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インダスター61L/D 53~55mm f2.8

販売価格3,780円のロシアレンズ

 R-D1に装着しようと考えて、ライカLマウント互換の中古レンズを衝動買いした。その名も「Industar(インダスター) 61L/D 53~55mm/f2.8」(購入店の表記のまま)というロシア製品。価格は3,780円。0がひとつ足りないわけではない。これでもロシアレンズとしてはそこそこまともな値段らしい。

 調べてみるとこのレンズ、ロシア製Lマウントカメラ「FED」シリーズの標準レンズとして由緒正しい出自らしい。また、写りに関しても評判が良い。近年、LomoがFED5を再生産した際にも、同じ見た目と仕様のレンズが供給されている。“53~55mm”という焦点距離の表記が怪しいが、これは主点移動時の有効焦点距離を正確に表記したものといわれている。実際には“50mm”、あるいは“55mm”と紹介されていることが多い。なお、実物の鏡胴には“53mm”とだけあった。もちろんズームリングはない。

【2月15日追記】焦点距離表記について「そもそも53mmの製品と55mmの製品が混在して出荷されたため、クレームが付かないよう両方併記されているらしい」との説をいただきました。

 届いたレンズを早速触ってみる。手のひらに載る大きさなのに、オールドレンズらしいズシリとした重みが良い。もちろんキャップ以外は金属製だ。鏡胴の文字はすべて彫り込みというのもうれしい。書体のダサさや塗料の微妙なはみ出し具合もグッド。


キリル文字が格好良い。意味は不明 Mマウントアダプターをつけた状態 R-D1装着時。なかなか似合うではないか

 フォーカスリングは「ボディ側ギリギリ」といって良いほど近く、一見して使いづらそうだ。しかし、R-D1のマウント基準面は本体前面から4mmほど飛び出ており、さらに装着時にはL/M変換アダプタの厚み(1mm)も加わる。そのため、フォーカスリングは銀塩レンジファインダー機より前方に位置し、特に回しづらいということはない(トルクにばらつきはあるが)。距離表示の単位はメートルで、最短撮影距離は1m。

 絞りはF2.8からF16までの不等間隔。半段あるいは3分の1段の絞り位置はない。R-D1は絞り優先AEを備えているので、細かい露出制御はAEに任せよう。

 早速、L/Mマウント変換アダプターを付けて試写に出た。Lレンズ初心者なので的確な評価はできないが、結果は予想以上に普通の写り。個体差もあるだろうが、私のレンズはオールドレンズらしい柔らかで繊細な描写だ。言葉を代えれば「フレアっぽい」のかもしれないが、個人的には普段使っているMロッコール40mm F2に何となく似た雰囲気が気に入った。

 もちろん、最近のレンズ、例えば一連のコシナ製VLマウントのレンズに比べると、コントラストが低くて眠いのは認めざるを得ない。また、開放(F2.8)まで開けると一気にローコントラストになったり、逆光によるフレアも出やすかったりと危うさもある。フード(40.5mm径)をつけることでフレアはある程度解消したが、それでも一眼レフほどに大胆に振り回せない。

 しばらく使っているうちに、絞りがF2.8より一段右に動くことに気付いた。反対に、F16よりワンクリック右に動かせる。「隠し絞りか?」と思ったものの、AEが割り出したシャッター速度に変化はなく、写りも変わらない。こういうものなのだろうか。中古レンズ初心者には不思議なことが多い。

 というわけで怪しい部分はあるものの、あまりにも安いので不満をいう気も起きないし、ロシアもののコストパフォーマンスの高さには敬服。今回はLマウントという基本のマウントで試してみたが、ロシア系といえば、中古市場にM42マウントのレンズも大量に存在する。*ist D/DsなどM42が付くデジタルカメラのユーザーは遊んでみてはいかがだろうか。


順光で絞れば十分実用的。3,008×2,000 / マニュアル / ISO200 / F8 / 1/500秒 購入したての頃ショックを受けた写真。3,008×2,000 / 絞り優先AE / ISO400 / F2.8 / 1/1,098秒

コマ系の収差もひどくはない。3,008×2,000 / 絞り優先 / ISO200 / F2.8 / 1/26秒 日陰で開放。さすがにきつい。3,008×2,000 / マニュアル / ISO200 / F2.8 / 1/250秒


( 折本 幸治 )
2005/02/14 01:13
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