デジカメドレスアップ主義
ノーマル好きに贈るバリチューンカスタム
ライカM(Typ 240) + Opton Sonnar 50mm F1.5
2016年8月30日 07:00
- ボディ:ライカM(Typ 240)
- レンズ:オプトンゾナー 50mm F1.5
- マウントアダプター:アメデオムシェリ Zeiss Contax 5cm - Leica M
- アイピース:オプトオオノ アジャスティグマII(試作品)
- ケース:アルティザン&アーティスト BDCAM-MPM
- ストラップ:アルティザン&アーティスト BDCAM-255
上の写真を見てほしい。よく見かける黒ケース付きのライカ、多くの人がそう思うだろう。では、もう少し目をこらしてほしい。レザーの質感、レンズのフォーカシングレバー、そしてファインダーのアイピース。ディテールに明らかな違和感が宿る。外見はノーマル、でも中身はバリチューン。そんなバイクカスタムをイメージしてライカMをドレスアップしてみた。さりげなく、それでいて相当やり込んだ人向けのこだわりスタイルだ。
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まずアルティザン&アーティストの新型ケースとストラップから見ていこう。このケースとストラップは姫路黒桟というめずらしい革を採用している。一見するとシボ付きの黒い革だが、光の加減で微細に輝くのがわかるだろう。シボ付きレザーの表面に漆を塗り、黒ダイヤをちりばめたような上品な光沢が美しい。
漆は革の表面にのみ塗られ、溝の部分は素のままだ。そのため総じてマットなのにキラキラ光るという、不思議な見え方をする。メーカーによると、戦国時代に甲冑に用いられていた革だという。和テイストのライカ用アクセサリーという点がおもしろい。ケース、ストラップともに、本年10月中旬の発売を予定し、同素材のカメラバッグも予定しているという。
マウントアダプターはアメデオムシェリの新型カプラーを装着した。旧コンタックスマウントのレンズが、ライカマウントレンズのようにフォーカシングレバー付きに変身する。通常、旧コンタックスのカプラーは、旧コンタックスのマウント部を模したものが大半だ。この新型カプラーはオールドライカレンズのスタイルを採用し、加えてレンズの回転方向もライカレンズと同じになる。デザインと実用性を兼ね備えた製品だ。何よりもカプラーという定番商品に、新デザインが登場したことに驚きを隠せない。本年9月頃から販売をはじめるという。
ファインダーに付いているのは、オプトオオノのアジャスティグマII(試作品)だ。乱視対応したアイピースで、第1世代の製品を「乱視OKのファインダーカスタマイズ」で紹介したことがある。わかりやすくいうと、カメラのファインダーにメガネ(乱視対応レンズ)を付けるという製品だ。
視度補正レンズは純正品が用意されているが、筆者の知る限り、乱視対応品はこのアジャスティグマシリーズだけである。第2世代は従来品よりも薄型化に成功し、のぞき込んだ際のケラレが少なくなった。そのため広角レンズのブライトフレームが従来よりも見やすくなっている。ファインダーのアイピースとしてかなり突き抜けた製品だ。なお、メガネのレンズデータをオプトオオノに送ると、適合したアジャスティグマを作ってくれる。オプトオオノで検査してもらうことも可能だ。
最後にレンズとカプラーの相性について触れておこう。カプラーはレンズを距離計連動させる特殊なマウントアダプターだ。アメデオムシェリのカプラーはかねてより精度に定評があり、今回のZeiss Contax 5cm - Leica Mも高精度な仕上がりだ。ただし、距離計連動精度は、ボディとレンズのコンディションによるところが大きい。要は個体差によって距離計連動にズレが生じるので要注意だ。今回用意したボディとレンズの組み合わせでは、1~2段絞っておくとおおむねピントが合った。カプラーで距離計連動に誤差が生じる際は、被写界深度を稼ぐという使いこなしで乗り切ろう。