特別企画

鉄道写真家がノートPCに求めることとは? MSIのクリエイター向けモデルを長根広和さんに使ってもらった

スタイリッシュなボディにデスクトップPC並みの処理能力

ロケ先にノートPCは欠かせないという鉄道写真家の長根広和さん。そのこだわりとは?

2019年12月24日に掲載した記事では、MSIのノートPC「Prestige 14」を鈴木さや香さんに使ってもらい、その感想を聞いた

今回は同じくMSIのノートPC「Prestige 15」にフォーカスを当ててみる。

Prestige 15もカテゴリはクリエイター向けとなっており、そのうち今回紹介する「Prestige-15-A10SC-066JP」は、CPUにCore i7-10710Uを採用するとともに、外部GPUとしてNVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q デザイン 4GB GDDR5を搭載しており、デスクトップPC並みの処理性能を有したハイパフォーマンスノートである。

Prestge-A10SC-066JP(Web直販専用)
Core i7-10710U / NVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q デザイン4GB GDDR5 / メモリ32GB / 1TB SSD(M.2 NVMe) /4Kディスプレイ(3,840×2,160)/Windows 10 Pro

処理性能もさることながら、このモデルはディスプレイへのこだわりに満ちている。「True Pixel Display」とMSIが呼ぶそのその概要は以下の5項目だ。

1)解像度3,840×2,160、ピクセルピッチ220ppi
2)Adobe RGB相当の広色域
3)色差をΔE2より下に抑えた高い色再現性
4)MSI True Color テクノロジー
5)CalMANの認証を受けたディスプレイキャリブレーションツールを採用

持ち前の高い表示能力を活かすべく、工場出荷時に調整をおこなうとともに、ソフトウェアキャリブレーションツールを標準搭載(測色計は別途用意する必要がある)することで、経年変化にも対応できる安定した表示環境を提供しているわけである。

4Kディスプレイの高い品質に満足

というわけでPrestige 15を、鉄道写真家の長根広和さんに試用いただき、インプレッションを語っていただいた。鉄道写真家でもあり、鉄道に関する撮影業務やストックフォトのレンタルなどを事業に据えるマシマ・レイルウェイ・ピクチャーズの代表でもある。

——現在ご使用のPC環境を教えていただけますか?

自宅と会社でデスクトップPCを1台ずつ、持ち運び用にノートPCを1台使用しています。ノートPCは撮影現場でのバックアップなど、データストレージ的な役割になります。ただし、撮影で2〜3週間出かけている時などに急な依頼があった場合、ホテルなどでRAW現像を行い納品することはあります。

——となると長根さんの場合、ノートPCに求めるのはまずストレージの容量でしょうか?

そうですね。かなり大きなウェイトを占めます。少し前までデスクトップPCのSSDが256GBだったのですが、現像ソフトや画像処理ソフトなど何やかんやインストールすると、残量が心もとなくなってしまうんですよね。今回試用したPrestige 15が1TBのSSDを搭載しているのはとても良いと思います。

——アプリケーションの肥大化もあるのでしょうが、何よりフォトデータが結構なサイズになってますからねえ。

さすがに容量を使い切ることは無いですが、データを退避する頻度も高くなるので、今使っているデスクトップPCのSSDを1TBに換装したほどです。もちろん、容量だけで見るならばHDDの方がより安価に大容量化できるのでしょうが、SSDの速度に慣れてしまうとメインストレージにHDDという選択にはなりません。HDDだと100GBくらいの転送でも結構な時間を取られてしまいますし。起動やハイバネーションからの復帰も、SSDならば瞬時です。

Prestige 15

——なるほど、プロになると撮影する量もかなりのものなのでしょうね。では表示性能についてはいかがでしょうか? 本機の売りのひとつなのですが。

実は今使用している某メーカーのノートPCを購入するとき、やらかしてしまいました。「クリエイター向け」PCということで、ライナップ中の上位モデルをWebでポンッと買ったんです。で、届いて箱を開けて見たらディスプレイが光沢(グレア仕様)だったのです。ショックでしたね(笑)

——写真の編集で光沢ディスプレイはきついですよね。漫然と動画などを眺めるには良いでしょうが、表示を見つつ作業をおこなうには映り込みが辛そうです。

車の中で作業することが多いのですが、運転席だと横から光が飛び込んでくるので反射してとても見えづらい。仕方がないので後部座席に移り、カーテンを閉めて使うようなことも多々あります。結局細かな作業は、宿に着くまでお預けな感じです。1、2時間作業をおこなうと目が疲れてしまいますし。

正直、光沢ディスプレイでプリントを最終ターゲットにするRAW現像など至難の業です。でもPrestige 15は非光沢ディスプレイですので、映り込みが気にならない。クリエイター向けノートPCを名乗るなら、非光沢ディスプレイは絶対ですね。

——その他、ディスプレイで気になったことはありますか?

最初に起動して感じたのは「輝度が高いなあ」ということ。キャリブレーションツールのi1Displayで測定したら400カンデラもありました。明るい分には落として使えるし、経年変化で光量が落ちても調整幅があるのはメリットになります。ただ、プリントを目標とする場合、もう少し暗い方が良いと思います。

そこで、プリインストールされていたキャリブレーションツールで合わせてみたところ、確かに綺麗ですね。4K解像度なので拡大して細かいところを見てもしっかりと表示されるので作業しやすい。同じ等倍表示でも広く表示されるので、HD解像度より作業は捗ります。メニュー表示で4Kに対応していないアプリもまだありますが、これから15.6インチモデルを買うなら、4K解像度のディスプレイを装備したモデルをお勧めしたいですね。

デスクトップPC並みの処理能力

——処理性能についてはいかがでしょう? 実際のところ、静止画のRAW現像にここまでのパワーは必要でしょうか。

画素数はどんどん上がっていまし、キヤノンのカメラでしたらデジタルレンズオプティマイザ(DLO)など、DPPでのプレビューや現像処理に時間がかかる機能も当たり前についてくるようになってます。ということでノートPCにも処理能力は求めてしまいますね。現在使っているノートPCも当時、最高のスペックでした。光沢ディスプレイですが(笑)

画像処理や作品管理にも処理速度は必要ですが、私の場合、講演やワークショップなどで使用するPowerPointのプレゼンデータにも処理能力が必要です。一般的な用途のPowerPointのPPTファイルの場合、それほどファイルサイズは大きくないでしょう。でも写真家が自分の作品を使ってプレゼンする場合、写真の解像度はギリギリまで大きくします。最近は大きくて高解像度なディスプレイでプレゼンすることもありますのでファイルサイズが大きいのです。こうしたPPTファイルがスムーズに作成できたり表示されることは、実は重要だったりします。

——Prestige 15はHDMI端子を本体に装備していますし、講演やワークショップで活躍しそうですね。その他のインターフェイスはどうでしょうか。

USB Type-Cポートがあるのはさすが最新モデルだと思いました。ただ、USB Type-Aの機材もまだあるので、Type Aのポートが右側だけでなく左側にもあると嬉しかったかな。数はノートPCとして十分だと思います。

——薄型の筐体にしてはいろんなインターフェイスが盛り込まれています。筐体のデザインについてはどんな印象でしょう。

車での移動が多いため、ノートPCのサイズや重量は元々それほど気にしていません。ですが、このモデルの薄さには驚きました。15.6インチのハイスペックモデルでこの薄さですから。

それでいて、強度面での危うさが感じられません。例えば細かいことですが、イヤフォンジャックにも補強が入っていて、丁寧に作っているんだなあというのは感じられましたね。ラフに扱うわけではありませんが、どうしても屋外、それも自然の中で使うのですから、こうした点に安心感を覚えます。ギリギリまで攻めているような狭額縁も良いですね。

——ノートPCということで、タッチパネルとキーボードの出来はいかがでしたでしょう。

タッチパッドはワイドで操作しやすいですね。キータッチも節度がある感触で問題ありません。あと、キーボードが光ってくれるのは何気に便利です。夜間、車内で作業をすることがありますので。

こんな風に愛車の運転席で作業するのだとか。映り込みが少ない非光沢ディスプレイがありがたいとのこと。

写真撮影を楽しむならPCもアップデートを

——最後にPrestige 15はどういった方にお勧めでしょうか?

現実的に、デスクトップPCとノートPCの両方をハイスペックモデルで揃えるのはコスト的に厳しいかもしれません。でもPrestige 15ならデスクトップPCと並ぶ能力を持っていますので、これ1台に集約してしまう手もありますね。自宅では表示品質の良い外部ディスプレイにPrestige 15をつなぎ、必要に応じてロケ先に持ち出す。単体でのディスプレイ品質も良いですし、自宅とロケ先、どちらも効率の良い作業が行えそうです。

写真ファンの方はどうしても撮影機材の方に目が行ってしまいがちですが、デジタルフォトは出力機器にも気を配るべきだと思うんです。カメラやレンズといった入力機器の購入を1回我慢して、表示環境を整えてみてはいかがでしょうか。折角の高価なカメラやレンズも宝の持ち腐れになってしまいますから。

制作協力[MSI]

榊信康