トピック

「EOS R5 Mark II」で挑む秋の鉄道表現

列車も紅葉も妥協しない鉄道風景の最適解

キヤノン EOS R5 Mark II/RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM/500mm/マニュアル露出(F9、1/800秒)/ISO 1600/WB:太陽光
BEFORE
AFTER
カメラ内アップスケーリングは撮影後の操作なので、ハンドリングはそのままに高精細な画像を手に入れられる

発売から1年が経過したEOS R5 Mark II。私がこれまで望んでいた機能がほぼ搭載され、ストレスフリーで鉄道撮影をこなしている。約30コマ/秒の連写性能と、被写体検出「乗り物(鉄道)」による驚異のトラッキングにより、鉄道を思い通りに撮影できる。

長根広和

鉄道会社のポスターやカレンダー、時刻表の表紙写真などを手掛ける。車両そのものの機能美や力強さを表現した写真に定評がある一方、ドラマチックな鉄道風景写真にファンが多い。日本鉄道写真作家協会会長。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2025年10月号』より転載・加筆したものです。

EOS R5 Mark II
発売日:2024年8月30日
キヤノンオンラインショップ参考価格(税込):65万4,500円(ボディー)

●SPECIFICATION
イメージセンサー:約4,500万画素(裏面照射積層型)
映像エンジン:DIGIC X & DIGIC Accelerator
常用ISO感度:ISO 100~51200
最高シャッター速度:1/32,000秒(電子)、1/8,000秒(メカ、電子先幕)
最高連写速度:約30コマ/秒(電子)、約12コマ/秒(メカ、電子先幕)
手ブレ補正:周辺協調制御&5軸対応、中央8.5段、周辺7.5段
被写体検出:人(瞳、頭部、全身)、動物(犬、猫、鳥、馬)、乗り物(車、バイク、鉄道、飛行機)
動画記録:8K/60p ほか
ファインダー:0.5型約576万ドット約0.76倍
外形寸法(W×H×D):約138.5×101.2×93.5mm
質量:約746g(バッテリー・カード含む)

間もなく紅葉シーズンに突入するが、鉄道風景をメインに撮影している私は、人一倍高精細な描写を求めてしまう。車両を克明に写したいのではなく、鉄道風景の空気感を表現したいからだ。葉や花といった風景の中で一番小さな要素が高精細に描写されることは、それらの集合体である風景の空気感へとつながる。ゆえに高画素カメラで撮りたくなるのだ。

新たに搭載されたカメラ内アップスケーリングにより、簡単な操作で約1億7,900万画素に拡張できる。高画素データは、現場の空気を感じられるので鉄道風景と実に相性が良い。今秋の鉄道撮影も今から楽しみで仕方がない。

ここでは私がEOS R5 Mark IIを使ってどのように紅葉の鉄道風景を撮影しているのかを紹介していく。今秋の撮影に向けてぜひ参考にしてほしい。

カメラグランプリ2025 ダブル受賞!

私が愛用するEOS R5 Mark II、RF70-200mm F2.8 L IS USM Zが、カメラ記者クラブ主催の、カメラグランプリ2025の賞のうち、一般ユーザーの投票によって決定する「あなたが選ぶベストカメラ賞」、「あなたが選ぶベストレンズ賞」をそれぞれ受賞した。

【カメラ内アップスケーリング】広大な紅葉風景をメインに列車を小さく添える

カメラ内アップスケーリングを使えば簡単なメニュー操作で約1億7,900万画素にできる。ここでは北海道の広大なシラカバの紅葉をメインに、列車を添えるように撮影したが、アップスケーリングすると、木々や葉の1つ1つまで精緻に描き、その場の空気を感じられるような仕上がりになった。この機能があれば、より大胆に風景を主体とした構図に挑める。

再生タブ内にある「カメラ内アップスケーリング」から適用したい画像を選択するだけの簡単な操作だ。範囲を指定して、一括で複数枚を処理することも可能になっている

【30コマ/秒の高速連続撮影+】紅葉を前景に列車の一瞬の飛び出しを撮る

キヤノン EOS R5 Mark II/RF70-200mm F2.8 L IS USM/100mm/マニュアル露出(F6.3、1/1,600秒)/ISO 1600/WB:太陽光

鉄道撮影では連写性能は速いほど良い。写真のような森と森の間を高速で走る特急列車を理想の位置で捉えるのは至難の業だ。しかし、約30コマ/秒(電子)ならば理想とするカットを容易に手に入れられる。連結部の白いドアの位置を吟味したかったのだが、選択肢が多いおかげで理想を追求できる。

約30コマ/秒の連写性能の魅力は前述の通りだが、連続撮影モードによって最高速度を設定できるのも便利だ。ゆっくり走るローカル列車を撮るときは少し連写速度を抑えるなど、使い分けがしやすい点も鉄道撮影ではありがたい

【検出する被写体「乗り物」】黄葉のボリュームゾーンの対角に列車を配置する

キヤノン EOS R5 Mark II/RF70-200mm F2.8 L IS USM Z+EXTENDER RF1.4x/280mm/マニュアル露出(F10、1/320秒)/ISO 3200/WB:太陽光

晩秋の森にイチョウが彩りを放っていた。イチョウと列車を対角に配置して構図を安定させ、列車のピントはカメラ任せだ。サーボAFと検出する被写体「乗り物」(スポット検出入)に設定して、トラッキングをオンにするだけで、列車の運転席付近を常に追従してくれる。手持ち撮影でもピントを気にせず構図のホールドに集中できるのでありがたい。

領域拡大AF(周囲)を線路上に配置。列車を捕捉すると青枠に変化して運転席周辺をトラッキングしてくれる

【ニューラルネットワークノイズ低減】夜明けの秋空を背に列車を写し止める

キヤノン EOS R5 Mark II/RF70-200mm F2.8 L IS USM/158mm/マニュアル露出(F8、1/250秒)/ISO 3200/WB:太陽光

高画素カメラの短所の1つに高感度撮影での画質の低下がある。露出が厳しい状況で、列車を止めるシャッター速度、そして風景のためにF値を絞りたいとなるとISO感度を上げるしかない。これまでは画質低下を嫌い、諦めていたシーンも、ニューラルネットワークノイズ低減があれば驚くほどの高画質で撮れる。

これまでは高画質を維持するために、高ISO感度にせずに列車を光跡にしたり、ぶらしたりしていたが、列車を止めて撮るという選択肢が増えるのはとてもうれしいことだ
ニューラルネットワークノイズ低減は「RAW現像」メニューから行うため、RAWまたはRAW+JPEGで撮影しておく必要がある。「高感度撮影時のノイズ低減」の設定からニューラルネットワークノイズ低減のON・OFFが選択可能だ

INFORMATION

キヤノン 夏のキャッシュバック2025実施中!

私の愛用機材も対象となっている最大5万円のキャッシュバックキャンペーンが開催中だ。最新のRF70-200mm F2.8 L IS USM Zは対象外だが、今回登場しているボディやレンズをはじめ多くの機材が対象となっている。お得に手に入るこの期間にぜひ新機材を検討してみてはいかがだろうか。

EOS R5 Mark II
5万円分
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
4万5,000円分
RF70-200mm F2.8 L IS USM
4万円分

対象購入期間:2025年6月27日(金)~2025年10月1日(水)
応募締切:2025年10月15日(水) ※当日消印有効

キヤノン 夏のキャッシュバック2025:キャンペーン|個人|キヤノン

長根広和