ミニレポート
操作系をメインの一眼レフに近づける
(パナソニックLUMIX DMC-GX7)
Reported by 大高隆(2014/6/16 21:31)
LUMIX Gシリーズはユーザーが設定できるファンクション(Fn)ボタンを数多く持つことを特色にしており、GX7もその例に漏れない。しかし、思いつきに任せて設定すると自由度の高さが仇となり、操作系に混乱が生じることすらある。そこで今回は、操作系をパーソナライズする上での指標となる考え方を2つ提案したい。
指標1:ダイヤルの設定をメインの一眼レフと合わせる
EVF付きミラーレス機は一眼レフのサブカメラとして使われるケースも多い。その場合、両機種の操作性が揃っていた方が混乱がない。
そこでまず最初に、ダイヤルの操作をメインの一眼レフと合わせるというポイントを手がかりにしよう。実際、GX7を購入してまず最初に私が行なったのは、ダイヤルへの機能割当をPENTAX K-3と揃える事だった。
私の場合、K-3の設定は後ダイヤルに絞り、前ダイヤルにシャッタースピードが基本だ。GX7もこれにならい、後ダイヤルを絞り、前ダイヤルをシャッタースピードに設定する。
さらに、GX7のダイヤルの回転方向もK-3に合わせて、右に回すとEV値が大きくなる(露出が暗くなる)方向にセットする。こうすればマニュアルモードの露出操作は一致する。
つづいて絞り優先AE/シャッター速度優先AEの場合だ。K-3では、後ダイヤルにパラメータ(絞りあるいはシャッター速度)を割り当て、本来は空きダイヤルになる前ダイヤルに露出補正を割り当ててある。
GX7も同様に設定できる。ただ、考え方が少し違っていて、露出補正をダイヤルに割り当てると、その結果として、反対のダイヤルがパラメータのダイヤルとして扱われる。
以上の2つの設定で、両機の操作性をほぼ揃える事ができた。
ただし、プログラムAEに関しては少々事情が異なる。ご存知の通り、K-3はPENTAX独特のハイパープログラムAEを採用する。説明は省略するが、これはプログラムAEというよりは両優先AEと言った方がいい。一方、GX7はごく普通のプログラムAEを採用している。従って、Pモードの操作性を合わせるのは、あきらめるしかないのが現状だ。
指標2:ダイレクトにアクセスしたい機能はFnボタンにおく
ダイヤル設定の次のポイントとして、ファンクション(Fn)ボタンへの機能割当を考えよう。
改めてGX7のFnボタンの設定を見ると、デフォルトで割り当てられている機能は、パナソニックが“売り”にしたいと考えたものをボタンに割り当てて、表に“見せている”感が強い。
本来ハードウェアボタンには、撮影中に直接呼び出したい機能を割り当てるべきである。例えば、デフォルトではFn3にWi-Fi機能が割り当てられているが、撮影中に素早くWi-Fi連動機能を起動したいと思うユーザーがどれほどいるだろうか? こうした無駄を裏に隠し、撮影に必要な機能をFnボタンに割り当てよう。
GX7のボタン配列は、背面右側にFn1/2/3があり、EVFの右隣にFn4がある。このうち1番の特等席にあるのはFn1だ。次いで、Fn2もカメラを構えたまま押すことができる。撮影中にファインダーから目を外さずに呼び出したい機能は、このいずれかに割り当てたい。Fn3は少し押しにくいので、ここには、ライブビューないしは三脚使用時に必要な機能を割り当てると良いだろう。
Fn1に何を割り当てるべきかは撮影スタイルにより大きく左右され、正解はない。私は、EVFの利点を高機能なプレビューによる撮影結果の予測だと考えるので、ここにプレビューを割り当てた。
Fn2にヒストグラムを当てたのは、明暗差の大きい被写体に対してEVFの見え方だけを頼りに露出を決めるのは難しいからだ。ヒストグラムを素早く呼び出せるようにしておけば、露出の適否を判断しやすい。
Fn3には水準器表示をあてた。背面液晶を使ったハイアングル/ローアングルの撮影時には水準器を表示したい。DISPボタンで液晶表示を切り替えて呼び出すこともできるが、一発で呼び出せるに越した事はない。
残るはFn4だが、ここは、特に必要がなければデフォルトのEVF切替のままが無難かもしれない。しかし、アイセンサー切替を使っているユーザーならこの機能は不要なので、別のものを割り当てても問題はない。
私はなんとなく、Fn4にはその日の環境や光線状況、撮影目的に応じて、必要な機能をその都度割り当てて使っている。つまり「日替わりボタン」とでも言うべきか。普段はサイレントモードを割り当てている事が多いけれども。
◇ ◇
LUMIX Gシリーズの操作系は、インターフェースの追加が繰り返された結果、少々複雑になっている。自由度が高い反面、そのすべてを理解するのは至難のわさだ。考えを整理するために順序立てを行なおう。
まずダイヤルを合わせ、次にファンクションボタンの設定を考え、そこから呼び出せないものは撮影シーンに応じてFnタブやステータススクリーンを使うという順で設定を行なえば、自分仕様のパーソナライズされたインターフェースをスムーズに構築できるはずだ。