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ケンコー「R-クロスフィルター」、「R-スノー・クロス」
~キラキラ感満点のイルミネーションを撮る
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ケンコー「R-クロススクリーン」(左)、「R-スノークロス」(右)。共に58mm径
クリスマス前ということで、街はイルミネーション真っ盛りだ。そのまま撮っても楽しそうだが、せっかくなので、まだ使ったことのない「クロスフィルター」というものを試してみた。
クロスフィルターとは、光学ガラスの表面に細かい格子状の溝を刻んだフィルターの一種で、点光源などの光を入射させると数本の光条が発生するというもの。夜景やイルミネーションに加え、水面の反射を煌めかせた作品に使用例が見られる。レンズ先端にはめるだけでファンタジックな特殊効果が得られるとあって、一度は試した人もいると思う、特殊効果系のフィルターでは比較的メジャーな存在だ。反面、「やりすぎるとくどい」と、昔からいわれ続けているジャンルでもある。
今回はケンコーの「R-クロススクリーン」、「R-スノークロス」の2枚を用意した。どちらも58mm径の価格は2,800円。クロススクリーンは4本、スノークロスは6本の光条が発生し、光条が多い方が派手になる。
さっそくEOS 10D、EF 28-105mm F3.5-4.5、三脚を担いで週末のお台場に出向いたところ、いたるところにイルミネーションが。まずはフィルターなしで撮影したが、ここでフィルターがなくても絞れば光条が発生することを思い出した。「別にクロスフィルターがなくても良いのでは」と投げやりになりつつ、おもむろにクロススクリーンを装着。ファインダーをのぞくと、フィルターなしの状態とは比較にならないほど大きな光条が煌めいている。これはすごい。光条6本のスノーフィルタはさらに派手だ。フィルターを回転させると光条も回転し、角度により全体の印象が変わるのも面白い。
フィルターなし(画像の一部を拡大)
R-クロスフィルター装着時
R-スノークロス装着時
感動したので「ここはひとつ、強烈なクロスで画面を埋め尽くしたい」との欲求が。しかし、何枚か粘るうちに、自分のセンスとクロスフィルターの限界が見えてきた。まず、光源が明るければその分長い光条になるが、光源が暗いと光条も短くなる。つまり、イルミネーションで使われている光源の明るさがばらついていると、光条の長さもばらつく。画角を盛大なクロスで埋め尽くすには、同じ明るさで、かつ強力な点光源が多数欲しい。
どれくらい強力な明るさが必要かと試したところ、ビル内オフィスの蛍光灯、テレビ画面、街灯、自動車のヘッドライトなどが満足いくレベル。これらに比べ、イルミネーションで使われる電球は暗く、クロスもさりげなくものたりない。だからといって、イルミネーションにわざと街灯を混ぜるのも興ざめだ。また、テレビ画面のような面光源は大きなクロスを引くが、点光源に比べると筋が太くて、私のイメージにはそぐわない。
もっとも、帰宅してからクロスフィルターのまともな作例を研究すると、どうやら光条の数や大きさより位置が重要らしいことがわかった。「画面を埋め尽くしたい」などもってのほかで、無茶なことを考えなけば、フィルター1枚で独特の雰囲気ある作品が撮れるようだ。画像処理ソフトでも同様のフィルター処理は可能だが、ファインダーを見ながらクルクル回して光条を調整するのもまた楽しい。数ある特殊効果系のフィルターの中ではまともな作品に利用できそうなので、しばらく研究してみたい。
フィルターなし。2~3秒単位でツリーの色がじわっと変わるのが厄介だった
R-クロスフィルター装着時。イルミネーションより通路用の照明の方が輝いている
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URL
ケンコー
http://www.kenko-tokina.co.jp/
製品情報(クロス、スノークロス、サニークロス)
http://www.kenko-tokina.co.jp/filter/4961607352205.html
( 折本 幸治 )
2004/12/21 01:11
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