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富士写真フイルム「CCフィルター」

梅を桜のように撮る? フィルムカメラ時代からの手法

富士フィルム製のCCフィルター。色/濃度ごとに数種がラインナップされている
 フィルムカメラ、特にカラーリバーサルフィルムでは、好みの色に調整するのに、パソコンに取り込みでもしない限り「画像処理ソフト」で直すようなことはできない。そこで従来からプロを中心に使われてきた手法が、通称「ゼラチンフィルター」、正しくは薄膜フィルターを使う手法だ。

 家の近所に立派な梅の木があるのだが、梅は、紅梅なら色気のあるものの、白梅は真っ白で色気がない。そこで、フィルムカメラ時代の手法、CCフィルターを使って「梅を桜のように見せる」ことにした。

 CCフィルターとは「カラーコンペンセィティングフィルター」つまり「色補正フィルター」の意味で、有名なのは「ゼラチンフィルター」のコダック・ラッテンフィルター。日本では銀一が輸入販売している。富士写真フィルム製は「トリアセテート」製で耐久性に優れているとされる。他にイギリス製の「LEEフィルター」(ケンコーが輸入)がある。

 デジタルはパソコンによって画像を簡単に調整できるのが魅力だが、フィルターワークは撮影の現場で自分の目で確認しながら操作する醍醐味がある。


CCフィルターは自分の目で効果を確認できる カメラには「ホルダー」を介して取り付ける

 CCフィルターには、光の補色にあたる「イエロー/マゼンタ/シアン」と3原色である「レッド/グリーン/ブルー」がある。また、色の濃度も数段階あり、「CC-5M」、「CC-10M」のように表記する。CCの後に続く数字が「濃度」で、5、10、15と5刻みで増える。Mはマゼンタの意味で、この記号の変わりに「C(シアン)」「Y(イエロー)」などがある。

 今回のテーマ、「桜の色を出す」には、マゼンタのフィルターを使う。そこで、CC-5M、CC-10M、CC-30Mの3種類を求めた。CCフィルターのサイズは「インチ」表記で、一般に3インチ(75mm角)と4インチ(100mm角)が売られている。75mm角のCCフィルターにはカバーの紙があり、その紙の真ん中が丸く抜けて使用時に曲がらないよう「ホルダー」として使えるようになっている。この円のサイズが67mmのフィルターサイズと同じなため、72mmより大きい口径のレンズを使う場合は4インチ角(100mm角)が必要となる。今回は75mm角を用品メーカー製の「ホルダー」に入れて使用した。

 今回は思い切ってかなり濃い「CC-30M」を使うことにした。

 撮影に際して、カメラのホワイトバランスは「オートホワイトバランス」とし、特にいじらずに撮影した。幹の部分に明暗差が少なかったためか、幹のところに「マゼンタ」がかかったのがバレる結果となったが、これがもっと完全なシルエットなら、わからないかもしれない……もちろん、「桜をより桜色にする」ことにもこのテクニックは使えるので、お試しあれ。


PLフィルターのみ使用。白梅は色気がない PLフィルターとCC-30Mを重ねて使用。インパクトのある「ピンク」を再現できた(使用カメラ・富士写真フイルム FinePix S2 Pro)


URL
  富士フィルム
  http://fujifilm.jp
  製品紹介
  http://fujifilm.jp/personal/sheetfilter/


( 木村 英夫 )
2005/03/23 00:57
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