デジカメアイテム丼

USB Type-Cポート「だけ」で構成されたコンパクトなUSBハブ

全ポートがUSB-C 3.2 Gen 2に対応

USB-C to 4ポートUSB-Cハブ(AVC018)

HDDやSSDなどの外部ストレージだけでなく、デジタルカメラやメモリーカードリーダー、PCモニター、Webカメラなど、さまざまなものに利用されている「USB Type-C」。

しかし、PCに搭載されているUSB Type-Cポートがまだ少ないため、せっかくのUSB Type-C対応機器を、USB Type-C←→USB Type-AのケーブルでUSB Type-Aコネクタに接続している人も多いのではないだろうか?

USB Type-Cポート数を増やしたい場合は、いわゆる「USBハブ」と呼ばれる製品を利用するか、デスクトップPCであれば、USB Type-C拡張ボードを導入するという手もある。

しかしUSBハブ、拡張ボードのどちらにおいても、USB Type-Aの方がUSB Type-Cより多かったりと、USB Type-Cの数を増やせる製品は意外と少ない。

そんな中、ベルキン株式会社から、USB Type-C 3.2 Gen 2を4ポート備えた「USB-C to 4ポートUSB-Cハブ」(AVC018)が発売された。

USB-C to 4ポートUSB-Cハブ(AVC018)のパッケージ

USB Type-Cポートを備えたWindows、Mac、Chromeデバイスでの利用をサポートしており、特にApple M1/M2チップセット搭載のMacやiPadなどでの対応を明記しているのがポイントだ。

HDMIなどの映像出力には対応していないが、オーディオデバイス(マイク、スピーカーなど)の接続は可能。

単純に、1つのUSB Type-Cを4ポートに分岐できるため、新しく買った周辺機器にUSB Type-Aの変換ケーブルが同梱されていない場合や、USB Type-Cで接続していた機器をまとめて接続したい場合など「ALL USB Type-C環境」が構築できるようになるわけだ。

また、USB Type-AやHDMIなど他の端子を備えないため、外形寸法は7.4×4.2×1.4cmとコンパクト(重量は約56g)。約22cmのケーブルは直付けとなっている。長持ちする耐久性のあるテザーケーブルとのことだ。

本体はUSB Type-Cポートのみであるため、とてもコンパクト

個人的な使い方としては、デスクトップPCで付けっぱなし運用を想定するため、ケーブルがもう少し長いか、あるいは交換できるようになっていれば良かったが、頻繁に取り外すような使い方をするなら、直付けの方がよいかもしれない。

そういった意味では、ノートPCと一緒に持ち運ぶといった運用の方がありだ。実際に使ってみたところ、やはりケーブル長の関係で、そのままではデスクトップPCでの運用は厳しい。フロントUSBポートを利用した接続ならありえるが、このへんは考え所だろう。

どちらかといえばノートPCとの相性が良い。ケーブルはやや固め

データ転送速度は、いわゆる「USB 3.2 Gen 2」(旧名:USB 3.1/USB 3.1 Gen 2)対応で最大10Gbps。最大100W PDのパススルー充電にも対応する。

転送速度だけでいえば、さらに高速な「USB 3.2 Gen 2×2」(20Gbps)や「USB4」(最大40Gbps)などもあるが、そういった機器はまだ普及しているとはいえないため、必要十分に感じる。実際、USB Type-C←→Aケーブルを使っているような製品や高速性を特徴とするカードリーダーなどは、今のところUSB 3.2 Gen 2であることが多いと思う。

なお、4つあるポートの内、「100W PD Input」となっているアップストリームポートに100W入力をする場合、最大85W出力が可能となっている。残りの15Wは、ハブ自体の動作電力として利用され、データ転送の安定化を図っているようだ。これにより、ノートPCなどへの給電が可能となる。

4ポートは14Wの共有出力(14W Shared Output)仕様
一番左のポートは「100W PD Input」仕様。ACアダプターなどを介して、最大85Wまでのパススルー給電に対応する

より具体的にいうなら、「100W PD Input」ポートにACアダプターなどから100W給電を行うことで、USB Type-Cを給電兼用かつ、1ポートしか搭載していないようなノートPCであっても、給電しながら他のUSB Type-Cデバイスが3ポート分接続できるようになるわけだ。

と、つらつらと説明してきたが、ざっくり「コンパクトでALL USB Type-CのUSB ハブ」であると、その存在を知ってもらえたら幸いだ。

この製品を発見した時、筆者はすぐに購入した。単純に、USB Type-C接続の機器が増えてきたこともあったし、USB Type-C←→Aケーブルをわざわざ用意するのも手間に感じていたからだ。

据え置き機器(スキャナー、複合機など)については、これまで通りUSB Type-C←→Aケーブルで接続。本製品については、適度に利用するカメラからのデータ転送やファームウェアアップデート、カードリーダーなどの接続の際に利用している。

今後、利用する機器の完全USB Type-C接続化あるいは、「USB4」の普及による切り替えといった事がなければ、このままの運用でよさそうだ。

何にせよ、USB Type-Cポートが足りないことでストレスを感じているなら、ぜひオススメしたい製品である。当サイトの読者ならノートPCや高速なカードリーダーとともに、出先に持参するのも悪くないはずだ。

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。