3週目は上ブロックは全てISO400、下ブロックは屋外のカットのみISO180、ほかはISO400となっている(ISOオートなのでカメラが自動調整)。絞りはF3.2~3.5、シャッタースピードはほとんどが1/160秒。まだ昼だと言うのにかなり暗く、すべてニコンのストロボ「SB-600」を使用している。上ブロックに関しては、白いカポックでバウンスさせているが、下ブロックに関しては、右上以外ダイレクトにストロボの光を当てている。瞳を拡大して見ると、光源が「点」か「面」かで、ダイレクトかバウンスかの見分けがつく。
このD3000は入門者モデルだけあって、いろいろな工夫が施され、「ガイドモード」がその1つとしてあげられる。このモード、一口で説明すると“まるでカメラ入門書がそのままボディに内蔵されている”のだ。
モードダイアルを[GUIDE]に合わすと、「ガイドメニュー」が表示され、「撮る」、「見る・消す」、「設定する」と3つのカテゴリに分かれている。「撮る」を選ぶと、「場面にあわせて撮る」、「テクニックを使って撮る」などの一覧を表示、更に細かく絞り込んでいくと、例えば、背景をぼかして撮るを方法を実際の操作なども含めて解説してくれるのだ。これは、便利な解説本が本体内に入っているというイメージだ。
デジタル一眼レフカメラが登場した当初は、ヘルプも含めボディにはその手のデータは何も内蔵されず、付属のマニュアルを見ないとカスタムファンクションですら設定できなかった頃がある。当時、エンジニアの方に「せめてカスタムファンクションの内容を別の画面でいいので表示して欲しい」と要望したことを思い出す。今ではカスタムファンクションの説明のみならず、多くの情報をカメラ本体だけで表示するようになり、非常に便利になった。上記のガイドモードはさらにそれを進めた機能と言えよう。ROMの容量が増えれば、音声ガイドや動画を使ったガイドも技術的には可能だ。昔よく言われた、「デジカメらしさ」の1つではないだろうか。
今月1週からの掲載分も含め、「アクティブD-ライティング」は一切使っていない。この機能は、RAW現像する時に、どうなるのかを必ずON/OFFで違いをチェックしているが、今月はONもOFFもほとんど差が出なかった。これは、もともと天候の関係もあり、明るい部分と暗い部分の輝度差があまりなく、全体的にのっぺりした写真になっているのが原因だろう。逆に「カラーブースター/人物」は、いつも以上に使っているし、与えている数値も大きめだ。光が弱いと、色が乗らないのは物理的に当たり前の話であり、不自然にならない範囲で見栄えする様に調整している。
上ブロックのキッチンにはダイニングテーブルがあり、そこがスタッフの休憩所となっている。従って片付けるのが大変で、ほとんど撮影で使ったことのない場所だ。とは言え、同じパターンばかりだと面白くない。以前、1回だけこの連載で撮ったことがあるが、その時の照明はRIFAだった。今回はストロボなので、また違った雰囲気に……。さと美ちゃんと遊びながらシャッターを切った。(つづく)
actress重盛さと美@AVILLA
photographer西川和久
D3000
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED
2009/11/20/ 00:00