デジカメアイテム丼

「宙玉レンズ」に工作不要の完成品が登場

光学ガラス球の採用で画質もアップ

「宙玉(そらたま)レンズ」と言えば、実験写真家の上原ゼンジ氏が考案した“空中に浮かんだ玉に被写体が浮かんだように写る”レンズのこと。

今回の宙玉レンズの作例。E-M10 / 1/100秒 / F13 / +0.7EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:OFF(Natural)

これまで工作が必要だった宙玉レンズだが、このほど工作無しでカメラのレンズに装着できる「soratama 72」という製品が登場した。これは上原氏とアドプラスによるZENJIXブランドの製品で、マミンカから発売されている。

これが「宙玉レンズ」
今回の製品は「ZENJIX」のロゴが入っている

これまで宙玉レンズはアクリル板とアクリル球で自作するか、レンズ部分の完成品を買って自分で鏡胴を作る必要があった。今回のsoratama 72は、鏡胴部分も完成品とすることで、カメラのレンズにスマートに付けられるのが特徴となっている。

(参考)従来は菓子の筒などで鏡胴を自作する必要があった

今回発売されたのは、レンズ部分の「soratama 72」(税込5,994円)と鏡胴の長さを延長する「Extension Tube 72」(税込4,762円)。

soratama 72は、宙玉レンズ本体と20mmのエクステンションチューブからなる
Extension Tube 72は、5/10/20mmのエクステンションチューブのセット

いずれも、フィルターメーカーのゴゾフィルタース(同社Webサイトで製造工程も公開している)が製造した日本製。特にこれまでアクリル製だった球を光学ガラス製にして画質も高めている。鏡胴(フレーム)部分はアルミ製で、カメラ用フィルターと同様のしっかりした作りになっている。製品名にあるとおり、72mm径のフィルターネジを備えている。

板もガラスで透明度は高そうだ
フィルターメーカーの製造とあって、板の固定はフィルターのそれと同じだ

soratama 72は取り付けるカメラのレンズによって、延長筒の長さを調節する必要がある。Webサイトでカメラ別のセッティングが公開されているが、今回は上原氏が「コンパクトでおすすめのシステム」というOLYMPUS OM-D E-M10とM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8の組み合わせで試用した。

今回試したカメラとレンズ(OLYMPUS OM-D E-M10 + M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8)

宙玉レンズは、球に映った像をマクロ撮影するシステムなので、至近距離にピントが合うようにしなければならない。一般的な撮影レンズではピントが合わないため、今回は中間リングを使って最短撮影距離を短縮した。

また、72mm径の宙玉レンズを46mm径のM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8に付けるために、46mm→72mmのステップアップリングを使用する。

soratama 72には元から付属している20mmのエクステンションチューブと、Extension Tube 72に入っている20mmのエクステンションチューブを装着するとピントが合うようになる。

今回はケンコーブランドの46mm→72mmのステップアップリングを使用
レンズの最短撮影距離を縮める中間リングは、ケンコーブランドのデジタル接写リングセットを使用。今回は左側の10mmタイプのみを使った。手持ちのレンズをマクロレンズとして使えるので、持っていると普段の撮影でも重宝する
今回の組み合わせ。左からカメラ、中間リング(10mm)、撮影レンズ、ステップアップリング、エクステンションチューブ20mm、宙玉レンズ(エクステンションチューブ20mm付き)
すべてをセットしたところ
ボディに対して径の大きなレンズとなるが、従来の菓子箱を使ったものよりしっかりしており、安心して撮影できる

 ◇           ◇

試したところ、AFでピントが合うので使いやすかった。光学ガラスとあって、合焦した部分はなかなか鮮明に写っている。

宙玉レンズは絞り値によって写りが変わり、絞りを開けると球とそれ以外の境界がぼやける。一方絞ると、球の輪郭がはっきり出る。好みもあるが、今回のシステムではF8〜F11程度に絞ると球の輪郭が綺麗に出て宙玉らしい雰囲気の写真になる。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 宙玉レンズは上下が逆に写るため、回転処理をしています。
F1.8で撮影
絞り開放だと玉の輪郭がはっきりしない。E-M10 / 1/40秒 / 0EV / ISO400 / プログラム / 17mm
F10で撮影
適度に絞るとより玉が宙に浮いている様に写る。玉の内部もより鮮明になる。E-M10 / 2秒 / F10 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm

宙玉レンズはそのままでも面白いが、カメラのエフェクト機能を併用するとさらに面白い。今回はOLYMPUS OM-Dを使ったので、「アートフィルター」を適用して多くを撮影した。「ポップアート」のような彩度の高いエフェクトが宙玉レンズと相性が良いように感じた。また、「リーニュクレール」などのエフェクトも面白いだろう。

アートフィルターによる違い

※共通設定:E-M10 / 1/100秒 / F10 / +1EV / ISO200 / プログラム / 17mm

OFF(Natural)
OFF(Vivid)
OFF(モノトーン)
ポップアート
ファンタジックフォーカス
デイドリーム
ライトトーン
ラフモノクローム
トイフォト
ジオラマ
クロスプロセス
ジェントルセピア
ドラマチックトーン
リーニュクレール
ウォーターカラー

宙玉レンズが気になっていてもこれまで踏み出せなかった向きは、この機会に試して見てはいかがだろうか。

 ◇           ◇

E-M10 / 1/160秒 / F9 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:ポップアート
E-M10 / 1/250秒 / F9 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:ライトトーン
E-M10 / 1/100秒 / F8 / +1EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:ファンタジックフォーカス
E-M10 / 1/125秒 / F10 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:クロスプロセス
E-M10 / 1/320秒 / F8 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:ポップアート
E-M10 / 1/200秒 / F8 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:ウォーターカラー
E-M10 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:ファンタジックフォーカス
E-M10 / 1/200秒 / F8 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:デイドリーム
E-M10 / 1/400秒 / F9 / -0.7EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:リーニュクレール
E-M10 / 1/320秒 / F8 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:ウォーターカラー
E-M10 / 1/500秒 / F4.5 / +1EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:トイフォト
E-M10 / 1/100秒 / F11 / +1EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:ライトトーン
E-M10 / 1/200秒 / F11 / 0EV / ISO200 / プログラム / 17mm / アートフィルター:ラフモノクローム

(本誌:武石修)