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軽量グリップ雲台 スリック「AF 1100」

三脚上で「自動でカメラが固定する」便利グッズ

価格:13,650円

 カメラブレを防いだり、スローシャッターを切ったり、同じフレーミングで段階露光をかけるなど、あらゆる場面で三脚」必要になるケースがある。ところが三脚は「重く、大きく、面倒」なアクセサリとして、特に初心者に敬遠されることがある。

 「重く」ということは「カーボン三脚」によって改善されつつあるが、「面倒」という点では、特にカメラの向きを変える雲台の操作が高いハードルになる。多くの三脚に採用されている、パンハンドルを緩めて、向きを変えて、さらに締め付ける「3ウェイ雲台」は、カメラのファインダーを覗きながらの操作となるため、かなりの慣れが必要となる。

 そこで昨今では、ボールを1カ所の「ノブ」で締め付ける「自由雲台(ボール雲台)」がはやっている。しかしこれも締め付ける操作が不可欠。締め方が甘いとカクンと動いてしまい、イライラしてくることもある。

 日本の三脚メーカーのスリックでは、'87年にどちらかというと「プロ用」のサイズでグリップ雲台「AF2100」を発売している。私自身も愛用しているが、グリップを握ると自由にフレーミングでき、離すと自動で固定される。大変便利で雲台の存在感を意識しないでも使える優れものだ。

 ただ、自重870gと雲台としては大きめ。一般に「雲台と脚部の重さのバランスは1:2」なので、脚部のみの重さが2kg程度の中型三脚が必要になり、行動に制約が出てくる。ところが先月、AF2100の小型軽量版として「AF1100」が発売されたと聞き、早速使ってみた。


左が新しい「AF1100」、右は私が使っている「AF2100」。ひと回り小さく、軽くなった。AF2100は今売っている製品ではグリップ部がグレーになっている 一般的な雲台の例。パンハンドル付きの3ウェイ雲台でフレーミング操作をすると、3カ所も操作しなくてはならず、慣れないと手間取る

グリップ雲台「AF1100」では、左手のグリップを握ると自由にフレーミング操作ができる。右手でシャッターボタンを操作すると、AFではピント合わせ、シャッター操作が可能だ グリップとカメラの位置関係は、カメラ取り付け部のターンテーブル状になっている「カメラ台」が回転できるために位置が入れ替えできる。グリップを右、左手でピントリングの操作をすることも可能だ

 グリップ雲台は「自動固定の自由雲台」といったもので、グリップ部を握ると固定が解除され、自由にカメラの方向を動かせる。離すと雲台内部のバネの力で自動固定されるので、「締め付ける」という操作はない。締め忘れや締め損ねで「カクン」といくことはない。

 ただ、バネでの固定のため、この「AF1100」では、最大搭載荷重が1.5kgに限られている。とはいえ、1.5kgを搭載できれば望遠レンズ付きのデジタル一眼にも十分対応できる。もし、もっと固定力が強いグリップ雲台が必要なら、上位モデルのAF2100の最大搭載荷重は3kgだ。


カメラの取り付けはターンテーブル状の形状となっている「カメラ台」を回して行なう。写真中央に見えるレバーを緩めると自由に回転できる。また、雲台上面に水準器(緑色)があるのが見える グリップを握ると、あらゆる方向に少しだけ傾くようになっている。縦位置にセットするときは「U字溝」の位置を調整する。U字溝の位置では雲台を90度に曲げることができる

カメラを真上に向けた状態。ベース部分からボールが出ているのがわかる。グリップを握るとこのボールを押さえるバネの力が解除されて動かすことができる AF1100の三脚取り付けネジは「U1/4インチ」ネジ。カメラと三脚を固定するネジのサイズと同じで、大抵の三脚は、このネジ規格で雲台と三脚を固定している

 AF1100はカメラの向きを真上、真下など本当に自在にコントロールできる。雲台の下半分、ボールを包み込む部分である「スカート」にU字溝があり、グリップを握るとU字溝の位置を上半分に対して回転できる。縦位置にするときは、普通の3ウェイ雲台のように「シャッターボタンが上にくるように」セットすることもできるが、逆側でも縦位置が可能だ。

 従来から売られていた「AF2100」も便利であったが、今回のAF1100は、高さ110mm、重量460g、カメラ台直径52mm、ベース部直径45mmと、より小型軽量で汎用性がでてきた。雲台の自重が460gとなり、1kg程度の軽量な脚部にも対応できる。「三脚はどうも面倒」という人は、是非雲台を交換して使ってみてほしい。

 なお、雲台は特殊な三脚でない限り、「雲台の固定箇所と三脚のエレベーターを締め付けた状態で雲台全体を反時計回りに回す」と外すことができ、交換できる。もちろん、スリック以外のメーカーの三脚にも取り付け可能だ。



URL
  スリック
  http://www.slik.co.jp/
  製品情報
  http://www.slik.com/bh/4906752af1100.html


( 木村 英夫 )
2005/05/11 00:56
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