新製品レビュー

パナソニックLUMIX DMC-GH4(実写編)

新センサー&新エンジンで高画質化。4K動画も

前回の機能編では、前モデルGH3から進化した点や、操作感を中心に、GH4の魅力をご紹介した。

新製品レビュー:パナソニックLUMIX DMC-GH4(機能編)

今回はさまざまなシーンを静止画と4K動画で撮影してきたので、GH4の実力を見ていただきたい。

遠景その1

まずは、キットレンズ「LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.」を使用して撮影した画面中央の解像を見てみよう。記録解像度はGH4で撮影できる最大の4,608×3,456ピクセル、JPEG撮って出しである。

下のサムネイルは青枠部分の等倍切り出しです
クリックで等倍表示します

画像等倍で見てみると、光学10倍のキットレンズの広角端としては解像感は高い印象。中央部のビルの室外機や手前のビルの柵などしっかりと解像している印象だ。

レンズ周辺はやや像に乱れを感じるが、光学10倍の高倍率ズームであることを考慮すれば納得がいく。

また、レンズの歪曲収差に関してもまったく気にならない。ボディの補正とレンズ側の補正両方共に優秀であることが伺える。GH4との相性はとてもよさそうだ。

遠景その2

今度は望遠側122mm相当でマカオのビル群を撮影したサンプルだ。

下のサムネイルは青枠部分の等倍切り出しです
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この焦点域ではレンズ中央から周辺まで像が安定しており、画像中央から周辺までしっかり解像していることが分かる。

シャープネスも強く、数キロ離れたビルに干してある洗濯物やエアコンの室外機、窓枠、柵などまでしっかりと確認できる。

キットレンズここまでの解像感を得られるので、不満は少ないだろう。

高感度その1

夕暮れ前のマカオのホテル群を撮影。暗部とハイライト部が同居する難しいシーンだ。

下のサムネイルは青枠部分の等倍切り出しです

ISO200からISO800までは画質に大きな変化はなく、実用してもまったく気にならない印象。ISO1600になると少しざらつきを感じる箇所もでてくるが解像感にはほとんど影響はない。

ISO200
ISO400
ISO800
ISO1600

ISO3200になるとホテルの外壁などの解像感が少し失われ始める。陰の部分はノイズリダクションが強くかかるせいかのっぺり感が増す印象だ。

ISO6400くらいからノイズリダクションも強めにかかりディテールが失われ始める。

ISO3200
ISO6400
ISO12800
ISO25600

個人的には暗部と明部が混在する状況下では、ISO3200まで実用で、ISO6400は緊急的に使用する程度、ISO12800やISO25600の使用はSNSやブログなどのWeb用途を除くと、お勧めできない印象だ。

4K動画

最大の魅力である4K動画を見ていただきたい。ただし4Kの再生ともなるとハイレベルな環境が必要なので、注意してほしい(YouTube歯車アイコンから4K解像度に切り換え可能)。

まずはマカオの噴水。水しぶきの細かい部分までしっかりと描写していることに驚かされるはずだ。

また、水面の反射や周りの風景の描写もまるで静止画かと思うほど解像感がある。

香港の夜景では、LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7を使用。マジックアワーのビクトリアハーバーを撮影した。繊細な描写でこちらも写真が動いているようだ。

ISO400で撮影しているがノイズなども気にならない。夜景の動画をここまできれいに撮れるとは驚きだ。

4K PHOTO

GH4には、撮影した4K動画から一コマを切り出す機能がある。下の作例が、4K動画から切り出した、約800万画素(3,840×2,160ピクセル)の写真だ。ぜひ拡大してみてほしい。細かい羽根のディテールまで、しっかりと解像しているのが確認できる。

4K動画から切り出した静止画。パナソニックではこれを「4K PHOTO」という名称で訴求している。レンズ一体型モデル「LUMIX DMC-FZ1000」にも同様の機能がある

切り出し方法は簡単で、撮影した動画を再生し、ベストなタイミングで一時停止させて「MENU/SET」ボタンを押すことで一枚の画像として保存できる。約800万画素もあるためA3などにプリントできるクオリティーだ。

ただし、アスペクトは16:9になってしうのでA4などにプリントしたいユーザーはトリミングなどで対応する必要がある。今後、3:2や4:3のアスペクトにトリミングするような機能もほしいところだ。

まとめ

今回、GH4を持って香港とマカオを旅してきた。4K動画が撮れるハイエンドモデルにもかかわらず、レンズ数本を加えてもなお、小さなカメラバックに入る軽量・コンパクトさ。おかげで楽に撮影を行なえた。

他にも感銘を受けた点は多々ある。例えばAFの進化だ。昼夜関係なく、ストレスなく被写体を捉えることができた。

そして、画質の安定感。ハイライトの粘りが良くなったのは、撮像素子と画像処理エンジンのおかげだろう。夕景やマジックアワーのグラデーションもしっかりと表現することができた。

さらに、広帯域輪郭強調処理のおかげもあり、明らかに被写体のエッジ部分がシャープ。解像感が増しているように感じる。GH3から比べても明らかに画質が向上していることを体感できた。

4K動画で注目度は高いGH4ではあるが、実は静止画機能も非常に優秀なカメラと強調しておきたい。

作品集

香港の夜景を撮影した。マジックアワーの絶妙なグラデーションもなめらかに表現できている。解像感は高く、ビルのディテールまで細かく描写していることが確認できる。

LUMIX DMC-GH4・LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.・ISO200・F6.3・2秒・-0.7EV・25mm

LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.を使用して、ハイビスカスを撮影した。明るい単焦点レンズを使うことで大きなボケを得ることができる。ボディとレンズの相性はよく、きれいなボケを堪能することができた。

LUMIX DMC-GH4・LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.・ISO200・F2.2・1/5,000秒・0EV・15mm

クリエイティブコントロールのクロスプロセスを使い、屋台にあったカレンダーを撮影した。撮影した日は香港返還記念日の7月1日。クロスプロセスの設定を緑にして、香港の屋台らしい雰囲気を味わい深く表現してみた。

LUMIX DMC-GH4・LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.・ISO200・F1.6・1/160秒・-1EV・25mm

ビクトリアハーバーを航行している貨物船とフェリーの対比がおもしろかったので撮影した。望遠の圧縮感で背景をギュッと圧縮して迫力を表現した。解像感も高く船や街のディテールまでしっかりと確認することができる。

LUMIX DMC-GH4・LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.・ISO200・F7.1・1/1,000秒・-0.7EV・81mm

上田晃司

1982年広島県呉市生まれ。米国サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強しながらテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを制作。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、フリーランスのフォトグラファーとして活動開始。人物を中心に撮影し、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影している。現在は、カメラ誌やWebに寄稿している。
ブログ:http://www.koji-ueda.com/