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DNPフォトルシオとケンコー・トキナー、スマホアクセサリー市場に参入

 株式会社DNPフォトルシオと株式会社ケンコー・トキナーは共同で、スマートフォン用アクセサリーの新ブランド「AGOR COLLECTION」(アゴールコレクション)を立ち上げると発表した。スマホの撮影機能をアシストする製品が中心。

 製品の発売は3月を予定。カメラ店、量販店などで販売する。価格は未定。

SCOOP LENS SYSTEM/TYPE 1:MAGNET(マグネット)

 スマホの撮影用レンズの装着するコンバージョンレンズ。TYPE 1は、スマーフォトフォンのレンズ周囲に磁石対応のアタッチメントリングを貼付け、そこにコンバージョンレンズを取り付ける方式。

 アタッチメントリングの大きさは、内径9.5mm、外径13mm。スマホの機種を選ばないため、汎用的に使用できるという。

 ラインナップは、ワイド&マクロ0.68、フィッシュアイ&マクロ0.28、テレ1.6×、テレ2.6×の4パッケージ。

 カラーはシルバーとブラックをそれぞれ用意する。

SCOOP LENS SYSTEM/TYPE 2:SCREW ON(ねじ込み式)

 特定のスマホにあわせた専用ケースと、そのケースで使用できるコンバージョンレンズの組み合わせ。装着はねじ込み式。

 コンバージョンレンズのラインナップは、ワイド&マクロ0.75、フィッシュアイ&マクロ0.5、テレ1.5×、マイクロスコープ6×、フィルターC-PL。

 それぞれにブラックとシルバーを用意する。

 専用ケースは、iPhone 5用とGALAXY S III用を発売。カラーはホワイトとブラック。

スマホBOTOLU

 ペットボトルのキャップ部分に取り付け、ペットボトルをスマートフォン用の三脚代わりとして使用するアイテム。記念撮影や自分撮りのときに便利という。

 ブラック×グレー、パープル×ラベンダー、スカイブルー×ピンク、イエロー×ブルーの4色をラインナップする。

クリップスタンド

 こちらもスマホを固定するアイテム。テーブルなどにクリップで挟んで固定できるほか、内蔵の脚を引き出すと自立させられる。アングルはフレキシブルアームで調整可能。

 アームやホルダー部は取り外して、本体に収納して運べる。また、三脚ネジ穴も装備しているため、一般的なコンパクトデジタルカメラにも使用できる。

 ホワイト×ホワイト、ブラック×ブラック、スカイブルー×ブルー、レッド×ブラック、ピンク×スカイブルー、イエロー×パープル、ライトピンク×ピンク。

入力のケンコー・トキナー、出力のDNPフォトルシオが組むわけ

 記者発表会で明らかにされた、両社の提携の狙いは次の通り。撮影用品に強いケンコー・トキナーと、セルフプリント機を展開するDNPフォトルシオが組むことにより、撮影からプリントまでをカバーできる。その一連の流れを「循環」として捉え、ブランド展開でアピールすることで、スマホ市場における写真業界の活性化を促すのだという。

 特にDNPフォトルシオが展開中のセルフプリント機の世界では、スマホからのプリントが増大中。Instagramなどの写真アプリと相性の良い、正方形フォーマットでのプリント機能などを今後アピールしていくという。なおDNPフォトルシオは、かつてのコニカミノルタグループの販売会社を母体としている。

スマホの利用機能で多いのは、やっぱりカメラ機能だという。
プリント総数は減少しているが、セルフプリント機からの出力は増加傾向に。
撮影からプリントまでの流れをアピールするイラスト。商品パッケージに描かれる。

 もちろん、拡大するスマホ市場に参入するというのも大きな理由になっている。スマホの利用機能のうち、依然として多いのはカメラ機能を使っての撮影であり、ショット数もスマホの増加にあわせて増えている。そこに写真業界として切り込めないのか、という意図だ。

 今回の製品は新規性が薄いものの、これは第1弾として参入を急いだため。第2弾からは独創性の高い、写真業界発のアイテムを投入していくという。販売元は株式会社AGOR。

ブランド名にもなっているAGORとは、ヘブライ語で「循環」の意味。
同ブランドの第1弾として、スマホ用の液晶保護強化BLCガラスも同時に投入する。

 挨拶にたったケンコー・トキナーの代表取締役社長、山中徹氏は次のように語る。「このブランドではスマホ関連に商品を絞り込み、従来にない発想で開発を進めていきます。撮影アクセサリーを売るのは単なる仕事の始まりで、今日はその1歩。膨大な撮影資源を前に、小さな橋頭堡を共同でつくりたいという想いです。写真映像メーカーがつくったスマホアクセサリーをよろしくお願いします」。

ケンコー・トキナーの山中徹代表取締役社長。

 またDNPフォトルシオ代表取締役社長の島田幸利氏は、「スマホやミラーレスなどの拡大により、ショット数の拡大が見られます。それに単独で対処していたのですが、私どもは出力が主体の会社。ケンコー・トキナーさんの入力とあわせた両方のパワーで、ビジネスの拡大、あるいは写真の拡大をやっていきたいというチャレンジです。入力の拡大、出力の拡大という循環を求めていきたいと思います」と語った。

DNPフォトルシオ代表取締役社長の島田幸利氏。

(本誌:折本幸治)