SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by上田晃司

EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約4.6MB / 5,184×3,456 / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 250mm

 シグマより、コンパクトな高倍率ズームレンズ「18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM 」が発売された。従来モデル「SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM 」をブラッシュアップした製品で、ボディに新複合素材TSC(Thermally Stable Composite)を採用するなど、軽量かつコンパクトなボディを目指したものだ。また、マクロ機能が充実したのもポイントだろう。キヤノンEOS 60Dに装着して撮影してみた。


EOS 60Dに装着した状態。価格は8万4,000円。キヤノン用が発売中で、シグマ用、ソニー用、ニコン用、ペンタックス用が登場する予定

 本レンズは、APS-Cセンサー採用のデジタル一眼レフカメラに特化したDCシリーズのひとつ。EOS 60Dに装着すると35mm判換算で焦点距離28.8-400mm相当の画角をカバーする。広角から望遠まで幅広く撮影できるため、風景、動物、乗り物など、さまざまな被写体に対応できる。

 開放F値はF3.5-6.3。一般的な高倍率ズームと同様のスペックであり、望遠端付近は比較的暗い。高感度を積極的に活用するといいだろう。

 注目すべきはやはり、最短撮影距離の短縮だ。従来の18-250mmも近接撮影に強い印象だったが、本レンズでは最短撮影距離を10cm短い35cmを実現。最大撮影倍率は1:2.9となり、本格的なマクロ撮影が可能になっている。

 実際に撮影するとレンズ先端から被写体まで数cmの所まで寄ることができ、小さな昆虫や花、腕時計などを大きく撮影することができる。

 手ブレ補正機構「OS」(Optical Stabilizer)は、シャッター速度換算で約4段分の補正効果を謳う。確かに、望遠撮影時やマクロ撮影時でもしっかりとファインダー像が安定するのがわかる。室内やローライト時の撮影でも役だった。手ブレには個人差があるが、筆者は望遠端で1/15秒でもブレることなく撮影することができた。

 AFモーターにはHSM超音波モーターを採用。AF動作にほとんどストレスを感じない。超高速とまではいえないが、遠景や動体撮影でもしっかりとピントを合わせてくれる。マクロ撮影時はピントが無限から近接へと移動することが多く、そのため少し時間が掛かることがあった。MFのフィーリングは、前モデルより少し遊びが多い印象を受ける。

 画質に関しては、高倍率ズームレンズとしては非常に安定感のある描写だと感じた。広角から望遠にかけ、ほとんど不満はない。あえて挙げるなら、望遠端では周辺に色ズレが生じることがあった。また、最短撮影距離ではややソフトな描写になるようだ。

 標準域から100mm付近は非常にシャープ。遠景のディテールまでしっかりと描写しているのがわかる。高倍率ズームレンズとしてはボケは素直で柔らかい方で好印象。丸ボケも綺麗だ。

 光学約13倍の高倍率ズームレンズとしては非常に軽量で、サイズも手のひらにのるほどコンパクト。EOS 60Dなど、APS-Cセンサー搭載のミドルクラスとの相性はとても良い。

 画質もトータルで優れているので、これからの旅行シーズン、1本でマクロから超望遠までカバーできる万能レンズがあれば、役立つこと間違いないだろう。

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EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約5.2MB / 5,184×3,456 / 1/800秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 26mmEOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約6.1MB / 5,184×3,456 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 18mm
EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約4.9MB / 5,184×3,456 / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 18mmEOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約6.5MB / 5,184×3,456 / 1/320秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:太陽光 / 106mm
EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約9.9MB / 5,184×3,456 / 1/160秒 / F7.1 / -0.3EV / ISO100 / WB:太陽光 / 51mmEOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約4.7MB / 3,456×5,184 / 1/400秒 / F4 / +0.3EV / ISO100 / WB:太陽光 / 31mm
EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約5.1MB / 5,184×3,456 / 1/160秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mmEOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約4.0MB / 3,456×5,184 / 1/160秒 / F7.1 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mm
EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約4.6MB / 5,184×3,456 / 1/125秒 / F7.1 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mmEOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約4.0MB / 5,184×3,456 / 1/15秒 / F6.3 / +0.7EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mm
EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約6.4MB / 3,456×5,184 / 1/40秒 / F4.5 / 0EV / ISO400 / WB:太陽光 / 18mmEOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約5.1MB / 3,456×5,184 / 1/30秒 / F5.6 / -1.3EV / ISO800 / WB:太陽光 / 73mm
EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約4.8MB / 5,184×3,456 / 1/5秒 / F5 / -0.3EV / ISO100 / WB:太陽光 / 43mmEOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約5.2MB / 3,456×5,184 / 1/400秒 / F10 / -0.3EV / ISO400 / WB:太陽光 / 250mm
EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約4.6MB / 5,184×3,456 / 1/320秒 / F6.3 / -0.3EV / ISO100 / WB:太陽光 / 183mmEOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約4.5MB / 5,184×3,456 / 1/125秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 250mm

EOS 60D / SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM / 約5.5MB / 5,184×3,456 / 1/500秒 / F8 / -0.7EV / ISO100 / WB:日陰 / 128mm








(うえだこうじ)1982年広島県呉市生まれ。米国サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強しながらテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを制作。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、フリーランスのフォトグラファーとして活動開始。人物を中心に撮影し、ライフワークとして世界中の街や風景を撮影している。現在は、カメラ誌やWebに寄稿している。
ブログ:http://www.koji-ueda.com/

2012/7/26 00:00