ソニーサイバーショットDSC-RX100【第2回】

APS-Cセンサー搭載機と撮り比べ

Reported by 本誌:折本幸治


 今回はNEX-7と夜景を撮り比べる機会があったので、その画像の一部を掲載したい。


左からDSC-RX100とNEX-7(レンズはSonnar T* E 24mm F1.8 ZA)

 正直にいうと、DSC-RX100の暗所撮影能力に不満を覚えたことはない。1インチセンサーとF1.8レンズの組み合わせは想像以上に強力で、一般的なコンパクトデジカメを軽く凌駕するレベルだからだ。発表会やセミナーなど屋内で使用するときの安心感は、大げさではなく、レンズ交換式デジタルカメラのそれと変わらない。

 普段の感度設定は基本的にISO AUTOで、感度の下限をISO125、上限をISO6400にしている。ノイズリダクションはデフォルトの「標準」。いざとなったら内蔵ストロボもあるし、連写合成の「マルチショットNR」だってある。とにかく暗所での撮影に強いところが、最近DSC-RX100を常用する理由のひとつとなっている。


ボディのみで大きさを比較

今度はNEX-7にE 18-55mm F3.5-5.6 OSSをつけてみた。それなりに大きくなる

 比較したAPS-C機はソニーNEX-7。NEXシリーズ中、比較的高感度が苦手とされる機種だ。

 さすがにDSC-RX100の方が、高感度ノイズや輪郭の崩れがより目につく。またこれまで認識していなかったが、今回の作例のような強い明暗差がある場合、DSC-RX100のダイナミックレンジの狭さが気になった。

 作例は2機種とも絞り優先モードで絞りF4に設定、ISO感度別に撮影している。ノイズリダクションは「標準」。DROはオート。DSC-RX100の画角はNEX-7の交換レンズ「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」(36mm相当)に合わせて、35mm相当にしている。すべて三脚を使用した。

撮影画像の全体

DSC-RX100 / 約3.9MB / 5,472×3,648 / 1/1.6秒 / F4 / -1.0EV / ISO80(拡張感度) / WB:オート / 13mm 
DSC-RX100 / 約4.4MB / 5,472×3,648 / 1/2.5秒 / F4 / -1.0EV / ISO100(拡張感度) / WB:オート / 13mmNEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約5.6MB / 6,000×4,000 / 1/3秒 / F4 / -1.0EV / ISO100 / WB:オート / 24mm
DSC-RX100 / 約4.5MB / 5,472×3,648 / 1/3秒 / F4 / -1.0EV / ISO125 / WB:オート / 13mm 
DSC-RX100 / 約4.5MB / 5,472×3,648 / 1/5秒 / F4 / -1.0EV / ISO200 / WB:オート / 13mmNEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約5.1MB / 6,000×4,000 / 1/8秒 / F4 / -1.0EV / ISO200 / WB:オート / 24mm
DSC-RX100 / 約4.7MB / 5,472×3,648 / 1/10秒 / F4 / -1.0EV / ISO400 / WB:オート / 13mmNEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約5.0MB / 6,000×4,000 / 1/13秒 / F4 / -1.0EV / ISO400 / WB:オート / 24mm
DSC-RX100 / 約4.8MB / 5,472×3,648 / 1/15秒 / F4 / -1.0EV / ISO800 / WB:オート / 13mmNEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約5.2MB / 6,000×4,000 / 1/25秒 / F4 / -1.0EV / ISO800 / WB:オート / 24mm
DSC-RX100 / 約5.0MB / 5,472×3,648 / 1/40秒 / F4 / -1.0EV / ISO1600 / WB:オート / 13mmNEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約5.4MB / 6,000×4,000 / 1/50秒 / F4 / -1.0EV / ISO1600 / WB:オート / 24mm
DSC-RX100 / 約4.8MB / 5,472×3,648 / 1/80秒 / F4 / -1.0EV / ISO3200 / WB:オート / 13mmNEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約6.5MB / 6,000×4,000 / 1/125秒 / F4 / -1.0EV / ISO3200 / WB:オート / 24mm
DSC-RX100 / 約5.1MB / 5,472×3,648 / 1/160秒 / F4 / -1.0EV / ISO6400 / WB:オート / 13mmNEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約6.7MB / 6,000×4,000 / 1/250秒 / F4 / -1.0EV / ISO6400 / WB:オート / 24mm
 NEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約7.8MB / 6,000×4,000 / 1/500秒 / F4 / -1.0EV / ISO12800 / WB:オート / 24mm
 NEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約8.0MB / 6,000×4,000 / 1/500秒 / F4 / -1.0EV / ISO16000 / WB:オート / 24mm

 とはいえDSC-RX100もこの厳しい条件下で、ISO1600ぐらいまではがんばっている印象。今回はF4に揃えたが、DSC-RX100は35mm相当だと開放F値がF2.8なので、サンプルより速いシャッターが切れることになる。手ブレ補正も加味すると、今回のサンプルでの手持ち撮影の限界は、ISO400、またはISO800といえそうだ。だったら高感度ノイズの影響はほとんどないといえる。

 ちなみに、同じシーンをDSC-RX100のマルチショットNR(絞り優先F4)で撮影したところ、ISO2000・シャッター速度1/40秒で撮影された。




(おまけ)

 DSC-RX100の35mm相当F2.8と、NEX-7+Sonnar T* E 24mm F1.8 ZAのF1.8を比べた。DSC-RX100の画像にも軽くボケが生じているが、APS-Cセンサー+F1.8のボケには敵わない。多彩な表現力を求めるなら、センサーサイズとレンズの選択肢の多さからして、一般的なレンズ交換式デジカメの方が有利なのは間違いない。


DSC-RX100 / 約5.5MB / 5,472×3,648 / 1/40秒 / F2.8 / +0.7EV / ISO250 / WB:オート / 13mmNEX-7 / Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA / 約5.3MB / 6,000×4,000 / 1/50秒 / F1.8 / +0.7EV / ISO100 / WB:オート / 24mm

 とはいえ、ポケットに収まるほど小さいことを考えると、DSC-RX100は色んな面で善戦しているといって良い。性能と小型化のバランスの良さは、ピカイチだと思う。






本誌:折本幸治

2012/8/8 00:00