カメラグランプリ2012は「D800」がダブル受賞

~レンズ賞は「EF 8-15mm F4 L Fisheye USM」

 カメラグランプリ 2012実行委員会は15日、「カメラグランプリ2012」の受賞内容を発表した。

 カメラグランプリは、写真・カメラ雑誌11誌の担当記者の集まりであるカメラ記者クラブが主催し、カメラグランプリ実行員会の運営のもと、選考委員を組織している。カメラ記者クラブのメンバーを始め、加盟雑誌の編集長、外部選考委員、識者、カメラライター、写真家および特別会員のTIPAなど57名が審査に当たった。

カメラグランプリ2012 大賞

 「D800」(ニコン)が受賞した。

D800

 選考理由:ニコンD800は3630万画素のセンサーを搭載して、より解像度の高い画像で撮影できること、先進の機能を多数搭載して静止画撮影・動画撮影ともに高画質化を実現したこと、フラッグシップ機に匹敵する高い性能・機能を搭載しながらも低コスト化を実現したこと、堅牢性の高いボディの採用により撮影環境を選ばずに使用できることなどを総合的に評価して、2012年度の「カメラグランプリ 大賞」に決定した。(ニュースリリースから引用、以下同)

 同賞は、1年間に国内で発売されたスチルカメラのなから最も優れたカメラを1機種選ぶもの。

カメラグランプリ2012 レンズ賞

 「EF 8-15mm F4 L Fisheye USM」(キヤノン)が受賞した。

EF 8-15mm F4 L Fisheye USM

選考理由:1本のレンズで全周魚眼と対角魚眼での撮影が可能なキヤノンEF8-15mm F4LフィッシュアイUSMは、フィッシュアイレンズの画角で描写する独特な映像の面白さを堪能できるズームレンズ。8-15mmという焦点域ながらも、UDレンズや高精度ガラスモールド非球面レンズなどを使用して収差の発生を効果的に抑制して高画質化を実現したこと、「SWC」の採用によってフレアやゴーストの発生を抑制したこと、レンズのコンパクト化を実現して携行性を高めたこと、屋外でのハードな使用に耐える防塵防滴構造を採用したことなどを総合的に評価して、2012年のレンズ賞に決定した。

 同賞は、1年間に国内で発売された交換レンズの中から最も優れた1本を選ぶもの。

カメラグランプリ2012 あなたが選ぶベストカメラ賞

 「D800」(ニコン)が受賞した。

D800

 投票者のコメント:

  • 画素数が予想以上。一般ユーザーが使用するのにそこまでの画素数が必要なのかどうかという話は毎回上がってくるが、それでもサンプル画像を見ると圧巻の一言。(30歳・東京)
  • 35ミリカメラに36メガピクセルの高画素CMOSセンサーを搭載し、アマチュアカメラマンにも手の届く価格で発売された意義は大きいと感じます。インターフェース面でも UHS-I及びUSB 3.0対応など最新のPCにもマッチし、今後のデジタル一眼カメラの方向性を決定付ける機種だと感じます。(62歳・埼玉)
  • 驚異の解像度を誇るカメラ。コストパフォーマンスも良い。一度は使ってみたいカメラ。(50歳・広島)
  • 比類なき高画素への挑戦!これこそがデジタルの目指す極みだと思います。高感度+低ノイズなどの課題もあるでしょうが、久々にこのインパクト! ドカンと来ました。(41歳・北海道)
  • 圧倒的な解像度。ニコンD3登場時のような歴史に残る衝撃的なカメラ。中判デジタル並みの画質をフィールドカメラで使えるなんて夢のようだ! 「すぐ使ってみたい!」と久しぶりに思わされた。(45歳・秋田)
  • 驚愕の画素数。他のカメラを圧倒する問答無用のパワーを感じた。(36歳・兵庫)
  • 特筆すべきはやはり解像度。より高度な撮影技術が要求されるが、私にとっては憧れのカメラ。(79歳・滋賀)
  • 36.3メガピクセルの衝撃、実売価格20万円台後半というハイコストパフォーマンス。何より、カメラとしての完成度の高さです。(54歳・東京)
  • それまでの常識を覆す高画質、最上位のプロ用機にも勝る性能をハイアマチュア向けのいわゆる普及型機に採用した、センセーショナルなカメラであることから。(41歳・千葉)
  • サンプル画像で見る画質は、圧倒的なものがある。画素数がすべてとはもとより思っていないが、良いものは良いと納得させられる。(54歳・東京)
  • 昨年のふたつの大災害を乗り越え満を持して発表された新製品! どのメーカーのユーザーもそれぞれの思いがあると思いますが、ニコンファンとしてはこの意欲作を外すことは出来ません。発表前、多くの方が「高解像度は要らない。もっと高感度を」と言っていました(私も思ってました)が、D800はその声を吹き飛ばしたと思います。私自身はニコンD3で高速連写撮影する機会が多いのですが、じっくり一枚の写真に取り組みたいという、フィルム撮影時代の気持ちを思い出させるカメラだと思います。(43歳・東京)

 同賞はカメラグランプリ25周年(2008年)を記念して設けられたもので、Webサイトからの一般投票で選出される。

カメラグランプリ2012 カメラ記者クラブ賞

 「NEX-7」(ソニー)と「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」(オリンパス)が受賞した。

NEX-7M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8

 NEX-7の選考理由:ソニーのNEXシリーズが誕生してから世代を重ね、より進化した機能を搭載して登場したNEX-7。NEXシリーズのハイエンドモデルに相応しい先進機能と高い性能を備えながらも、小型軽量化によって写真愛好家のみならず年齢・性別を問わず多くの一般ユーザーに手軽に写真を撮る楽しみを広げた。さらに、小型のボディーにAPS-Cサイズの高画素センサーを搭載したことや、マウントアダプターの装着によって同社一眼レフ用Aマウントレンズを使用できる充実したカメラシステム、NEX シリーズを通して統一感のあるデザインを採用していることなどを評価して、カメラグランプリ 2012「カメラ記者クラブ賞」を贈ることとした。

 M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8の選考理由:35mm判フルサイズやAPS-Cサイズなど、より撮像素子の大きいデジタルカメラと比較した場合、同スペックのレンズでは背景のボケが得にくいとされるマイクロフォーサーズ規格にあって、このレンズで得られる美しい背景ボケは秀逸である。また静止画撮影のみならず動画撮影をも考慮したMSC(Movie & Still Compatible)機構により素早くて、滑らか、静かで高精度のAF特性も実現している。レンズ表面に施されたZERO(Zuiko Extra-low Reflection Optical)コーティングにより、逆光での撮影においてもゴーストやフレアを抑えたクリアな描写性能が得られるのも特徴だ。これらの性能をリーズナブルな価格で実現していることを高く評価し「カメラ記者クラブ賞」を贈ることとした。

 同賞は、大賞を受賞したカメラを除くすべてのカメラ、写真製品、写真機材を対象に、大衆性、話題性、先進性に優れたカメラを選ぶもの。





(本誌:武石修)

2012/5/15 15:00