新製品レビュー

パナソニックLUMIX DMC-GH4(機能編)

シリーズ最高の完成度!4K動画や高速AFが魅力のマイクロフォーサーズフラッグシップ

GHシリーズの最新機種「LUMIX DMC-GH4」は、4K動画機能で注目されている機種だ。

新製品レビュー:パナソニックLUMIX DMC-GH4(実写編)新センサー&新エンジンで高画質化。4K動画も

2009年に発売された「LUMIX DMC-GH1」からGHシリーズは動画に強く、写真ファンに加え、動画ファンも多い。現在、ボディ単体で4K動画を撮影できる機種は数機種にとどまり、マイクロフォーサーズ機ではこのGH4が初となる。

4K動画以外にも、前機種「LUMIX DMC-GH3」から様々な部分が改善されており、新機能もいくつか追加されている。

例えば、空間認識AFはより素早い測距をもたらし、AFエリアのカスタマイズも自由度が増した。連写性能も強化されている。

ボディーの防塵防滴機構も継承。シャッター耐久回数が約20万回になるなど、プロ仕様の堅牢性も魅力の一つだろう。

発売日は4月24日。実勢価格はボディのみで18万円前後となっている。

グリップが手になじむ

一見、GH3と比べて何も変わっていないように感じるボディー。しかしよく見ると、マイナーチェンジされた箇所に気づく。

ひとつは、モードダイヤルにロック機構が採用されたこと。不意にモードダイヤルが動かないようになった。

モードダイヤルにはロックボタンが新たに搭載された。設定後ボタンを押し込むことでモードダイヤルがロックされる。

また、外観の形状では内蔵ストロボ部分の外装が若干変更されているようだ。

内蔵ストロボはGN12(ISO100・m)相当。手動ポップアップ式を採用し照射角は24mm相当となっている。

さらに、グリップ感も大幅に変更されている印象。指の掛かり具合が強化され、片手で持ち歩いてもカメラが落ちにくい。特に、42.5mm F1.2など大きめのレンズを装着する際には役立つ印象だ。手のひらになじむように少しだけ膨らみがあるように感じる。GH3に比べると、圧倒的にGH4の方が手になじむ。

グリップのデザインが変更になり、より手に馴染むようになった

ボタン類は基本的にGH3と同じで、操作感は良い。頻繁に使用するホワイトバランスやISO感度、ドライブモード、フォーカスモードなどは、ダイレクトにボタンやレバーで変更可能。前後ダイヤルも操作しやすい。

ドライブモードは単写、連写、ブラケット、セルフタイマー、インターバル、コマドリ撮影が選択できる。瞬時にドライブモードを変更できるので便利だ。
フォーカスモードレバーを操作することでAFS、AFC、MFを変更できる。

唯一の不満は露出補正の方法だろう。GH3の時も同じだったが、露出補正ボタンを押しながら行なう。

しかし、下位モデルのLUMIX DMC-GX7やLUMIX DMC-G6などは、後ダイヤルを一度押し込むことで露出補正が可能になる。こちらの方が圧倒的に便利なため改善を期待したが、今回も変更はないようだ。使用している間に慣れたが次期機種には期待したい。

メニューは項目が増えて多く感じるが、上手にまとめられているため問題ないだろう。FnボタンもFn1〜Fn5まで用意されておりカスタマイズ性能にも期待できる。

また、動画撮影時の機能もアップグレードされており、使いやすさは抜群。ピーキング機能はもちろんのこと、白トビを警告するゼブラパターンや画面の中央をマークするセンターマーカー、タイムコードの表示、モノクロライブビュー機能など最上位機種に相応しい機能が満載だ。

4Kのシビアなピント合わせてにも役立つ外部モニター出力にも対応している。

ただし、出力のHDMI端子がMicro HDMIなため、抜けやすさの点で少し不安だ。可能であればMini HDMIくらいが理想だったが、Micro HDMIのため安全のためテープなどで固定するとよいだろう。

外部モニターにはMicro HDMIを採用。一般的なHDMIなどよりは抜けやすいのでテープで固定するなど注意したい。

また、ライブビューファインダーが約236万ドットのOLEDファインダーになり、ずいぶんと見やすくなった。GH3の時には眼鏡をしたままだと四隅まで見ることが難しかったがGH4では改善され視認性も高い印象を受ける。

ライブビューファインダーは236万ドットのOLEDファインダーを採用。タイムラグはほとんど感じられず視認性も高い。眼鏡をかけていても見えやすいので安心だ。

フリーアングルモニターもOLED静電タッチモニターになり視認性が高い。昼間でもしっかり画面を確認することができ、撮影しやすかった。

3型、104万ドットのOLED静電タッチモニターは上下250°に回転、左右180度に可動するためハイポジションでもローポジションでも楽な姿勢で撮影を行なえる。

ホールド感、操作性、モニターの視認性など多くの部分で性能が向上しており本当に操作しやすいカメラに仕上がっている印象だ。

バッテリーはGH3同様にDMW-BLF19を採用。バッテリーが共通なのはGHユーザーとして助かる。
記録メディアはSDを採用。カード扉がサイドに付いているため三脚にカメラを固定していてもすぐにカード交換ができる。

センサーと画像処理エンジンについて

撮像素子は、有効約1,605万画素のLive MOSセンサー。GH3から画素数に変化はないが、読み出しスピードは高速化され、GH3比で2倍の速度を実現しているという。

有効約1,605万画素Live MOSセンサー

さらにヴィーナスエンジンも改良されている。4CPUの高速演算処理により高感度、解像度、階調、色再現すべてにおいて画質が向上しているという。

それらにより、最高ISO感度はISO25600に対応。ダイナミックレンジも最大で25%拡大している。解像力を最大限引き出す「広帯域輪郭強調処理技術」や、色再現を強化する「3次元色コントロール」なども、画質面での強化ポイントに含まれる。

実際の描写力や色の表現力は、次回の実写編で詳しくご紹介したい。

AFなどレスポンスについて

GH4の魅力の一つがAF性能の向上だろう。新開発の空間認識AFは、ライブビューの画像からピント位置の違う空間を認識し、それをもとに高速演算する技術だ。

インタビュー:LUMIX GH4の「空間認識AF」は何が凄い?

ライブビュー画面に映る被写体すべてのピント位置を瞬時に演算し、その情報をもとに瞬時に合焦領域までレンズを駆動させる。それにより、AFの精度の向上に加え、高速化を実現する技術だ。

AFS時には約0.07秒の高速AFを実現し、AFCでは追従性能が飛躍的に向上しているという。AFC時の7コマ/秒の連写も、この技術によるところが大きい。

AFエリアもGH3の23点から49点へと、2倍以上に増えている。

しかも被写体に合わせて横一列は縦一列など今までにないAFエリアの使用や好みのフォーカスエリアを設定できる「フリー」も使用できるようになった。被写体に合わせて自分なりのフォーカスエリアを作成できるので便利だ。特に動体を撮影するには便利なので、ぜひ使いこなしていただきたい。

フォーカスモードをカスタムマルチに設定し、フリーを選択するとフォーカスエリアをカスタムできる。被写体に合わせて自由にフォーカスエリアを設定できる。

顔認識も向上し、瞳を認識するようになった。もし思い通りの瞳に合わないようなら、背面モニターをタッチするだけで、自動的に逆の瞳を認識。ポートレートを撮影するユーザーには役立つに違いない。AFだけを見てもGH3とは全く違う次元のカメラだということがわかるはずだ。

4K動画を静止画に切り出す「4K PHOTO」

GH4の最大の魅力はやはり4Kの動画機能だろう。システム周波数を24.00Hzにすると4,096×2,160/24P、システム周波数を59.94Hzにすると3,840×2160/30Pまたは24Pなどの4K動画を撮影できる。

4K録画中の画面はシンプル。必要であればタイムコードや水準器、ガイドラインなども表示できる。

ビットレートは100Mbps。規格はMP4やMOVを選択できる。外部レコーダーなどは必要なく、メモリーカードへの直接記録が可能だ。4K動画を記録する際、メモリーカードはUHSスピードクラス3(U3)を使用すると安心だ。もちろん、外部レコーダーも使用できる。4:2:2 10bitの映像信号を出力することも可能。

動画にも静止画と同様「フォトスタイル」を設定できる。その中に、「シネライクガンマ」が用意されているのはさすがだ。

動画記録では、Mモード、P、A、Sの各モードに対応。FHDではVFR(バリアブルフレームレート)を使うことで、クイックやスローモーション動画を撮影することも可能だ。2fpsから96fpsに対応しており、プロジェクトに応じたクイックやスローモーション動画を撮影できる点は魅力だ。

4K動画を上手に使った写真表現が、それが4Kフォトだ。4K動画から決定的瞬間などを静止画として切り出せる。

連写では撮影できない被写体の動きや、野生動物のようにいつ動くかわからない被写体を4K動画で撮影。瞬間を動画化から切り出すことで、今まで撮影が難しかった被写体やシーンを静止画で表現することが可能となる。4Kとなり、静止画としても十分な、800万画素で切り出せるようになったのが大きい。カメラ内で切り出せるので、誰でも楽しめるだろう。

動画を再生して切り出したい箇所で一時停止させて、MENUボタンを一度押すと「表示されている画像を写真として保存しますか?」と表示されるので、保存する場合は「はい」を選択する。
4Kフォト目的で撮影する場合は予め輝度レベルを写真と同じ0-255に設定する。
動画では動画フォトスタイルシネライクガンマ設定ができる。Dレンジを優先したシネライクDとコントラストを優先したシネライクVを選択できる。

4Kフォトを撮影する際は、輝度レベルを動画の16-235や16-255ではなく0-255に設定しておこう。

また、撮影する際は通常の動画撮影とは設定が異なるので注意したい。動画ではシャッタースピードを1/50秒や1/60秒にするが、4Kフォトに切り出す場合は、シャッタースピードを1/2,000秒など速めにしておくことが重要だ。遅すぎると被写体がブレてしまい残念な結果になってしまう。

まとめ:完成度を増したフラッグシップ

GH4はお世辞抜きで、4K動画カメラとしても、静止画カメラとしても出来がよい。操作感などでは少し不満を感じる部分はあったかもしれないが、画質、レスポンス、AF性能、操作感すべてにおいて、ストレスフリーで問題なく撮影に集中できた。

筆者は以前よりLUMIXシリーズを使用しているが、その中でもGH4は圧倒的な存在といえる。写真と動画を撮影する楽しさを改めて教えてくれたカメラだ。

次回の実写編では、香港で撮影した実写画像と4K動画を披露する予定だ。堪能していただければと思う。

キットレンズにはLUMIX G VARIO 14-140 mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.を採用。光学10倍のレンズではあるが手のひらサイズのコンパクトサイズが魅力だ。使い勝手はとてもよいレンズだ。

上田晃司

1982年広島県呉市生まれ。米国サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強しながらテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを制作。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、フリーランスのフォトグラファーとして活動開始。人物を中心に撮影し、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影している。現在は、カメラ誌やWebに寄稿している。
ブログ:http://www.koji-ueda.com/