リコーGR DIGITAL IV「グリップ交換サービス」体験記

Reported by 本誌:鈴木誠

 リコー「GR DIGITAL IV」の本体グリップ部を好みのデザインに交換できる「グリップ交換サービス」が2011年12月に始まった。現在では宅配による受付も始まっているが、今回は実際にリコー銀座カメラサービスセンターの窓口を訪れた。

リコー銀座カメラサービスセンター中の様子

 グリップ交換サービスは、これまでのGR DIGITALにも提供されてきた「カスタマイズサービス」にGR DIGITAL IVから加わった新メニューで、カメラ本体のグリップ部を異なるデザインのものに交換できるというサービスだ。料金は5,775円(宅配受付は7,350円)。素材はいずれも樹脂製で、3種類のデザインから選ぶことができる。いずれもワールドワイドで各1,000個の数量限定という。

 ホワイトエディションのGR DIGITAL IVもグリップ交換を依頼可能。担当者の想像以上にホワイトエディションを持ち込むユーザーが多いとのことだった。人気のデザインを伺ったところ、どちらのボディカラーでも「ウッド」が一番人気で、次いでブラックボディでは「レザー」、ホワイトエディションでは「カーボン」が人気だそうだ。筆者はレザー調を選んだ。

カスタマイズ前のGR DIGITAL IV。手にした感触こそGR DIGITAL IIIとは多少異なるが、せっかくの新機種なので更なる“新鮮み”を求めてみたグリップ交換のサンプル。奥の左から「レザー」、「カーボン」、「ウッド」。手前は筆者が持参した素のGR DIGITAL IV

 グリップ交換のサンプル機は、カスタマイズを受け付ける銀座・大阪のサービスセンターのほか、銀座4丁目交差点のフォトギャラリー「RING CUBE」で手に取ることができる。

 リコー銀座カメラサービスセンターの営業時間は土日・祝祭日を除く9時30分〜17時。作業待ち時間は長くても2時間ほどで、カスタマイズの内容と混雑状況によっては数十分程度で完了するという。展示されている歴代リコーカメラを眺めたり、RING CUBEで写真展を見てくるのもいいだろう。

 グリップ交換の受付初日は、平日の朝にも関わらず入口前でオープンを待つユーザーの姿があり、担当者も驚いたそうだ。筆者が実際にカスタマイズ依頼に伺った日も、朝9時30分のオープンと同時にサービスセンター入っていくユーザーを見かけた。

歴代リコーカメラ(左)を眺めたり、現行機種を手に取ることができる(右)

 ほどなくして作業は完了。GR DIGITAL IVは2011年10月の発売からまだ3カ月ほどということもあり、元のグリップも綺麗に剥がれた。また持ち込めば同じ料金で元に戻すことも可能とのことだ。接着剤の経年変化が進んでいると綺麗に剥がすのが難しく、再利用できない状態になる場合もあるという。

カスタマイズ後のGR DIGITAL IV。レザー調のルックスが新鮮だラバーが綺麗に剥がれたので、返却してもらった
元のラバーとの比較。いわゆる“吸い付くような感覚”でこそなくなるものの、さほど滑りやすくなったとは感じない

 今回はせっかくなので、グリップ交換と同時に「シャッターボタンアジャストサービス」(3,150円)と「レンズネームリング交換サービス」(窓口2,100円、宅配3,675円)もお願いしてみた。

 シャッターボタンアジャストサービスでは、シャッターボタン内部のバネを交換することで半押し段の感触を調節する。GR DIGITAL IVでは軽めの「-1」と重めの「+1」を選択可能だ。筆者はGR DIGITAL IVと並行して使っているコンパクトカメラに合わせ、重めの+1を選択した。見た目にはわからない、こだわりのカスタマイズだ。

事前にサンプルで感触を試せる元のバネ。交換後に返却してもらえる

 レンズネームリング交換サービスはGR DIGITALで最も人気のカスタマイズメニューだそうで、主にマクロ撮影時に被写体への写り込みを避けたいユーザーが好むという。筆者は見た目の印象変化を狙って交換してみた。

黒塗りのレンズ銘が精悍な印象。より黒々としたカメラになったカスタマイズしていないGR DIGITAL III(右)と比較

 レンズネームリングは構造上の都合で元のパーツを再利用することができないそうだが、今回は参考までに新品状態のパーツを見せていただいた。レンズ鏡筒の先端に貼付けるパーツのため、一度外してしまうと再利用できないのだという。

(参考)新品状態のレンズネームリング裏側はシール状。厚さは0.5mmほど

 これまで2年ごとのモデルチェンジを繰り返してきたGR DIGITAL。コンパクトデジタルカメラとしては、相当長い付き合いができる機種だといえる。もはやカメラファンならずともお馴染みの外観に、ちょっとした変化を加えてみるのも面白いのではないだろうか。






本誌:鈴木誠

2012/1/23 00:00