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デジカメドレスアップ主義:オールドレンズでジオラマ写真

ソニーNEX-5 + ライツ ズミクロンR 50mm F2 タイプI
Reported by 澤村徹

  • ボディ:ソニー NEX-5(ブラック)
  • レンズ:ライツ ズミクロンR 50mm F2 タイプI
  • マウントアダプター:KIPON TILT L/R-NEX
  • ストラップ:2DE 2Way カメラストラップ[MODEL-19]
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 ティルトアダプターという製品をご存じだろうか。昨今、デジタルカメラのフィルター機能や画像編集ソフトを使い、ジオラマ風写真を作るのが流行っている。本来こうしたジオラマ写真は、ティルト機能付きレンズ(通常はティルトシフトレンズ)で逆アオリ撮影を行うのが一般的だ。ただし、ティルトシフトレンズは高価でなかなか手を出しづらい。そのため以前から、上級者の間ではティルトアダプターが用いられてきた。これはティルト機能を組み込んだマウントアダプターで、好みのレンズでティルト撮影できるのが利点だ。今回はKipon製のNEX用ティルトアダプターを使い、その魅力を探ってみよう。

 ティルトアダプターはアダプター側で光軸を傾けるため、アダプター自体にそれなりの厚みが必要だ。そのためミラーレス機が登場する以前は、ペンタコンシックス-EOSアダプターにティルト機能を組み込んだものくらいしか市場に出回っていなかった。ペンタコンシックスは旧東ドイツ製の中判カメラで、フランジバックが74.1mmと長い。EOS用マウントアダプターは3cmほどの厚みがあり、この厚みを活かしてティルト機能を組み込んでいたわけだ。

 ミラーレス機の登場以降、状況が一変する。マイクロフォーサーズ、NEXともにフランジバックが短いので、一眼レフ用マウントアダプターは総じて厚みがある。この厚みを活かしてティルト機能およびシフト機能を組み込んだアダプターが続々と登場しはじめた。その先駆けとしてあらわれたのがイタリアCOMA製のマイクロフォーサーズ用ティルトアダプターだ。全周にわたって15度のティルトが行なえ、レンズ側マウントはライカR、ヤシコン、ニコンFなど、豊富な種類を取りそろえていた。ただし、可動部の動きが渋く、使い勝手に難ありという点は否めない製品だ。また、ティルトをアンロックした途端にレンズがカクンと傾いてしまうことがあり、取り扱いが少々ナーバスだった。

ペンタコンシックス-EOSティルトアダプターは、EOSユーザーにはおなじみの製品だ COMAのティルトアダプターは、マイクロフォーサーズ用として最初期に登場した製品だ

 こうした不満点をうまく取り除いたのが、今回取り上げるKipon製のティルトアダプターだ。当初、マイクロフォーサーズ用が登場したこの製品は、可動部にグリスを塗り、滑らかな操作感を実現している。固定方法はロック式ではなく、外周リングによる締め付け式だ。じわりとゆるむのでレンズがいきなり傾く心配がなく、また半分程度締め付けた状態でティルト角を微調整することもできる。あえて難点を挙げれば、レンズが無段階で可動するため、正位置に戻す目安がないくらいだろうか。ティルト専用と割り切ってしまえば、かなり使いやすい製品といえる。なお、マイクロフォーサーズ用、NEX用ともに、様々なレンズ側マウントの製品をラインナップしている。

KIPON製のティルトアダプターは、NEX用とマイクロフォーサーズ用をラインナップしている ティルト角は明記されていないが、ジオラマ写真に十分な角度が確保されている
KIPONは中国のカメラアクセサリーメーカーだ。本製品は焦点工房で1万800円だった 左右のレバーに指をかけ、リングを緩めてティルト調節する。グリスのおかげで動作は滑らかだ

 ドレスアップは2DE 2Way カメラストラップ[MODEL-19]を合わせてみた。栃木オイルレザーを用いたストラップで、ホックボタンを外すだけで長さ調節できるのが特徴だ。カメラを提げて持ち歩くときは短めに、撮影時は構えやすいように長めに、といった使い分けができる。ミラーレス機はカメラを身体から離して構えることが多いので、ワンアクションで長さ調節できるのは重宝するだろう。ホックはドイツHAPPICH社のロック式バネホックを採用し、細部にまでこだわりを感じるストラップだ。

2DE 2Way カメラストラップ[MODEL-19]は7,770円。ナイロンテープの上に栃木オイルレザーを貼り合わせてある 全6色のカラバリを用意する。ドイツホックも全5色のカラーオーダーに対応している

 ズミクロンR 50mm F2 タイプIは、並品なら中古相場2万円程度の手頃なライカRレンズだ。写りは誇張のない正統派画質で、落ち着きのある画が撮れる。逆アオリの基本的な方法は、メインの被写体にレンズを傾け、その上で被写体にピントを合わせていく。こうするとレンズを傾けた反対側(右に傾けた場合は左側、上に傾けた場合は下側)が大きくボケる。ジオラマ写真にこだわらず、被写界深度をコントロールするという気持ちで色々な被写体を試してみよう。なお、作例はRAWで撮影し、Lightroomでストレート現像している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
NEX-5 / ズミクロンR 50mm F2 タイプI / 4,592×3,056 / 1/4,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm NEX-5 / ズミクロンR 50mm F2 タイプI / 4,592×3,056 / 1/1,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
NEX-5 / ズミクロンR 50mm F2 タイプI / 4,592×3,056 / 1/800秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm NEX-5 / ズミクロンR 50mm F2 タイプI / 4,592×3,056 / 1/1,250秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm
NEX-5 / ズミクロンR 50mm F2 タイプI / 4,592×3,056 / 1/3,200秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm NEX-5 / ズミクロンR 50mm F2 タイプI / 4,592×3,056 / 1/2,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 50mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。カメラならびにデジタル関係を得意するフリーライター。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、ひと癖あるカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。近著は「OLYMPUS PEN E-P2/E-P1カスタムブック」「GR DIGITALカスタムブック」(ともに翔泳社)他。http://metalmickey.jp

2011/1/27 00:00