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カールツァイスがフルサイズ用大口径レンズをInterBEEに出品
Touitのマクロレンズも
Reported by 本誌:武石修(2013/11/13 16:55)
カールツァイスは、幕張メッセで13日に開幕したイベント「InterBEE 2013」(国際放送機器展)に、デジタルカメラ向けの交換レンズ2本を参考出品した。
「Otus(オータス)Apo-Distagon T* 1.4/55」は35mmフルサイズ用の大口径標準単焦点レンズ。フォーカスはマニュアル。キヤノンEFマウント用とニコンFマウント用を用意する。国内では2014年の春~夏に発売する。国内の価格は未定。米国での価格は3,999ドル。
説明員によると「コストや技術の制限を外し最高の画質を目指して開発した。カールツァイス100年の集大成になるレンズ」という。カールツァイスの静止画用レンズだけでなく、映画用レンズの技術も取り入れたとする。「解像力を重視して設計した。現在は3,600万画素が一眼レフカメラの上限だが、今後登場するであろう4,000万画素、5,000万画素といったカメラにも対応する」(説明員)とのこと。
最短撮影距離は50cm。フィルター径は77mm。設計はドイツで製造は日本。製造メーカーは明らかにしていない。カールツァイスによると日本ではコシナから発売されるという。
ミラーレスカメラ用の「Touit」シリーズの第3弾となる「Touit Makro-Planar T* 2.8/50 M」も展示されていた。発売は2014年の初め。価格は未定。これまでのTouitシリーズ同様、ソニーEマウント用と富士フイルムXマウント用を用意する。
「Touit 2.8/12」と「Touit 1.8/32」に続くもので、Touitシリーズでは初めてのマクロレンズになる。等倍撮影に対応する。「プラナー構成でパリッとした解像感を味わえる。中心の解像力が特に良い」(説明員)という。フィルター径は52mm。ソニーα7R/α7の発表会で予告していたレンズに当たる。このレンズは他のTouitシリーズと同じく、カールツァイスが販売する。
そのほか会場にはデジタルカメラ関連の新アイテムもいくつかあったので、以下に紹介する。
ケンコープロフェッショナルイメージング(KPI)では、トルコedelkrone(エーデルクローン)のカメラサポート「ポケットショット」を出品していた。発売は2014年初め。価格は3万5,000円前後。
カメラを装着したアームの一方をズボンのベルトに掛けることで安定させ、スローシャッターでのブレを防ぐアイテム。またアームの一方を胸の辺りに押しつけることでもカメラを安定させることができる。カメラが2台装着できるのも特徴で、片方にカメラ、もう片方には照明機器など三脚穴を利用するアクセサリーが装着できる。アームは折りたたむことができ、コンパクトに収納できる。
銀一は、「シルクグレーカードVer.2」を展示。12月1日に2,000円で発売する。A4サイズ2枚入り。
シルクグレーカードは標準露出を得るための18%グレーカードで従来からあった製品だが、新たに裏面をホワイトバランスを取るためのライトグレー仕様(反射率約50%)にした。
ホワイトバランスをマニュアルでセットする場合によく白い紙を使用するが、標準露出を確定した後に白い紙でホワイトバランスを取ろうとすると白トビに近い状態になり正確なホワイトバランスがとれないという。今回、白色よりも反射を抑えたライトグレーとすることで、ホワイトバランスを取るのに適した明るさになるとする。
18%グレーでもホワイトバランスを取ることはできるが、説明員によるとライトグレーで取得した方がより高精度になるという。
東芝は、Adobe RGBの色域を99%をカバーする32型液晶ディスプレイ「TUM-32PRO1」を展示。4K(3,840×2,160)という高解像度と広色域で動画分野のみならず、写真編集、デザイン、広告といった分野にも訴求する。12月下旬に発売する。価格はオープンプラスで、店頭予想価格は150~160万円。
4Kの解像度でAdobe RGB 99%カバーのディスプレイは珍しいという。「色域という部分では、動画よりも写真のほうが広いので写真を扱う分野にも向く」(説明員)という。キャリブレーション用の測色器も同梱される。工場出荷時に画面のムラを測定し補正を行う。同社のテレビで培った超解像技術も搭載した(OFFにすることも可)。液晶パネルは協力メーカーから調達した。