写真展

日本の新進作家vol.12 路上から世界を変えていく

(東京都写真美術館)

当館は、写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘し、新しい創造活動の場となるよう、様々な事業を展開しています。その中核となるのが、毎年異なるテーマを決めて開催している「日本の新進作家」展です。シリーズ第12回目となる本展は「路上から世界を変えていく」をテーマとして、世界と向かい合う行為を象徴する「路上」という場所に焦点をあて、2010年代日本の新たな視点や表現を切り開く写真家たちをとりあげていきます。

写真の歴史上、多くの写真家たちが「路上」を舞台としてストリート写真という形で優れた作品を生み出してきました。「路上」は現実と対峙する場であり、偶然性や思いがけない出会いの場として、様々な芸術家たちを魅了してきました。

「路上から世界を変えていく」。本展の出品作家たちは、たんに路上で撮影をするだけではなく、「路上」という日常の場所から出発して、今という時代についての考察を行い、自身の立ち位置を模索し、視覚作品という形で、見るものの世界観やものの見方、感じ方を変えていくような意志と契機をはらんだ創作行為を行っています。「路上」というキーワードから現代作家たちをとりあげることで、現代写真表現と過去の写真/美術の歴史との間のつながりや隔たりを浮き彫りにし、この時代の空気感や意識の在り様を顕在化させることが本展の大きな狙いのひとつとなります。

(写真展情報より)

糸崎公朗

1965年長野県生まれ。80年代に隆盛した路上観察学の流れを汲み、「非人称芸術」という独自の概念を提唱。 90年代より路上の物件写真を立体物に組み立てた「フォトモ」を手がける。以降、一貫して路上をフィールドとした作品シリーズを展開。第19回東川賞新人作家賞ほか。個展、グループ展、ワークショップ多数。

(写真展情報より)

大森克己

1963年兵庫県生まれ。94年ロックバンド・マノネグラの 中南米ツアーに取材した「Good Trips, Bad Trips」で第9回写真新世紀優秀賞。以降、写真集での作品発表をはじめ、海外を含めた各地での個展多数。2011年、桜に導かれた東京から福島への旅において撮影・制作された作品「すべては初めて起こる」を発表。

(写真展情報より)

鍛治谷直記

1970年兵庫県生まれ。2002年第25回写真新世紀優秀賞。08年グループ展「Heavy Light―Recent Photography and Video from Japan」展(International Center of Photography, New York)に出品。裏通りや歓楽街の看板やチラシ、装飾など、全国各地の地方都市で撮影した風景の断片からなるシリーズ「JPEG」を手がける。

(写真展情報より)

津田隆志

1983年愛知県生まれ。08-11年名古屋で映像を使ったインスタレーション作品をメインに制作・発表を行う。11年末より写真を中心として、独自の視点から現代社会と都市空間を解読する作品を発表している。全国各地を旅して人に尋ねた「あなたがテントを張れそうだと思う場所」に宿泊し、その場所を記録した写真シリーズ「site」を2012年に発表。(個展、ニコンサロンbis新宿、他。)

(写真展情報より)

林ナツミ

1982年埼玉県生まれ。2011年1月より自身のウェブサイト「よわよわカメラウーマン日記」http://yowayowacamera.com/ にて、浮遊セルフポートレート日記「本日の浮遊」を公開。この作品は、住宅街の路地や駅のホーム、繁華街にできた空き地や食堂の中など、さまざまな場所で浮遊する自分自身を捉えた写真シリーズである。2012年東京・恵比寿の現代美術ギャラリーMEMにて個展。同年、写真集『本日の浮遊』(青幻舎)を刊行。2013年青山・スパイラルガーデンにて個展、6x9mの巨大プリントを展示。

(写真展情報より)

  • 東京都写真美術館
  • ・住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
  • ・会期:2013年12月7日土曜日~2014年1月26日日曜日
  • ・時間:10時~18時
  • ・休館:月曜日(祝休日の場合は翌火曜日休館)
  • ・料金:一般 700円、学生 600円、中高生・65歳以上 500円
    ※2013年12月29日~2014年1月1日は年末年始休館
    ※2014年1月2日・3日は年始特別開館
  • ・12月21日・11日・1月18日 にギャラリートーク開催

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