠+クローズアップレンズの写りは、正直、いい成績ではない(もっとも、スーパーマクロにしても、かなり強いタル型の歪曲収差は出るし、中心部以外は放射線方向のニジミや色ズレが見られるのだが)。コントラストも解像力も落ちるし、周辺部はかなりアマくなる。また、状況によってはAFではピントが合いにくくなることもあるし、そもそもピントが合う範囲が極端に狭くなるので、相当に慎重に撮らないとピンボケのオンパレードになってしまう。
それでも、広角+マクロ機能とは違う画が撮れるメリットは、けして小さくない。高倍率ズーム機をお使いの方なら、試してみる価値は十分にあると思う。
■ 実写作例
インクジェットプリンターで1mm方眼を普通紙にプリントしたものをライトボックスに置いて透過光で撮影したもの。ラインのくっきり度合いでコントラストや解像力が見比べられる。
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【スーパーマクロ】
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【クローズアップレンズ】
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画面中心部のシャープさではスーパーマクロが最高だが、周辺部はニジミと色ズレが見られる。また、タル型の歪曲収差も大きい。クローズアップレンズ使用のカットは、いずれも解像力、コントラストともに低下しており、同様に周辺部はさらにアマくなる。
※縦位置のものは、サムネールのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。クリックすると画像が別ウィンドウで表示されます。
※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル) / 露出時間 / 絞り値(F) / 露出補正値(EV) / ISO感度 / 焦点距離(mm)です。
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【スーパーマクロ】
撮影倍率はかなり高いが、広角側でズームが固定されるため、背景が広く写り込んでいるし、花の形も歪んでいる。また、手前の花びらにはレンズの影が出ている
2,592×1,944 / 1/800(秒) / 4 / -0.3 / 50 / 6
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【ケンコーMCクローズアップレンズNo.2使用】
細部を見比べると解像力が落ちているのはわかるが、比べなければ気にならない程度。背景は大きくボケているのが望遠+クローズアップレンズの特徴だ。40~50cm離れて撮れるので、自分の影に悩まされる心配も少ない
2,592×1,944 / 1/1,000(秒) / 4.5 / -0.3 / 50 / 72
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【キヤノン クローズアップレンズ 250D使用】
やはり解像力は落ちているし、奥側の花びらのボケがにじんでしまうものの、実用上不満を感じないレベルの写り。スーパーマクロより高い倍率で撮れるのは魅力だ
2,592×1,944 / 1/1,000(秒) / 5 / 0 / 50 / 72
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【キヤノン クローズアップレンズ 250D使用】
望遠+クローズアップレンズだと対象から19~25cmほど離れて撮ることができるので、近づくと逃げてしまう昆虫の撮影にも便利。比較のためにスーパーマクロでも撮ろうとしたが、見事に逃げられてしまった
2,592×1,944 / 1/100(秒) / 4 / +0.3 / 50 / 72
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【マクロ / 撮影距離:10cm】
比較用にマクロを使って撮ったカット。ズームの広角側だとレンズ前10cmまで寄って撮ってもこの程度にしかならない
2,592×1,944 / 1/800(秒) / 4 / -0.3 / 50 / 6
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■ URL
キヤノン
http://canon.jp
製品情報(PowerShot S2 IS)
http://cweb.canon.jp/camera/powershot/s2is/
製品情報(アクセサリー)
http://cweb.canon.jp/cgi-bin/digicam-op/srch_ct.cgi?category=lens
ケンコー
http://www.kenko-tokina.co.jp/
製品情報(クローズアップレンズ)
http://www.kenko-tokina.co.jp/macro/4961607352717.html
( 北村 智史 )
2005/09/13 00:00
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