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デジカメドレスアップ主義:レア度最強の8mmレンズ用アダプター

PENTAX Q + Macro Switar 36mm F1.4 H8RX
Reported by 澤村徹

  • ボディ:PENTAX Q
  • レンズ:マクロスイター 36mm F1.4 H8RX
  • マウントアダプター:レイクォール H8RX-PTX/Q
  • レンズホルダー:ルミエール レンズホルダーC
  • エクステンションキット:デジタルホビー Cマウント エクステンションキット
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 アルパのマクロスイターといえば、10万円を下ることのない高額オールドレンズだ。Cマウントのマクロスイターも、負けず劣らず高額である。マクロスイターは美ボケレンズとして有名だが、あのとろけるようなボケ味を堪能するには、それ相応の出費が必要だ。そうしたなか、安価にマクロスイターを楽しめるマウントがある。それが8mmフィルムムービーカメラのH8RXマウントだ。レイクォールからペンタックスQ用H8RXマウントアダプターが登場したので、早速試してみた。

 8mmフィルムムービーカメラ用のマウントといえば、Dマウントが事実上のユニバーサルマウントだ。それに対し、H8RXマウントはボレックスが採用していた独自規格である。スクリューの口径はCマウントと同じ25.4mm(1インチ)だが、フランジバックは15.3mmでCマウントの17.5mmよりも短い。ちなみにDマウントはマウント口径が15.8mmでフランジバックは12.3mmとなる。整理すると、H8RXマウントはDマウントよりも口径大きく、Cマウントよりフランジバックが短い規格ということになる。

 こうしたH8RXマウント用のアダプターがレイクォールから登場したわけだが、これはある種の大英断である。なぜなら、H8RXマウントは独自規格なので、ケルン社しかレンズを提供していない。スイター5.5mm F1.6、マクロスイター12.5mm F1.3、マクロスイター36mm F1.4という単焦点が3本、そしてバリオスイター36mm F1.9(8-36mm)というズームレンズをラインナップしていた。デジタルカメラで使うことを考えると、単焦点の3本のためだけに作られたマウントアダプターといっても過言ではないだろう。これだけ対象レンズの少ないマウントアダプターもめずらしいが、H8RXマウントのマクロスイターは、オークションサイトなら2〜3万円で落札できる。マクロスイターを安価に楽しむ穴場マウントだ。マクロスイターを試したかった人にとって、レイクォールのH8RXマウントアダプターは貴重な選択肢となるだろう。

 シネレンズ用のマウントアダプターは、総じてオーバーインフ気味に設計されていることが多い。これは無限遠を確実に出すためのリスクヘッジだが、必ずしも理想的な姿とは言い難い。マウントアダプター経由とはいえ、レンズの無限遠マークでかちっとピントが合うのがあるべき姿だ。レイクォールのH8RXマウントアダプターは、規定のフランジバックよりも0.1mmだけオーバーインフに設計されており、付属のシムを使って無限遠調整が可能だ。0.1mmと0.05mmのシムが付属しているので、レンズのコンディションに合わせてシムでフランジバックを微調整する。アバウトに「オーバーインフ気味」とせず、「0.1mmだけオーバーインフ」と明言しているところに、老舗マウントアダプターメーカーならではのプライドが感じられる。

マクロスイター36mm F1.4 H8RXは、ボレックスH8 REXシリーズの望遠レンズだ 見た目はコンパクトだが、35mm判換算198mm相当の望遠システムとなる
無限遠調整用のシムと、接写用のシムが付属する。価格は1万8,900円で、直販のみの50個限定品だ Dマウントアダプター(右)と比べると、H8RXマウントの口径の大きさがよくわかる

 ドレスアップ面はルミエールのレンズホルダーCを組み合わせてみた。以前、同社のショートボトムグリップを紹介したが、本製品はさらに丈が短くなり、レンズホルダーに徹した作りになっている。底面にCマウント規格のねじ切りがあり、Cマウントレンズが装着可能だ。セカンドレンズの持ち運びはむろん、ジャンクのCマウントレンズを付け、個性派ボトムグリップとしてもよいだろう。また、デジタルホビーで取り扱いのあるCマウントエクステンションキットを組み合わせてもおもしろい。これはCマウントレンズ用の接写チューブで、長さの異なる4種類がワンセットになっている。手の大きさに合わせてチューブを組み合わせ、握りやすい長さのボトムグリップに仕立ててみよう。

ルミエールのレンズホルダーCは4,500円。樹脂製のエンドキャップが付属している 4種類のチューブとシムがセットになっている。デジタルホビーにて5,380円だ
レンズホルダーCにCマウントレンズを付けてみた。25mmレンズがバランスよく装着できる エクステンションキットを付けると、オーソドックスなボトムグリップとして使える

 8mmカメラ用レンズはシャープネスの甘いものが少なくない。そうしたなか、H8RXマウントのマクロスイターは、8mmカメラ用レンズとは思えぬ優秀な画作りだ。滑らかなボケ味はマクロスイターそのもので、開放近辺でわずかに滲むあたりも他マウントのマクロスイターと共通している。解像感も8mmカメラ用レンズとしては健闘している方だろう。また、ダブルヘリコイド仕様になっているため、望遠レンズでありながら被写体にしっかりと近づいて撮影できる。マクロスイターのテイストを味わいつつ、使い勝手の面でも楽しめるレンズだ。

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PENTAX Q / Macro Switar 36mm F1.4 H8RX / 4,000×3,000 / 1/1,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 36mm PENTAX Q / Macro Switar 36mm F1.4 H8RX / 4,000×3,000 / 1/1,600秒 / F2.8 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 36mm
PENTAX Q / Macro Switar 36mm F1.4 H8RX / 4,000×3,000 / 1/1,250秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO125 / WB:オート / 36mm PENTAX Q / Macro Switar 36mm F1.4 H8RX / 4,000×3,000 / 1/640秒 / F2 / +0.7EV / ISO125 / WB:オート / 36mm
PENTAX Q / Macro Switar 36mm F1.4 H8RX / 4,000×3,000 / 1/500秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO125 / WB:オート / 36mm PENTAX Q / Macro Switar 36mm F1.4 H8RX / 4,000×3,000 / 1/1,600秒 / F1.4 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 36mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。カメラならびにデジタル関係を得意するフリーライター。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、ひと癖あるカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。近著は「OLYMPUS PEN E-P2/E-P1カスタムブック」「GR DIGITALカスタムブック」(ともに翔泳社)他。http://metalmickey.jp

2012/1/19 00:00