ミニレポート
充電器が別売?だったら「アクセサリーキット」が安上がり
(ソニーα6000+Touit 12mm F2.8)
Reported by 北村智史(2014/4/8 14:05)
ここ何年か、一眼レフはニコン、ミラーレスカメラはオリンパスを使ってきたが(キヤノンEOS Mはカミサン用である)、思うところあってマウントを増やすことにした。どうしてなのかを書きはじめると長々しくなってしまうので簡単に書くと、ツァイスのTouit 12mm F2.8を使ってみたくなったからである。
Touitシリーズには、ソニーEマウントと富士フイルムXマウントがラインナップされているが、ファインダー内蔵の最新モデルで、かつお値段が手ごろ、ということで、α6000を選んでみた。自分のことながら前向き感のない決め方だなぁと思う。それにお金に余裕がないので、レンズはこれ1本きり。18mm相当の超広角オンリーだなんて、はっきりいって変態です。
それはいいとして、ほかに買ったのは、アクセサリーキットACC-TRW。新型のバッテリーチャージャーBC-TRWとリチャージャブルバッテリーパックNP-FW50のセットである。あと、液晶保護フィルム(メーカー忘れた)、クランプラーのストラップ、カメラといっしょに買うと3割引だからとそそのかされてサンディスクExtreme PROの32GB(95MB/秒のヤツ)を1枚。まあ、ボディとレンズを買って、そのポイントで残りのアイテムをゲットしたような感じである。
ひとつ、買い忘れたのはシューキャップFA-SHC1M。マルチインターフェースシューのカバーである(にしても、ソニーって、いろんなものの名前が長いよね)。お値段は税別で900円。NEX-6やα99には付属しているもので、ニコンやオリンパスのカメラには付いているのが当たり前だったこともあって、勝手に付属しているもんだと思い込んでいたら、実は別売だったという落とし穴。まあ、なくて困るものでもないので、気にしない人は無視していただくとして、端子が見えてしまうのが落ち着かない人は、ボディといっしょに手に入れておくことをおすすめしたい。
話を戻して、アクセサリーキットACC-TRWを買ったのは、いうまでもなく、α6000が本体充電だからである。microUSBケーブルとACアダプターが同梱されていて、これを本体に接続して充電する仕様になっている。世間では、旅行のときの荷物が少しでも減らせるのはありがたいと歓迎する向きが多いらしいが、個人的には大嫌いである。
時間のかかる本体充電。アクセサリーキットがお買い得
α6000の場合、本体充電での充電時間は、使用説明書によると、ゼロ→フルで約310分。5時間ちょっとである。一方、バッテリーの容量はといえば、フル充電での撮影可能枚数(CIPA基準)が、液晶モニター撮影時で約360枚。EVF撮影時だと約310枚に減る。そんなに大量に撮るほうではないが、調子に乗ると1日に700枚とか800枚とかは撮ってしまうから、バッテリー2本持ちは確定である。
で、これで1泊の撮影旅行を想定してみる。1日頑張って、バッテリーがカラの状態で宿に入って、午後8時に充電を開始したとすると、1本目が完了するのは午前1時すぎ。もちろん、容量が残っていればもっと早く終わるはずだが、運が悪いときのことも想定しておくべきだろうから、就寝時間は午前1時以降と考えておく必要がある。この時点でもうだめ。日付が変わる前に寝ないと次の日がつらいたちなのである。
それが、別売のバッテリーチャージャーBC-TRWを買うと、充電時間は約220分になる(ちなみに、従来モデルのBC-VW1は約250分だった)。これだって、けして速いとはいえないが、本体充電よりも1時間半短いのだ。さっきの例でいえば就寝時間を午後11時半にできる。睡眠時間をきちんと確保したい人には、この差はかなり大きい。旅行の荷物がひとつ増えることよりもずっと大きいはずだ。だから、わざわざ別売の充電器を買うことにした次第である。
さて、お値段は、バッテリーチャージャーBC-TRWが税別6,300円、リチャージャブルバッテリーパックNP-FW50が税別8,000円だが、2つがセットになったアクセサリーキットACC-TRWなら、税別1万円である。実売価格も、ばらばらに買うより3,000円近く安い。この差もでかい。バッテリーも充電器も欲しいという人は、絶対にこちらを買ってもらいたい。というか、買わなきゃ損である。
独特の画面表記に戸惑う。EVFは好印象
ついでに、と書くのもなんなのだが、買ってみての印象も少し。実はソニーのカメラを買うのはサイバーショットDSC-T1(2003年11月発売である)以来のことで、当然、レンズ交換式は初めてである。もちろん、だいたいのことはいじっていれば見当はつく。が、よくわからないところもやっぱりある。で、使用説明書を読むのだが、これがよくわからない。
例えば、カスタム設定に「ゼブラ」という項目があって、「明るさ調整の目安になる縞表示を設定する」と書かれているのだが、選択肢の「70」から「100」と「100+」の意味がわからない。単位も不明。謎である。説明書を読んでいるのに説明書が欲しくなる感じ。シュールである。細かいことを知りたい場合は、オンラインのヘルプガイドを参照すればよいことになっているらしいが、そういうのを全部ひとまとめにした使用説明書を、どうして作ってくれないのかがまた不思議である。
愚痴は置くとして、NEXからαに変わって、メニューはずいぶん見やすくなったし、コントロールダイヤルの単独操作で露出補正ができるのも便利(NEXは、7以外はみんな、ボタン+ダイヤル操作なのだ)。EVFが144万ドットになったのを心配する声も多いが(NEX-7や6と比べると、あからさまなスペックダウンだからね)、のぞいてみた印象はそれほど悪くない。見比べれば見劣りするのは間違いないが、数字の差よりは大きくない(と思う)。
むしろ、ファインダー光学系が新しくなって、見やすくなったような気がしている。NEX-7や6が手もとにないのでなんともいえないが、目の位置が芯から多少ずれても見づらくなりにくい感じがするし、像の変形もない(NEX-7や6のファインダー像は、左右方向にちょっぴり縮まっていて、正方形の被写体が少し縦長にゆがんで映るのだ)。発色とかコントラストとかについては、もう少し使い込んでからレポートしたい。
あと、水準器がないのはやっぱり残念だった点。昔はないのが当たり前だったし、ソニーのは画面中央にドーンと表示されるのが邪魔っ気だったりもするのだが、最近は内蔵しているカメラが増えていることもあるし(NEX-7にも6にも内蔵されてるもんね)、ないのは少々物足りない。もしかしたら、シューカバーよりも、付けっぱなしにできる水準器を探すほうが先決かもしれない。