デジカメ Watch
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135 CAMERA MODEL KIT

~デジカメ時代にカメラの単純さを知る

完成したプラモデルカメラ
輸入元:株式会社イーグルエンタープライズ
購入価格:1,029円


 なんのひねりもない製品名だがまさしく「カメラのプラモデル」だ。プラスチック成型された部品を組み立てると、立派な135(35mm)フィルムカメラができあがる。絞りもシャッタースピードも固定(値は不明)。28mmとなかなかシブい焦点距離のレンズを装備するが、これももちろんプラスチック製で構成は1枚だけ、ピントはパンフォーカスだ。プリミティブなカメラだが、その一方でスライド式のレンズバリアが付いていて、バリアを閉めた状態ではシャッターを切れない仕組みなんてものを備えていたりもする。

 筆者はどこかのカメラ中古市のワゴンに山積になっていたものを買ったのだが、写真集が充実している本屋やおしゃれな雑貨屋、美術館のミュージアムショップなどでも見かけた。本体色などのバリエーションもあるようだ。

 プラモデルだが、すべてハメ込みで組み立てられるから接着剤は不要。ネジで止める部分もあるが、そのためのネジとドライバーも付属している。別に用意するべき道具はニッパーとヤスリくらいだが、細かいことを気にしなければ、かつ慎重に作業すれば、これらさえも不要だ。

 組み立て説明書は詳細でわかりやすい。注意すべきなのは、似たようなバネやネジがあるのでこれらを間違えないようにすること、細かい部品が多いのでなくさないこと、部品を切り離すときに部品をこわさないようにすることくらい。プラモデルを組み立てたことがある人にはごく当たり前のことだろう。細かいパーツを組み付けるのがうまくいかなくてイライラすることもあるが、ひたすら忍耐と工夫で切り抜けよう。不器用な筆者でも1時間ほどで組みあがった。

 さっそくISO400のカラーネガフィルムで撮ってみたのが次の写真だ。現像と同時プリントは町の1時間DPE屋さんにお願いした。どんよりとした曇りの日の午前中という、悪条件での撮影だったが、発色は悪くない。周辺の画像は盛大に崩れるが、中央部はなかなかシャープだ。ファインダーとのパララックスがやたらと大きく、意外なものが写ってしまうがこれも一興、と考えよう。


まさしくプラモデルの箱 中身もプラモデル

説明書はわかりやすい プラモデルカメラで撮影した写真

 どうやら教育用に作られた製品らしいのだが、これを組み上げただけでカメラの仕組みがすべてわかるというものでもないだろう。なにしろシャッターはただの板だし、絞りも合焦機構もない。逆に、カメラのしくみについて事前にテキストを読んでおけば、テキストで得た知識についてのよい補強になるだろう。

 写りがよくなるように手を加えたり、外観をライカ風に改造したりと、教育用とはちょっとずれたところで楽しむ向きも多い。こんなプリミティブな仕掛けでも写真が撮れてしまうというのは、電子機器の塊となった現代のカメラに慣れた身にはショッキングなことだ。30万画素くらいの撮像素子とセットになった「プラモデルデジカメ」の登場を願っておこう。



( 田中 真一郎 )
2005/01/11 00:01
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