写真展

全天球画像を紙の上のアートに RICOH THETA「360°の世界」レポート

9月5日まで開催中 トークショーには“はあちゅう”さんも

出展作家のひとり、宇佐見健さんの作品。オーロラを収めた全天球画像から切り出して作り出したという。©Ken Usami

俄然盛り上がりを見せているVR市場。その先駆者ともいえるRICOH THETAシリーズを使った写真展が、東京・新宿で開催されている。その名も「360°の世界」だ。

  • ・タイトル:リコーイメージングスクエア新宿特別企画イベント「360°の世界」
  • ・会期:2016年8月24日(水)〜9月5日(月)
  • ・会場:リコーイメージングスクエア新宿 ギャラリーI&II
  • ・住所:東京都新宿区西新宿1-25-1新宿センタービルMB(中地下1階)
  • ・時間:10時30分〜18時30分(最終日16時まで)

THETAに限らず全天球画像といえば、ディスプレイ上、またはヘッドマウントディスプレイの中でぐるぐる動かしながら鑑賞するものと相場が決まっている。

しかしここでは全天球画像をプリンターで出力し、アーティストの表現を込めた平面美術として展示してある(一部立体もあり)。その手法も、全天球画像から一部を切り出したものもあれば、360度全体を1枚のフレームに収めたものなど様々だ。

その一方で、色調や用紙などはギャラリー内で統一され、まるで現代アートの展示のようだった。

全天球画像のイメージを変える展示

リコーイメージングスクエア新宿のギャラリーは、ギャラリーIとギャラリーIIに分けられている。

そのうちギャラリーIは出展作家のコーナー。宇佐見健さん、荻窪圭さん、シンヤBさん、染瀬直人さん、米原康正さんの作品が並ぶ。

強烈な歪みによるダイナミックな画面構成の作品があるかと思えば、淡々と静かに広く情景を写し取った作品もあるなど、バラエティは豊か。全天球画像の可能性を感じさせる作品群を見ることができた。

本誌のTHETA記事でもおなじみの写真家・宇佐見健さんは、北欧のオーロラをインターバル機能で撮影した画像から、特徴ある形を切り出した作品を出品。アプリのアップデートで高解像度での切り出しが可能になったことから、画質についても納得のいくプリントになったという。

ギャラリーIIは一般展示と題され、フォトコンテスト入賞作品、Instagramコンテスト入賞作品などが並んでいた。神戸meriken gallery & cafeの写真展「RICOH THETAの世界」で展示された作品も掲出されている。

こちらもいかにも全天球画像といった作風は少なく、アングルや被写体の位置などの工夫が見られるなど、写真の表現手法に通じる考えが感じられた。「どうやって撮ったの?」と思わず見入ってしまうこと間違いなしだろう。

その他THETA Sの実機や、VRコンテンツを体験できるコーナーなども設けられている。気軽に試すことが可能だ。

トークショーには“はあちゅう”さんも登場

8月28日(日)には「“はあちゅう”的360°映像での遊び方」と題したトークイベントが行われる。ゲストにブロガー・作家の“はあちゅう”さんを迎え、VRの世界を紹介するという。

会場は同じくリコーイメージングスクエア新宿ギャラリー。時間は14時〜15時。参加費は無料。申し込みは不要。

会場に展示されていたTHETA SとTHETA m15。