気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

キヤノンEOS M【第4回】

マウントアダプターで一眼レフ用レンズを使ってみる

 EOS Mに付けられるEF-Mレンズは、今のところ、標準ズームと単焦点広角の2本だけ。そのうちに望遠ズームだとか中望遠レンズとかも登場するだろうし、レンズメーカー各社も何か出すんだろうけれど、そういうのは年が明けてからの話になるのではと勝手に思っている。

 で、それまでのあいだの物足りなさをどうにかするためのアクセサリーがマウントアダプターEF-EOS Mである。

 EF-EOS Mは、名前のとおり、EFマウントのレンズをEOS Mに装着するためのアダプターで、2本のレンズが付いたダブルレンズキットに、スピードライト90EXとともに同梱されている。単品では1万2,600円。大手量販店では1万500円ほどで買える。

 EOSはもともと完全電子マウントなので、ソニーやニコンみたく絞りを駆動するメカを組み込んだりする必要がない。その分お値段がお手ごろなわけだ(ちなみに、ソニーのミラーなしタイプのLA-EA1は2万1,000円、ニコンのFT1は2万3,310円する)。

 スペック上の重さは約110gだが、着脱式の三脚座ががっちりした金属製ということもあって案外に重く、カミサン愛用のちょっと目盛のあやしいキッチンスケールではかったところ、EF-EOS M本体が105gで、三脚座のみが45g。合わせて150gということになる。

 着脱は簡単で、工具もコインも必要ない。といって、外しておいてなくしてもつまらないし、使いたいときに付け忘れても困る。なので、結局は付けっぱなしにしておくことになるだろう。

マウントアダプターEF-EOS M。ダブルレンズキットには同梱されているが、単体でも売っている。お値段は12,600円である。
カメラの底面よりもEF-EOS Mのほうが太いので、三脚に載せるときはEF-EOS Mを固定する。三脚座は着脱式で、けっこう重い。

 まあ、そういうのはさておいて。EF-EOS Mを使うことで、EOS MをEF、EF-Sレンズ(EFマウントのレンズには、TS-EやMP-Eレンズもあるが、そのへんのレンズをわざわざこのカメラに付けたい人がそんなにいるとも思えないから、ここでは「EF、EF-Sレンズ」と書いてしまうことにする)のプラットフォームとして活用できるわけで、ダブルレンズキットに同梱しているのは、そういう使われ方を期待してのことだろうと思う。

 ただし、一眼レフのEOSとミラーレス一眼のEOS Mとでは、AFまわりがまるっきり違う。測距センサーによる位相差検出AFを前提に設計されたEF、EF-Sレンズを、ハイブリッドCMOS AFで動かすのだ。使用上の注意だとか制約だとかは当然ある。一眼レフと同じスピードは望むべくもないし、EF-Mレンズと比べてもゆっくりめでしかない。まあ、ソフトウェアの部分での改良の余地はまだあるはずだから、ファームウェアアップデートを待つしかない。

 それから、サーボAF(一般にいうところのコンティニュアスAFのこと。EOS MのコンティニュアスAFは半押しなしでもピント合わせを連続的に行なう機能のこと)の動作もちょっと違う。Webサイトには「マウントアダプターEF-EOS Mを装着した場合、連写中のサーボAFでは、1コマ目のみAF追従します」とあるし、使用説明書にも、サーボAFについて「EF、EF-Sレンズを取り付けている場合:撮影中はフォーカスロックになります」と書かれている。使うレンズにもよるだろうけれど、筆者個人の感覚としては、Nikon1 V2にマウントアダプターFT1を併用してAF-Sレンズを使うのよりも快適度は高くない。そういうレベルのAFだと思う。ぶっちゃけ、多くを期待してはいけないということである。

 とはいえ、手持ちのレンズが使えるというのは、それなりに便利なことである。さすがに白レンズ付けて手持ちとかはちょっとありえないでしょうよって思ってしまうけれども、軽量級のレンズなら望遠も案外にいける。以前別の仕事でEF-S 55-250mm F4-5.6 IS IIとの組み合わせを試してみたことがあるが(実写不可のボディだったので撮ってはいないけれど)、手ブレ補正のおかげもあって、400mm相当の画角でも手持ちで撮れそうな印象を受けた。中望遠域の画角なら、拡大表示でのMFもやれそうだ。

 正直なところ、EOS Mでレンズ交換式カメラのキャリアをスタートした人が、わざわざEFやEF-Sレンズを買うのはどうかと思うが、もともと持っているレンズで遊びたいというならそれなりに楽しめるのではないかと思う。

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「さっぽろホワイトイルミネーション」がはじまってます。今年は節電モードなので、バイオディーゼル発電もやってます。EOS M / EF-S 60mm F2.8 Macro USM / 5,184×3,456 / 2秒 / F8 / ISO100 / WB:太陽光 / 60mm(96mm相当)
風で枝が揺れるものだから感度はISO400にアップしている。EOS M / EF-S 60mm F2.8 Macro USM / 5,184×3,456 / 1/25秒 / F2.8 / ISO400 / WB:太陽光 / 60mm(96mm相当)
AFはすでに当てにならない暗さ。なので全部MF。ホワイトバランスも太陽光固定、露出もマニュアルである。EOS M / EF-S 60mm F2.8 Macro USM / 5,184×3,456 / 1/10秒 / F2.8 / ISO400 / WB:太陽光 / 60mm(96mm相当)
「宇宙の領域」と題されたシンボルツリー。5,720個の電球がぴかぴかしているのだそうな。EOS M / EF-S 60mm F2.8 Macro USM / 5,184×3,456 / 1.3秒 / F8 / ISO100 / WB:太陽光 / 60mm(96mm相当)
一眼レフなら目がくらむくらいの超広角でも、ミラーレスのライブビュー映像では超広角感がほとんどしないのはなぜだろう。EOS M / SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM / 5,184×3,456 / 1秒 / F8 / ISO100 / WB:太陽光 / 8mm(12.8mm相当)
円形絞りじゃないから開放で。でも、ラグビーボール状になるし、絞り羽根のエッジが出ているのか、不可解な欠け方をしているのもある。EOS M / EF-S 60mm F2.8 Macro USM / 5,184×3,456 / 0.3秒 / F2.8 / ISO100 / WB:太陽光 / 60mm(96mm相当)
大通1丁目会場の「愛のツリー」。足もと(ちょっとお見苦しいですが)はうっすらと雪積もってる。気温も0度前後だったりする。EOS M / SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM / 5,184×3,456 / 10秒 / F11 / ISO100 / WB:太陽光 / 8mm(12.8mm相当)
「ミュンヘン・クリスマス市 in Sapporo」というイベントも(少し遅れての開催なので、このときはまだ工事中)。EOS M / SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM / 5,184×3,456 / 3.2秒 / F11 / ISO100 / WB:太陽光 / 8mm(12.8mm相当)
5万8,270個のLEDで川の流れを表現する「クリスタル・リバー」。上から見下ろせる台があって、そこからだと見応えあり。EOS M / SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM / 5,184×3,456 / 0.4秒 / F8 / ISO100 / WB:太陽光 / 9mm(14.4mm相当)
「クリスタル・リバー」には鶴のオブジェも飾られている。EOS M / EF-S 60mm F2.8 Macro USM / 5,184×3,456 / 0.4秒 / F8 / ISO100 / WB:太陽光 / 60mm(96mm相当)
「ライラック」のシンボルオブジェ。ホトケアカバネ(分からない人はごめんなさい)にちょっと似てる。EOS M / SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM / 5,184×3,456 / 1/2秒 / F11 / ISO100 / WB:太陽光 / 12mm(19.2mm相当)
大通公園は12月25日まで、駅前通や南一条通は2月11日とか14日とかまでやってます。寒いですけど。EOS M / SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM / 5,184×3,456 / 8秒 / F16 / ISO100 / WB:太陽光 / 10mm(16mm相当)

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストきたむら さとし 1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら