吉村永の「ホントに使える動画グッズを探せ!」

16品目:大型レンズの装着も安心…アルカスイス互換の“長いプレート”

INPON「クイックリリーススライドプレート200mm NNR-200」

この連載では“スチルカメラ愛好家”に向けて、動画畑出身のカメラマン 吉村永がレンズ交換式デジタルカメラで動画を撮る際に便利なグッズを見つけて紹介していく。時にプロ向けの高価な機材から、馴染みのないメーカーの製品まで積極的に試して紹介できたらと思う。

INPON クイックリリーススライドプレート200mm NNR-200

役立ち度:★★★
コスパ:★★★
マニアック度:★★★★

当サイトの読者はミラーレスカメラをメインに動画撮影している場合が多いのではないかと思うが、最近、このクラスのカメラと三脚の取り付けは「アルカスイス互換プレート」で行なっている人が大半ではないだろうか?

動画用三脚の多くは、マンフロット/ザハトラー互換のプレートを使って雲台にカメラを取り付けるのが一般的だが、写真の世界では“アルカスイス”がスタンダード。さらに最近ではビデオ用雲台も、小型タイプのものに関しては以下の記事で取り扱った製品のように、アルカスイス互換形状のクランプを備えたものが増えてきた。

こういった人に是非ともお勧めしたいのがこのプレート。多くのアルカスイス互換カメラプレートは小さく設計されているので、大きめのレンズを取り付けてしまうとどうしても重心が前に寄った取り付けになってしまう。そこでこの長いプレートを使えば、雲台装着時にスライド調節することで、前後の重量バランスを均等にして雲台に取り付けることができる。

小型ビデオ雲台にミラーレスカメラを取り付けた例。通常の取り付け位置よりも後ろに取り付けることで前後の重量バランスが均等になり、カメラをパン/ティルトする操作がかなり行いやすくなる

また最近では、カメラにアルカスイス互換のL字ブラケットを取り付けたまま運用している人も多い。この場合、カメラに対して雲台側のクランプは前後挟みつけにならざるを得ないのだが、ビデオ用雲台は必ず左右から挟みつける構造になっているので、カメラを横向きにしか取り付けることができず、前後のティルト操作ができなくなってしまう。

L字ブラケットを取り付けたミラーレスカメラをビデオ用雲台に取り付けた例。見ての通り、横向きにしかつかないのでティルト操作ができない

こういった問題もこのプレートがあれば即、解決。プレートの後方部はアルカスイス仕様の前後クランプになっているのでL字ブラケットをカメラから外すことなく、直接取り付けが可能だ。

なお、同じ工場で作られているとみられる同様製品では150mm/100mmといった長さのバリエーションがある。お使いのカメラとレンズの大きさ、重さに合わせて適当な長さを選択するといいだろう。

吉村永

東京生まれ。高校生の頃から映像制作に目覚め、テレビ番組制作会社と雑誌編集を経て現在、動画と写真のフリーランスに。ミュージックビデオクリップの撮影から雑誌、新聞などの取材、芸能誌でのタレント、アーティストなどの撮影を中心とする人物写真メインのカメラマン。2017年~2020年カメラグランプリ外部選考委員。