デジタルカメラマガジン
絶対に失敗しない 新幹線の撮り方
撮影ポイント探しのコツ/流し撮り7選など
Reported by デジカメWatch編集部(2016/4/20 12:00)
4月20日発売の最新刊「デジタルカメラマガジン2016年5月号」の特集2は、「絶対に失敗しない 新幹線の撮り方」です。日本全国9路線を全て網羅し、基本から応用までを解説しました。ここではその中から一部を抜粋します。
◇ ◇
新幹線撮影の実践
(助川康史)
新幹線を撮るのに必要な撮影ポイントの探し方から車両をきれいに撮る編成写真、流し取りなど失敗なく撮れる新幹線撮影の実践を最新鋭機のニコンD5を使用して紹介する。
望遠レンズを活用して跨線橋から撮る
新幹線の跨線橋や線路わきの金網越しで「これは良いアングルかも」と思う場所があるかもしれない。その時は金網越しに撮影することも考えよう。
レンズのフードを外し、直接レンズ枠を金網の枠に当てて隙間から列車を狙うのだ。多少金網の枠が狭くても、絞りを開放近くにすれば、金網自体がぼけて写らないことも多い。開放F値は暗くなるが、わざと口径の小さいレンズを使用して網の隙間から撮るのも良い。
自分の影やフェンス支柱の影を使って、金網が太陽光で光らないようにするのもポイントだ。跨線橋からであれば初心者でも安全で手軽に撮影できる。
撮影ポイント探しのコツ
- 小高い丘やトンネル脇など、やや俯瞰気味の場所を探そう
- ややカーブしているところは名撮影ポイントの可能性がある
- 金網のある場所でも金網越しの撮影に挑戦してみよう
- 背景は森や山などにして、人工物が写らない場所を探そう
- 季節や時間帯による光線状態を地図などで確認しよう
- レンズワークとフットワークを生かして厳密にアングルを決めよう
撮影するときに気をつけること
- 線路に近付きすぎないこと
- 列車の通過の風圧で機材を飛ばされないように
- 線路に近づくと警備員が来ることがあるが、その指示には従うこと
- 田畑などに入り、作物などを荒らさないこと
さまざまなバリエーションがある流し撮り
流し撮りは列車の疾走感を表現するテクニカルな撮影方法だ。写し止める個所はヘッドライトや運転席。特にヘッドライトは人間でいう目にあたる部分なので、私はほとんどヘッドライトを狙った流し撮りをしている。
コツは比較的遅めのシャッター速度に設定し、狙う1点を常に格子線や測距ポイントなど、ファインダーの定点でとらえつつ列車の進行方向に合わせてレンズを振る、これだけである。
ただ、そう簡単にいかないのが流し撮りで、うまく撮るには経験も必要。失敗にめげず、とにかくチャレンジすることが大切だ。最初は1/250秒ぐらいで練習するのが良いだろう。決まるようになったら徐々にシャッター速度を遅くしてみよう。
オススメのカメラ設定
- 撮影モード:マニュアル露出 ※オートではヘッドライトの明かりなどで変動するため
- シャッター速度:1/250秒~1/60秒 ※日中の横方向流しを基準。すべて列車の速度、角度、列車までの距離により違う
- 絞り:シャッター速度が優先なので、周囲の環境により任意で設定
- ISO感度:100~400 ※日中の場合。天候による
キッチリとした編成写真を格好良く撮る
北海道新幹線 H5系(助川康史)
北海道新幹線の試運転列車を撮影した。望遠レンズで圧縮して列車感を出しても良いが、東北新幹線のE5系や北海道新幹線のH5系は、先頭部の流麗なデザインを斜め前からスマートに撮るのもオススメ。このような場合は50mm前後の標準レンズが一番だ。
オススメ設定:新幹線を標準レンズで撮影する場合、必然的に高速シャッターを選択する。列車の速度が200km/h以上出る区間では1/8,000秒が必要だろう。もちろん連写は使わずワンショット狙い。露出は厳しくなるので積極的に高感度も使おう。
優美な車両の形をアップでダイナミックに狙う
山陽新幹線500系(長根広和)
500mmの超望遠でも焦点距離が足りない場合がある。その際にはエクステンダーを使用する。1.4倍と2倍の両方をぜひ持っておきたい。500系は8両編成と短いので、アップにして写真全体に編成を写し込むために2倍テレコンバーターを使用し1,600mm相当で撮影した。
オススメ設定:太陽は沈み、残照が列車を照らす状況。車両中心の露出設定ではなく、列車の輝きだけが生きる大胆な露出設定にした。シャドウ部のコントロールが重要なので、RAWで撮影して、理想どおりにRAW現像するのがオススメ。
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このほかにも、デジタルカメラマガジン2016年5月号には旬の情報が盛りだくさんです。
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