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プロ用ストロボを使ったコスプレ撮影セミナーレポート
直径約1.3mの特大アンブレラも登場
Reported by 本誌:武石修(2014/6/13 08:10)
プロ向けの写真機材を扱うアガイ商事が、「コスプレ撮影向けライティングセミナー」を6月6日に開催した。こうした企業がコスプレモデルを用意して、初心者向けにセミナーを行うことは珍しい。そこで、当日の模様を取材した。
当日の参加者は8名で、うち3名が女性。アマチュアカメラマンの他、ライティングの勉強をしたいというプロカメラマンの姿もあった。
アガイ商事はでスタジオ用のストロボブランド「ブロンカラー」を始め、さまざまな写真用品を扱っている。アマチュアカメラマンになじみのあるものとしては、三脚・雲台のFLMブランドなども扱っている。
また、機材のレンタルやライティングを練習するためのスタジオレンタルも行っている。
今回のセミナーでは、ブロンカラーのストロボシステムを用いて撮影が行われた。ブロンカラーはスイスのメーカーで50年以上の歴史がある。広い出力レンジで色温度が安定しており、チャージも速くて使いやすいという。閃光時間を指定することで、被写体の動きを止めた撮影にも対応する。また、豊富なアクセサリーを揃えているのも特徴としている。
今回のセミナーを企画したアガイ商事 営業部の石丸佳佑氏によると、同社では写真に関係するセミナーをこれまでも開催していたが、コスプレ撮影を対象としたセミナーを開催したのは今回が初めてとのこと。
「これまで広告関係の写真家との繋がりはありましたが、アマチュアの方との接点があまりなく、アマチュアカメラマンにも使って欲しいと考えました。また、コスプレを撮影される方でこうしたストロボを使われている方は少ないので、そうした方にも体験して欲しいというのも狙いでした」(石丸氏)。
ブロンカラーのジェネレーターは、フラッグシップの「scoro」、バッテリー式の「move」、エントリーモデルの「senso」などがある。最初は上半身を撮るセッティング。scoroをメインで使用し、背景を飛ばすため後方にsensoを使った。
このときのメインライトはモデルの正面上方からアンブレラで当てる。合わせて、正面下にはソフトボックスをセットし影を起こした。scoroは3灯までを独立で制御できる。
後方にはカポック(衝立)を左右に設置。その後にアンブレラのランプを置いて背景のバック紙を白く飛ばした。
ブロンカラーのジェネレーターは無線シンクロにも対応している。発信器をカメラのホットシューに装着することで、自由に動きながらの撮影ができる。
次に全身を撮るセッティングに変更した。メインの2灯を後ろに下げ、カポックは使用していない。
さらに別のセッティングでは、リフレクターをランプに被せて直射する方法も披露された。影を活かした作品が撮れる。
また今回は、ブロンカラーのなかでも特徴的なアンブレラである「para」による1灯ライティングも行った。paraは大口径のアンブレラで、大きなキャッチライトが入れられることからアイドルの撮影などで人気だという。「モデルさんをその気にさせる効果もある」(石丸氏)とのこと。
使用したparaは直径約1.3mで、シリーズ中では小さなタイプ。最大では直径約3.3mのタイプもある。paraはランプを支える中央のバーを前後に動かすことで、光の広がりをコントロールすることもできる。
当日は、エプソン「PX-5V」での作品プリントも体験できた。使った用紙は、アガイ商事が扱うスイスのインクジェット用紙「FRUBO」。白地性が高く再現できる色域が広いとのこと。ブロンカラーも推奨している用紙だそうだ。
今後のセミナーについては石丸氏は、「今回の反応を見ながら、定期的なセミナーを検討していきたい」と話した。