Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
思い通りに扱えるレバーロック式三脚「マンバ」
萩原史郎さんが愛用する「LVM-324C + G4」
2022年6月21日 07:00
プロが三脚に求めるものは多岐にわたり、単にブレを止めるだけという機能的なものだけではない。
今回寄稿いただいた萩原史郎さんの場合は、作品を撮るまでのプロセスの中に三脚が位置しているという。その真意を綴ってもらった。
1959年、山梨県生まれ。写真誌『風景写真』の創刊、発行人、編集長を経験。写真誌への寄稿、コンテスト審査員、写真教室講師、講演会講師、写真クラブ例会指導など幅広く行なう。noteにて「萩原史郎の遺心伝心note」を運用中。
※本企画はデジタルカメラマガジン2022年7月号より転載・加筆したものです。
三脚を使う意義は、ぶらさないため、あるいは構図を追い込むためなどと言われるが、さらに言えば、風景との対話を深めることができる点も大切な1つとして忘れてはならない。
手持ち撮影は直感的な撮影、臨機応変な立ち回り、シャッターチャンスへの強みという点で優れるが、その一方で、私にとってはじっくり風景と対峙するとき、心のスイッチを入れるきっかけとなる重要な装置としての三脚の意義は大きい。
そういう三脚だから、仕様や機能、操作性には強い関心を持っているのだが、先ごろ使い始めたLVM-324Cは、私のこだわりに対する「解」を示してくれた三脚と言える。
何よりレオフォト初のレバーロック式を採用していること。ナットロック式を使うことで腱鞘炎を発症した経験があるので、レバーロック式三脚の登場を心待ちにしていたわけだが、実際に使ってみるとロック時の手応えはしっかりしているし、脚の動作もスムーズだ。レバーロック式のデメリットの1つとして、操作を繰り返していると緩む点を挙げられるが、その対応策としてネジを締め付けるための工具が脚部に付属していることは安心材料だ。
LVM-324Cはパイプ径が太い32mmタイプなので、先端の脚から先に伸ばしてもブレの心配がない。斜面などでの撮影で脚の長さを調整するとき、手もとに近い3段目のレバー部で調整ができるため、姿勢の大きな変動がないうえ、レバーロック式なので操作しやすく、素早い設置などの時短にも貢献している。
また、LVMシリーズは、脚部の取り付け位置が通常の三脚より外側なので、安定性が高く倒れにくい。風の影響を受けたり、地面が凸凹のアウトドアで撮影する風景写真にとって、この仕様は侮れない。
加えて雲台を載せる台座部がレベラーとして機能するので、構図やアングルを決める動作が瞬時で決まる。この仕掛けはG4のようなギア雲台との相性が抜群だ。レベラーでおおまかな構図を決め、ギアで微調整をするという流れによってストレスのない撮影が楽しめるのである。
さらに石突き部の仕掛けが秀逸だ。ゴム部を上方に移動させればスパイクが現れて氷の上などに設置する際に有効。一方、ゴムを先端に移動させれば一般的な石突きとなるので、二刀流の使い方ができる。風景写真派にはぜひとも試してほしい三脚である。
クイックにセッティングできるレオフォト初のレバーロック式
レオフォト初のレバーロック式を採用した三脚がマンバシリーズだ。
製品名が「LVM」から始まるマンバMシリーズは大型のハーフボールを搭載したモデルで、「LV」から始まるマンバOシリーズは中型のレベリングセンターポール式となる。
使用しているLVM-324Cは10層のカーボンチューブがパイプ素材に採用され、振動に強い。石突き部はスパイクとゴムが瞬時に切り替え可能と、細かく配慮された設計だ。
雲台には微調整に優れるギア式のG4を装着して運用している。
高品位なレバーロックを採用
デザイン性の高いレバーを採用。ロック時の手応えが程よく、信頼性の高さを感じる。先端部はゴムで覆われていて指がかりが良く、確実に操作できる。
雲台を載せる台座部にはハーフボールが備わっているが、±20°の範囲で可動し、パン動作もするため、水平出しやアングルの変更をする際に役立つ。
ゴムとスパイクを切り替えられる石突
風景写真の現場は、三脚を設置する場所はさまざまだ。土の場合もあれば草地もあり、岩場もあれば氷もある。
そのような場面に応じて、ゴムとスパイクを瞬時に切り替えることができる仕掛けを持つLVM-324Cの対応力は抜群だ。
しかも切り替えはゴム部を回すだけの簡単な操作だけ。ゴムとスパイクの付け替えの不便はないのである。