ガードフォースジャパンが取扱うバンガードブランドの4段三脚「Nivelo 204」(7,980円)は、本体部分の一部に空間を設けた「オープンキャノピーデザイン」が特徴的なアルミ三脚だ。同社の三脚ラインナップの中でも、ミラーレスカメラのユーザーや、女性に向けて展開している製品。
Nivelo 204。シルバー(左)とブラック(右)をラインナップする | 折り畳んだところ |
オープンキャノピーデザインは、三脚本体に空間を設けることで、センターコラムを垂直方向に180度回転できるというもの。真上から見ると「C」もしくは「U」の形をしている。そのメリットは、センターコラムを取り外すことなくローアングル撮影に移行できたり、折り畳む際に通常の三脚よりも小型化が図れるという点にある。ちなみに全高は1m。
ローポジション非対応の小型三脚でローアングル撮影を行なう場合は、センターコラムを一旦三脚から取り外し、逆さまに取り付ける方法が知られている。Nivelo 204の場合は、センターコラムを反転できることで、センターコラムを外すことなくローアングル撮影に移行できる。
折り畳んだ際の見た目は、脚を反転させて折り畳むタイプの三脚に似ている。バンガードでは、脚を反転させるタイプでは開脚機構が複雑になることから、センターコラムを回転させた方が小型軽量かつ安定性が高いとしている。
センターコラムを下げたところ | センターコラムを伸ばしたところ |
カメラを装着して全伸高まで伸ばしたところ | 実際に撮影しているところ。モデルの身長は175cm |
三脚本体部に空間を設ける | センターコラムを反転させることで、少ない手間でローアングル撮影に移行できる |
センターコラムを反転させたところ |
縮長は30cm。ミラーレスカメラや女性に向けた製品と謳うことはあり、トートバッグ程度のバッグに収まるサイズに抑えている。また重量も630gと比較的軽量。実際にバッグに入れて持ち出してみても、容量をそれほど圧迫せず、単体で持ち運ぶ分には、負担は少なく感じた。ほかの機材と一緒に収納して持ち運ぶときはカメラバッグに入れることになると思うが、その場合30cmは長く感じるので、ある程度大きなバッグでないとお勧めできない。
脚を伸縮する際は、脚先の石突部分を握って捻り、一気に引き出す。必ず最後まで引き出す必要はないので、状況に応じて途中で止めて締めれば、その長さで使用できる。
脚は石突部分を回転して締めるタイプ | 伸ばしている途中で止めることもできる |
耐荷重は2kg。今回の試用ではペンタックスK-xのレンズキットを主に用いたが、通常の環境で使う分には問題なかった。ただし、海辺など強風が吹くような環境では三脚自体の軽量さが災いして、しっかり押さえていないと撮影は厳しかった。また、AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G EDを装着したD300(約1,800g)を装着してみると少々不安定になったので、耐荷重に収まるとはいっても、小型軽量な機材の搭載にとどめておいた方がよさそうだ。
雲台は、カメラとシューのネジを直接装着するタイプ。前後への傾き操作と水平回転のみ対応する。加えて、気泡管水準器も有する。
また、センターコラム自体が可動することもあってか、雲台部分が落下したときに衝撃を吸収する「アンチショックラバーリング」を備えている。センターコラムを垂直方向に回転するときは本体横のつまみを緩めるのだが、センターコラムを押さえずに緩めると雲台が落下してくるので、うっかりミスに備えたこの装備はありがたい限りだ。
雲台には水準器を備える | 前後方向と水平方向に可動する |
K-xを装着したところ | 前方向に最大まで傾けたところ |
後ろ方向に最大まで傾けたところ | センターコラムを下げているところ |
センターコラムを下げるときにはストッパーを押下する | 雲台落下時のショックを和らげるアンチショックラバーリング |
センターコラムを反転させているところ |
Nivelo 204のメリットは、三脚本来の役割を果たしつつも、収納性・可搬性に優れるという点だろう。せっかく小型軽量なミラーレスカメラを選んだのであれば、周辺用品も含め、全体をできるだけコンパクトにまとめたいもの。夜景撮影や多重露光、スローシャッターを使った表現などを狙うのであれば、三脚は必ず必要になってくる。そのような場合に、三脚がバッグに忍ばせておけるサイズであることは、大きなアドバンテージになるだろう。
【2011年3月7日】記事初出時、製品名を「Nivelo 120」と記載しておりましたが、正しくは「Nivelo 204」です。訂正してお詫び申し上げます。
2011/3/7 00:00