デジカメドレスアップ主義

脱ミニチュア化するGRドレスアップ

GR II

2016年初っぱなのデジカメドレスアップ主義は、お題目としてGR IIを選んでみた。歴代のGRシリーズはドレスアップのベースボディとしてあまりに有名だが、その有り様も少しずつ変化の兆しが見て取れる。

初期のGR DIGITALシリーズは、外付けファインダーやレンズフードに工夫を凝らすことが多かった。カメラが小さいゆえに、ファインダーやフードが大きすぎてミニチュアカメラのような面白さがあり、「小さいのに本格派」という典型的なギャップ萌えだ。小さなコンパクトデジタルカメラをレンジファインダーカメラ風に見せることが、当時のドレスアップの醍醐味だった。

初期GR DIGITALシリーズのドレスアップ例
2010年の本連載「GRカスタマイズの逆襲」(GR DIGITAL III)より

こうしたドレスアップは現在のGR IIでも可能だが、ちょっとした違和感をおぼえることがある。APS-Cセンサーを採用して以降、GRシリーズはそれなりのボディサイズとなり、ファインダーやフードを付けてもミニチュアっぽさはあまり感じられない。むしろ普通によく似合ってしまう。こうなると、ファインダーやフードはドレスアップと言うより、実用パーツとしての側面が強くなる。ここがGRドレスアップの見逃せない変化だ。

ドレスアップはどこかしら遊びの要素を含んでおきたいので、あまり実用本位でも気持ちが削がれる。そこで今回は、ホットシューに付けるアイテムは実用性無視、というあえてフリーダムな縛りを設けてみた。さて、どんな見え方になるだろうか。

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スタイル1:ユリシーズのボディスーツ&ストラップ

  • ボディ:リコー GR II
  • ケース:ユリシーズ GR II ボディスーツ(ネイビー)
  • ストラップ:ユリシーズ クラシコ・セルペンテ(ブラウン)
  • ファインダー:ライツ SEROO(シルバー)

ひとつめはユリシーズの製品でドレスアップしてみた。同社のGR用ケースは定番商品のひとつで、ボディスーツという名称通り、カメラ全体をレザーで包み込むスタイルが特徴だ。GR IIボディスーツはグリップ部分にストライプ柄が入り、見た目のおもしろさに加え、ホールド感向上にも貢献する。カラーはチョコレート、ブラック、ネイビーの3色展開で、ここではネイビーを合わせてみた。使い始めは青いが、エイジングによって色が黒っぽく変化する。こうしたレザーの味わいも楽しみたい。

上部と側面をホックボタンで止め、カメラ全体をレザーで包み込む。このデザインがボディスーツの特徴だ
ユリシーズのGR IIボディスーツは税込1万4,364円。側面に穴があり、エフェクトボタンを直接操作できる
背面はレザーが液晶モニターまわりを覆うスタイルだ。このフルカバードがボディスーツたる由縁である
グリップ部分にスリット状の型押し。実用性に加え、デザイン上のアクセントにもなっている

ストラップは紐タイプのクラシコ・セルペンテを装着した。こうした紐タイプのストラップは各社から発売されているが、取り付け部が紐であるため、どうしても華奢に見えるのが難点だ。その点本製品は、ストラップ本体から取り付け部の先端に至るまで、バランス良くまとまっている。ストラップは幅13mmで、コンパクトデジタルカメラと組み合わせて過剰にならないスリムなスタイルだ。

ユリシーズのクラシコ・セルペンテは税込7,560円。カラーバリエーションは全6色だ
ストラップ本体から取り付け部にかけての連なり具合が良い。ジグザグのステッチも良いアクセントだ

ホットシューにはライカ用の折りたたみ式ファインダーを付けてみた。9cmレンズ用なので28mm相当のGR IIの画角とはまったく異なるが、純粋にアクセサリーとして面白みがある。中古相場は1万7,000円から2万円ほどだろうか。筆者はeBayにて1万5,000円ほどで落札した。ギミック感満点の外観のわりに、常識的な金額で入手できるファインダーだ。

ライツSEROOは9cmファインダーだ。実用性は皆無だが、GR IIの雰囲気とよく似合う
折りたたむとフラットになる。パララックス補正も備えたギミック満載のファインダーだ

スタイル2:リコイルのケースを軸に

  • ボディ:リコーGR II
  • ケース:リコイル GR【Heavy duty leather / Dimple style case - Jason-】
  • ストラップ:ドッピエッタ・トーキョー クラックレザー カメラストラップ(ブラック)
  • 距離計:フォクトレンダー 93/184

2例目はリコイルのケースを軸にしたドレスアップだ。ディンプルスタイルケースと名付けられた本製品は、グリップ部分に大きめの穴が並び、迫力のある外観が特徴である。厚手のレザーを用いた硬派なケースだ。このケースは側面にDリングがあり、ここにストラップが付けられる。ハンドストラップの装着を意図したと思われる装備だが、今回はネックストラップによる一点吊りにしてみた。ドッピエッタ・トーキョーのクラックレザーカメラストラップは、フックタイプの金具でDリングに装着しやすい。

リコイルのディンプルスタイルケースは税込2万1,600円。硬質なヘビーレザーを用いている
ディンプルは窪みという意味だが、本ケースでは穴を開けている。ディンプル風のデザインという意味合いだ
厚手のレザーを正確に成形し、タイトフィットなケースに仕上がっている
背面はフルオープンスタイルだ。側面も含め、すべてのボタンにイージーアクセスできる
ケースにDリングを搭載しているため、ストラップの選択の幅が広がる

このストラップはレザーのセレクトに妙味がある。一見するとマットブラックだが、表面をクラック処理しためずらしいイタリアンレザーだ。光の加減ではダークグレーっぽい見え方になる。クラックレザーという派手なカテゴリーのわりに、大人でも違和感なく使える落ち着きのあるスタイルだ。

ドッピエッタ・トーキョーのクラックレザー カメラストラップは税込1万8,900円だ
鏡面のきめ細かいクラックが見て取れる。ハードさと落ち着きを兼ね備えたレザーだ

ホットシューには旧フォクトレンダーの距離計を載せてみた。GR IIはAFカメラなので、当然ながらこの距離計を実用することはないだろう。このドレスアップはケースとストラップの押し出しが強いので、それに負けないように目立つアイテムを載せてみた。こうした遊び心でドレスアップを自分流に楽しんでみよう。

旧フォクトレンダーの距離計は中古カメラ店で1万円強で購入した
背面のダイヤルを回し、二重像を合致させて被写体までの距離を測る

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp