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手すき伊勢和紙

プリントするペーパーで写真に変化をつける

 プライベートで写真を撮って、ホームプリンターでプリントするとき、多くの人は「フォトプリント紙」やそれに類似する、写真用紙を使用することが多いと思う。私自身も、子どもの写真を撮ってプリントし、家に飾るときや、家族に渡すとき、普段はフォトプリント紙を使っている。

 「一度、変わった紙でプリントしたい」と思い、ショップでペーパー売り場をチェックしてみると、「伊勢和紙」が目についた。

 写真プリント用として売られる伊勢和紙には、いろいろなラインナップがあるが、大きく分けると「手すき」のものと、そうでないものがあることがわかった。店頭実販価格が「手すき」ではA4の8枚入りが1,050円だが、手すきでない「伊勢和紙Photo」はA4の10枚入りが367円と約1/3である。どこが違うのだろうか? 実際に購入してチェックしてみた。


 「手すき」は繊維が長く、表面が凸凹しており、四辺のうち一辺に「耳」(まっすぐ裁ち落とされておらず、繊維がでている部分)がついている。

 手すきではない「機械すき」のものが「伊勢和紙Photo」という名称で売られている。「伊勢和紙Photo」はけっこう厚手だ。表面が滑らかな面と粗い面があり、どちらにも印刷できる。粗い面に印刷すれば、額に入れて飾った状態では手すきにかなり近い雰囲気が出せる。


「手すき伊勢和紙」の耳。繊維が長くでているのがわかる。機械すきでは不可能な、手すきならではの仕上がりだそうだ 「伊勢和紙Photo」(下)と「手すき伊勢和紙」(上)。手すきは透明感があり、透ける素材となっている

 「手すきのメリットが活かせるのは透過光での展示ですよ」と、この和紙を購入した銀一プロショップのYさんが教えてくれた。Yさんのお子様と私の子どもの年齢がちょうど同じくらいで、「障子の破れたところに、手すき和紙のプリントを貼ってみようと思うんですよ」というアイデアをご紹介いただいた。そういえば、我が家の障子も先日、子どもに破られたばかり。そこで早速、Yさんのアイデアを実行してみることにした。


障子の「ひとます」のサイズは約20×25cm。A4のサイズより小さい。実際にあてがってみると、幅は切らずにそのまま貼ることができるが、縦方向は切らなければ合わない 和紙プリントということで、モノクロが合っているかと思ったが、カラーもいい。伊勢和紙のサイトに、「伊勢和紙Photo」によるプリントのヒントがある。パッケージによると、手すき伊勢和紙もこのヒントを参照すればいいようだ

障子に貼るときは、先に貼ってから余ったところを切るそうだ。女房に「そんなことも知らないの?」と言われてしまった…… 和紙プリントを障子に貼り、障子をはめたところ。透過光で見ると、「手すき和紙」ならではの繊維が見える。この「透ける感じ」も手すきでないと出てこないようだ

 普段と違ったプリントを求めて、和紙プリントにチャレンジしてみたが、額に入れて飾るだけではやはりこの「和紙ならではの味わい」が活かせないようだ。

 今回のプリントは家のプリンタ(エプソンPM-G700)で普通にプリントしたもの。パッケージやサイトには「普通紙」、「マット紙」の「きれい」、「高画質」設定を推奨しているが、今回は「普通紙」の「きれい」で印刷した。モノクロにするときだけPhotoshopで加工したが、それほど時間をかけずに、一風変わったプリントができた。皆さんも是非一度チャレンジしてみてはいかがだろうか?



URL
  伊勢和紙
  http://isewashi.co.jp/
  銀一
  http://www.ginichi.com/


( 木村 英夫 )
2005/05/12 00:34
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