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【新製品レビュー】カシオHIGH SPEED EXILIM EX-FH100

ハイスピード機能搭載の薄型10倍ズームモデル
Reported by 上田晃司

 広角から望遠までカバーする光学10倍のズームレンズを搭載しながらも、奥行き29mm(突起部をのぞく)の薄型ボディを採用するのが、カシオの「HIGH SPEED EXILIM EX-FH100」(以下EX-FH100)だ。

 それだけなら最近は他社の製品でも良く見かけるが、加えて40コマ/秒の高速連写や、最大1,000fpsのハイスピードムービーを搭載する10倍ズーム機は本機だけだろう。つまり実用性に加え、EX-F1以来のハイスピード性能を兼ね備えた高機能モデルとなっている。

 カラーバリエーションは、シルバーとブラックから選択可能。実勢価格は4万5,000円前後。


DNG記録など基本機能も充実

 撮像素子は1/2.3型の裏面照射型CMOSセンサー。高感度に強い裏面照射型CMOSセンサーと高速連写機能は、ある意味理想的な組み合わせといえる。有効画素数は1,010万画素。

 レンズは、35mm判換算で24〜240mm相当をカバーする光学10倍ズーム。開放F値はF3.2〜5.7。手ブレ補正としてセンサーシフト式補正を採用している。広角端で若干歪みがあるが、個人的にはほとんど気になることはない。逆光でもゴーストやフレアがほとんど出ず、快適に撮影することができた。また、マクロモードではレンズ先端から約7cmまで寄ることが可能だ。個人的にはこのクラスの製品に、もう少し寄れるマクロ機能を期待してしまう。

 10倍ズームレンズを搭載していると考えると、ボディはとても薄く感じる。グリップもよくできていて、ホールド感に優れている印象。ズームレバーはやシャッターボタンのフィーリングもかなりよい。液晶モニターは23万ドットの3型を搭載している。バッテリーは、ボディに対して大きめの印象。バッテリー寿命も長く、1日動画と静止画を撮っても十分残量があった。ちなみに、電池寿命は約520枚(CIPA規格)。

 撮影モードも多彩だ。初心者向けのオートまたはBS(ベストショット)が充実しているのはもちろん、こだわり派には絞り優先AE、シャッター速度優先AE、マニュアル露出)からも選択可能。また、RAW(DNG)記録にも対応している点も本格的だ。

 撮影モードの切換は、モードダイヤルから行なうタイプ。また、キーのカスタマイズもある程度可能で、左右キーに任意の機能を割り当てることが可能だ。また、ムービーボタンを搭載しているのでワンタッチで静止画撮影からムービー撮影が可能。ムービーボタン周囲のムービーモードスイッチでハイスピード動画と通常動画の切換ができるのも便利だと感じた。また本機は、動画撮影中でもシャッターボタンを押すだけで静止画の記録が可能な「スチルインムービー機能」を搭載。静止画撮影中も、動画がとぎれることなく録画されているのは便利だ

比較的薄いボディに、24〜240mm相当の光学10倍ズームレンズを搭載。センサーシフト式の手ブレ補正機構も備える
操作ボタンはEXILIMでおなじみの配置。ムービーモードスイッチで通常動画とハイスピード動画を切り替える HD記録が可能ということで、本体にHDMI端子も装備
バッテリーはNP-90。CIPA準拠の撮影可能コマ数は約520コマと高性能だ。高速連写機だけにうれしい

連写を活かした機能が多数。実用的な「HSライティング」

 本機の注目すべき点といえば、カシオが得意とするハイスピードテクノロジーだろう。40コマ/秒の高速連写を最大で30コマまで撮影可能。記録画素数は900万画素に減ってしまうものの、鳥やスポーツなど、いままでコンパクトデジタルカメラで撮影しにくかった速い被写体の撮影も可能になってきた。

 メカシャッターを使うフル解像度記録の「F連写」は、最大で10コマ/秒の連写が可能。40コマ/秒より落ちるとはいえ、1秒当たりの連写コマ数だけを見れば、多くのデジタル一眼レフカメラをしのぐ性能といえる。この場合、1回の撮影で20コマまで撮影可能だ。

 連写性能を活かした機能として、三脚を使うことなく夜景を撮影できるという「HS(ハイスピード)夜景」を搭載。高速連写によって撮影した複数の画像を合成することで、三脚を使わず夜景写真を作り上げるものだ。また、明暗差の激しい被写体やシーンも「HS(ハイスピード)ライティング」で撮影すれば、カメラが自動的に露出の異なる3コマを撮影し、カメラ内で合成。HDR画像を生成してくれる。

 実際に試してみたが、HS(ハイスピード)ライティングは非常に効果的。三脚を使うことなく手持ちでHDR画像を作成できるのだ。合成時間もものの数秒なので、ストレスはほとんどない。明暗差に弱いコンパクトデジタルカメラには最適な機能だと感じた。

撮影時の画面例。おなじみの「操作パネル」(画面右列)による操作も行なえる
左右キーに特定の機能を割り当てられる ハイスピード(HS)機能を含むBS(ベストショット)が搭載されている

カシオ独自のハイスピードムービー記録を搭載

 本機の豊富な機能のうち、最も特徴的なのは動画記録だろう。720p(1,280×720ピクセル)のHD動画記録はもちろん、HIGH SPEED EXILIMシリーズでおなじみのハイスピードムービーが楽しい。

 選択できる撮影速度と画像サイズは、120fps(640×480ピクセル)、240fps(448×336ピクセル)、420fps(224×168ピクセル)、1,000fps(224×64ピクセル)となっている。さらに、動画記録中にフレームレートを切り替えられる30-120fps(640×480ピクセル)、30-240fps(448×336)も選択可能だ。被写体やイメージに合わせて記録速度と画像サイズを選択するといいだろう。

 実際にハイスピードムービーを撮影してみると、普段何気なく見ている電車や車からの風景、ペットの動きや昆虫も色々なことに気づくので面白い。科学的な撮影にとどまらず、アーティスティックな作品作りにも使えそうだ。ただし上記の通り、フレームレートが上がると画像サイズも小さくなるので、使用用途に合わせて選択するといいだろう。なお、HD動画記録はステレオ音声の録音にも対応している。

  • サムネイルをクリックすると、無編集の撮影動画をダウンロードします。
  • 再生環境についての問い合わせには受けかねます。ご了承ください。
1,280×720 / 30fps / 40.5MB
640×480 / 120fpsで記録 / 42MB
448×336 / 240fpsで記録 / 34.4MB
224×168 / 420fpsで記録 / 14.9MB
224×56 / 1,000fpsで記録 / 5.6MB

まとめ

 画質に関しては、コンパクトデジタルカメラにしては、非常にシャープで細部までの表現緑が高い印象。空のグラデーションなども豊かに表現されている。裏面照射型CMOSセンサーの特性なのか、等倍表示でみると細密感がなく、ノッペリとして見える部分もあるが、適当なサイズにプリントするなり縮小して見て見れば気になることはない。

 ISO感度に関しては、ISO800まではノイズはほとんど気にならないので十分常用できる。ISO1600ではノイズが目立つが、被写体を選べば十分使える印象を受けた。

 通常のカメラとしての機能も高い上、高速連写やハイスピードムービー撮影も可能な高機能モデル。今までのコンパクトデジタルカメラには撮影できなかった被写体やシーンでの撮影と、幅広い通常撮影に対応できるオールマイティさが魅力だ。広角から望遠をカバーするレンズに加え、コンパクトデジカメとしてみると高感度撮影も強い。様々なシーンで楽しめるのでオススメだ。


実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

・画角

広角端
EX-FH100 / 約4.2MB / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F7.5 / -1EV / ISO100 / WB:太陽光 / 4.3mm
望遠端
EX-FH100 / 約5.4MB / 3,648×2,736 / 1/640秒 / F5.7 / -0.3EV / ISO100 / WB:太陽光 / 43mm

・歪曲収差

広角端
EX-FH100 / 約5.3MB / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F3.2 / 0EV / ISO100 / WB:曇天 / 4.3mm
望遠端
EX-FH100 / 約4.5MB / 3,648×2,736 / 1/125秒 / F5.7 / 0EV / ISO400 / WB:曇天 / 43mm

・感度

ISO100
EX-FH100 / 約3.8MB / 2,736×3,648 / 1/15秒 / F3.2 / 0EV / WB:電球 / 4.3mm
ISO200
EX-FH100 / 約3.9MB / 2,736×3,648 / 1/30秒 / F3.2 / 0EV / WB:電球 / 4.3mm
ISO400
EX-FH100 / 約3.8MB / 2,736×3,648 / 1/60秒 / F3.2 / 0EV / WB:電球 / 4.3mm
ISO800
EX-FH100 / 約3.7MB / 2,736×3,648 / 1/125秒 / F3.2 / 0EV / WB:電球 / 4.3mm
ISO1600
EX-FH100 / 約3.5MB / 2,736×3,648 / 1/250秒 / F3.2 / 0EV / WB:電球 / 4.3mm
ISO3200
EX-FH100 / 約3.9MB / 2,736×3,648 / 1/500秒 / F3.2 / 0EV / WB:電球 / 4.3mm

・カラーフィルター


EX-FH100 / 約4.7MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F4.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:昼白色蛍光灯 / 16mm
白黒
EX-FH100 / 約3.9MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F4.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:昼白色蛍光灯 / 16mm
セピア
EX-FH100 / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F4.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:昼白色蛍光灯 / 16mm

EX-FH100 / 約4.7MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F4.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:昼白色蛍光灯 / 16mm

EX-FH100 / 約4.6MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F4.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:昼白色蛍光灯 / 16mm

EX-FH100 / 約4.6MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F4.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:昼白色蛍光灯 / 16mm

EX-FH100 / 約4.5MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F4.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:昼白色蛍光灯 / 16mm
ピンク
EX-FH100 / 約4.9MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F4.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:昼白色蛍光灯 / 16mm

EX-FH100 / 約4.6MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F4.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:昼白色蛍光灯 / 16mm

・HSライティング

ON
EX-FH100 / 約4.8MB / 2,592×3,456 / 1/640秒 / F3.2 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm
OFF
EX-FH100 / 約4.5MB / 2,736×3,648 / 1/400秒 / F7.5 / 0EV / ISO400 / WB:太陽光 / 4.3mm

・そのほか

EX-FH100 / 約4.5MB / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F16.1 / -0.7EV / ISO100 / WB:太陽光 / 43mm EX-FH100 / 約4.8MB / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F7.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm
EX-FH100 / 約7.0MB / 3,648×2,736 / 1/125秒 / F5 / -0.3EV / ISO100 / WB:曇天 / 18.8mm EX-FH100 / 約7.6MB / 2,736×3,648 / 1/60秒 / F4.4 / 0EV / ISO250 / WB:太陽光 / 11.6mm
EX-FH100 / 約5.8MB / 2,736×3,648 / 1/640秒 / F3.2 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 4.3mm EX-FH100 / 約5.3MB / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F3.2 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm
EX-FH100 / 約5.6MB / 3,648×2,736 / 1/1,000秒 / F4.2 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 9.8mm EX-FH100 / 約3.0MB / 2,736×3,648 / 1/250秒 / F3.2 / +2.0EV / ISO400 / WB:太陽光 / 4.3mm
EX-FH100 / 約3.5MB / 2,736×3,648 / 1/5秒 / F4.4 / -0.7EV / ISO100 / WB:太陽光 / 11.6mm EX-FH100 / 約4.1MB / 3,648×2,736 / 1/400秒 / F7.5 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 4.3mm
EX-FH100 / 約4.1MB / 3,648×2,736 / 1/800秒 / F3.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:太陽光 / 7.1mm EX-FH100 / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 1/640秒 / F7.5 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 4.3mm
EX-FH100 / 約5.0MB / 3,648×2,736 / 1/60秒 / F3.2 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 4.3mm EX-FH100 / 約4.5MB / 3,648×2,736 / 1/60秒 / F3.2 / 0EV / ISO250 / WB:太陽光 / 4.3mm
EX-FH100 / 約4.7MB / 3456x2592 / 1/500秒 / F3.2 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 4.3mm EX-FH100 / 約5.6MB / 2,736×3,648 / 1/250秒 / F7.5 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 4.3mm
EX-FH100 / 約2.5MB / 3,648×2,736 / 1/6秒 / F14.5 / -1EV / ISO100 / WB:太陽光 / 35.7mm EX-FH100 / 約2.9MB / 3,648×2,736 / 1/80秒 / F7.5 / -0.7EV / ISO100 / WB:太陽光 / 4.3mm




上田晃司
(うえだこうじ)1982年広島県生まれ。アメリカ、サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強をする。学生時代にTV 番組やCMを制作するものの人物写真に目覚め、写真家を目指すことを決意。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントしながらフリーランスのカメラマン、ライターとしても活動を開始。

2010/4/6 00:00