東洋リビング「オートクリーンドライ ED-41CDB」

~お手軽サイズの小さな防湿庫

オートクリーンドライ ED-41CDB

 写真を撮るようになり、機材の数が増えてくると、使用頻度の少ない機材がどうしても出てくるもの。特にボディとレンズでお気に入りの組み合わせができると、使わないカメラ機材は本当にまったく使わなくなってしまう。

 筆者も今年の梅雨時までは、そうした使わない機材を特に気にせず棚に置いていたのだが、考えてみれば日本の夏場の湿度は相当なもの。出社している間は自室も無人で空調は切っているし、蒸し暑い室内に放置することが機材に良いとはとても思えない。中でも怖いのがカビだ。

 はじめは余った衣装ケースに機材を入れて、除湿剤と防カビ剤でも一緒に入れておけばいいかなと思ったが、定期的な薬剤交換と湿度管理の手間を考えると、多少値が張っても長期的には安上がりだろうと判断し、本格的な防湿庫の購入に踏み切った。

 購入したのは東洋リビングの「オートクリーンドライ ED-41CDB」(3万9,800円)。除湿方式は「電子ドライユニット方式」を採用。除湿ユニットには光を照射すると強い酸化作用を生じる光触媒(酸化チタン)を組み込んでおり、有機物質を水や炭酸ガスに分解することで、庫内の脱臭、抗菌、防カビなどを見込めるという。

 今回は最も小型な容量41リットルの製品を使用した。外寸は334×353×454mm(幅×奥行き×高さ)、内寸は332×299×407mm、重量は10kg。

 レビューに際して収納した機材は、K10D、K-m、DA 16-45mm F4 ED AL、DA 55-300mm F4-5.8 ED、50-200mm F4-5.6 DC OS HSM、FA 35mm F2 AL、DA 15mm F4 ED AL Limited、DA 40mm F2.8 Limited。大口径望遠ズームレンズなどの大きなレンズを持っていないので、すべての所有機材が余裕をもって収納できた。スライド棚の波型レンズホルダーは取り外し可能なので、取り出しやすさを考慮せずに詰め込めば、さらに多くの機材が収納できるだろう。

庫内には単3電池式の湿度計を備える。庫内の湿度と温度を同時に表示可能機材収納例。最も小型とはいえ、詰め込めるだけ詰め込めば相当量の機材を収納できる
波型レンズホルダーが付属するスライド棚を引き出したところ
スライド棚を取り外したところ扉にはロックも備える

 内部には湿度コントロール用のダイヤルがある。高湿度と低湿度という形でしか指標が示されていないのは、ダイヤルでコントロールできるのが乾燥剤の再生タイミングのみであるためのようだ。ちなみに加湿は不可能。

 背面からはやや高温の気流が排気されている。設置するとき、壁面にぴったりとくっつけてしまうと危険な気がしたので、筆者は壁から5cm程度離しておくことにした。設置場所は自宅用PCの横。設置面積はそれなりだが、上に物を置いたからといって用をなさなくなるたぐいのものではないので、天面にはインクジェットプリンターを設置している。

 また、ED-41CDBはラインナップ上最少サイズというのもあるが、金庫のような見た目ほど重量はないので、中に機材を収納したままでも配置換えは比較的容易。扉やスライド棚は軽く、動作音や振動も皆無だ。

 湿度がコントロールできるということは、カメラ機材に限らず、書籍やCDなどの収蔵にも対応できるといえる。試しに所有している写真集を入れてみたのだが、判型の大きなものは入り切らないこともあった。ケチらずにもう一回り大きな防湿庫を買っておけば良かったかな、と思ったが、特に大事なものに関してはここに保管可能なことがわかったのでよしとした。

除湿ユニットは構造上、内部と繋がっている予備のコンセントも装備。着脱はできないが、バッテリーや携帯端末の充電器などを繋いでおくと便利だ
湿度調整用ダイヤル写真集を収納したところ。判型が大きすぎてED-41CDBでは収納できないものもあった

 カメラ機材について、「きちんと使っていれば、カビが生えることはない」という話を耳にすることがあるが、筆者の使い方では、特別に意識しない限り、すべてのボディとレンズを万遍なく使うことは難しい。しかし、普段は使わなくても、いざ機材を使用する時にできるだけ良いコンディションで使いたいと思っているのならば、心配事を減らす意味も含めて防湿庫を使うというのは、悪い選択ではないと思う。なくても別に困らないが、少なくとも使わない機材をとりあえず放り込んでおく場所としては最適だろう。



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2009/8/31 00:00