フォトアプリガイド

HDR Edit Pro(Android)

複数のスライダーで細かく画像を調整

今回紹介する「HDR Edit Pro」は、スライダーを調整することで好みの画像を作り出せる画像編集アプリだ。プリセットとは別に設定用の調整スライダーが用意されており、ちょっとした操作で変幻自在に画像を彩れる。

価格は281円。試用バージョンは1.13。

起動して表示されるスタートアップ画面では、撮影・保存した最新画像のほか「Gallery」「Camera」という2つのアイコンが並ぶ。

端末内に保存された画像を編集するには、表示された画像のサムネイルを直接タップするか、「Gallery」からアルバムアプリを起動して選ぼう。

なお、サムネイルは上下のスライドで切り替えられるようになっている。アプリ起動直前に撮影した写真データ、パソコンなどから取り込んだ画像であれば、ここからアクセスするのが早い。

画像を選ぶと編集画面に切り替わる。

本アプリの編集作業は、主に画面左下のプリセットと画面右上のスライダー(Tone、Color、More)の組み合わせとなる。

基本的には、左下のプリセットを選択し、右上のスライダーで微調整するといった使い方をする。本アプリは画像編集アプリではあるが、トリミングや回転といった機能はないので覚えておこう。

なお、用意されたプリセットは、「Natural」「Vintage」「Cool」など11種類。すべてのプリセットは右上のスライダーを調整して再現でき、例えば「Natural」と「Crisp」の違いは「Detail contrast」の値のみ。「Natural」で「Detail contrast」のスライダーを中央近くに持っていくと「Crisp」と同等の効果が得られるといった具合だ。

ただし「Warm」などは、「Natural」の数値に「Detail contrast」+αが加味されている。具体的には「Detail contrast」でメリハリが付き、さらにカラー調整が行なわれている感じだ。

そのカラー調整は、「Color」タブに切り替えて行なう。「Red」「Green」「Blue」という3色の調整が可能だ。

「More」では、「Highlights」「Shadows」「Smoothing」という3つの要素をスライダー調整できる。「Highlights」「Shadows」はわかりやすく使いやすいが、「Smoothing」は強度が強く、全体的にボケるためちょっと使いにくい印象。

ちなみに左下、右上のメニューが邪魔なら、画面をタッチして消せる。メニューによって隠れている要素があると思うので、適度にタッチして全体を確認しよう。

また、各メニュー部をスライドすると、メニューが消せる。プリセットだけしか使わない、あるいはスライダーによる微調整しか行なわないなら、消しておくことができるというわけだ。

本アプリのタイトルだけを見ると、HDR専門のアプリのような印象を受けるが、実際にはスライダーでの調整を主軸としたエフェクトアプリである(HDRっぽい雰囲気の画像編集ももちろん可能)。

しかも回転すら行なえず、できるのは各種トーンやカラーなどの調整のみ。その分、わかりやすいというメリットもある。

ただ、できればプリセットの作成機能がほしかった。良い感じに設定できたものを残せておければ、使い勝手も向上するだろうに……残念だ。

回転やトリミングといった機能がないため、アプリとしては明確な目的を意識をもって運用することになる。場合によっては他の編集アプリと組み合わせる必要があるだろうが、細かく調整できるだけあって、編集の最終工程用アプリとして使えそうである。

飯塚直