デジカメアイテム丼
USB Type-Cポート「だけ」で構成されたコンパクトなUSBハブ
全ポートがUSB-C 3.2 Gen 2に対応
2023年7月13日 07:00
HDDやSSDなどの外部ストレージだけでなく、デジタルカメラやメモリーカードリーダー、PCモニター、Webカメラなど、さまざまなものに利用されている「USB Type-C」。
しかし、PCに搭載されているUSB Type-Cポートがまだ少ないため、せっかくのUSB Type-C対応機器を、USB Type-C←→USB Type-AのケーブルでUSB Type-Aコネクタに接続している人も多いのではないだろうか?
USB Type-Cポート数を増やしたい場合は、いわゆる「USBハブ」と呼ばれる製品を利用するか、デスクトップPCであれば、USB Type-C拡張ボードを導入するという手もある。
しかしUSBハブ、拡張ボードのどちらにおいても、USB Type-Aの方がUSB Type-Cより多かったりと、USB Type-Cの数を増やせる製品は意外と少ない。
そんな中、ベルキン株式会社から、USB Type-C 3.2 Gen 2を4ポート備えた「USB-C to 4ポートUSB-Cハブ」(AVC018)が発売された。
USB Type-Cポートを備えたWindows、Mac、Chromeデバイスでの利用をサポートしており、特にApple M1/M2チップセット搭載のMacやiPadなどでの対応を明記しているのがポイントだ。
HDMIなどの映像出力には対応していないが、オーディオデバイス(マイク、スピーカーなど)の接続は可能。
単純に、1つのUSB Type-Cを4ポートに分岐できるため、新しく買った周辺機器にUSB Type-Aの変換ケーブルが同梱されていない場合や、USB Type-Cで接続していた機器をまとめて接続したい場合など「ALL USB Type-C環境」が構築できるようになるわけだ。
また、USB Type-AやHDMIなど他の端子を備えないため、外形寸法は7.4×4.2×1.4cmとコンパクト(重量は約56g)。約22cmのケーブルは直付けとなっている。長持ちする耐久性のあるテザーケーブルとのことだ。
個人的な使い方としては、デスクトップPCで付けっぱなし運用を想定するため、ケーブルがもう少し長いか、あるいは交換できるようになっていれば良かったが、頻繁に取り外すような使い方をするなら、直付けの方がよいかもしれない。
そういった意味では、ノートPCと一緒に持ち運ぶといった運用の方がありだ。実際に使ってみたところ、やはりケーブル長の関係で、そのままではデスクトップPCでの運用は厳しい。フロントUSBポートを利用した接続ならありえるが、このへんは考え所だろう。
データ転送速度は、いわゆる「USB 3.2 Gen 2」(旧名:USB 3.1/USB 3.1 Gen 2)対応で最大10Gbps。最大100W PDのパススルー充電にも対応する。
転送速度だけでいえば、さらに高速な「USB 3.2 Gen 2×2」(20Gbps)や「USB4」(最大40Gbps)などもあるが、そういった機器はまだ普及しているとはいえないため、必要十分に感じる。実際、USB Type-C←→Aケーブルを使っているような製品や高速性を特徴とするカードリーダーなどは、今のところUSB 3.2 Gen 2であることが多いと思う。
なお、4つあるポートの内、「100W PD Input」となっているアップストリームポートに100W入力をする場合、最大85W出力が可能となっている。残りの15Wは、ハブ自体の動作電力として利用され、データ転送の安定化を図っているようだ。これにより、ノートPCなどへの給電が可能となる。
より具体的にいうなら、「100W PD Input」ポートにACアダプターなどから100W給電を行うことで、USB Type-Cを給電兼用かつ、1ポートしか搭載していないようなノートPCであっても、給電しながら他のUSB Type-Cデバイスが3ポート分接続できるようになるわけだ。
と、つらつらと説明してきたが、ざっくり「コンパクトでALL USB Type-CのUSB ハブ」であると、その存在を知ってもらえたら幸いだ。
この製品を発見した時、筆者はすぐに購入した。単純に、USB Type-C接続の機器が増えてきたこともあったし、USB Type-C←→Aケーブルをわざわざ用意するのも手間に感じていたからだ。
据え置き機器(スキャナー、複合機など)については、これまで通りUSB Type-C←→Aケーブルで接続。本製品については、適度に利用するカメラからのデータ転送やファームウェアアップデート、カードリーダーなどの接続の際に利用している。
今後、利用する機器の完全USB Type-C接続化あるいは、「USB4」の普及による切り替えといった事がなければ、このままの運用でよさそうだ。
何にせよ、USB Type-Cポートが足りないことでストレスを感じているなら、ぜひオススメしたい製品である。当サイトの読者ならノートPCや高速なカードリーダーとともに、出先に持参するのも悪くないはずだ。