吉村永の「ホントに使える動画グッズを探せ!」

17品目:小さいけれど、実用性の高いメインテナンスグッズ

HOZANのブロワー/大塚刷毛のブラシ

この連載では“スチルカメラ愛好家”に向けて、動画畑出身のカメラマン 吉村永がレンズ交換式デジタルカメラで動画を撮る際に便利なグッズを見つけて紹介していく。時にプロ向けの高価な機材から、馴染みのないメーカーの製品まで積極的に試して紹介できたらと思う。

今回はカメラ機器の埃取りクリーニング用品を、2点取り上げてみたい。

HOZAN Z-268ブロー/大塚刷毛 ラスター刷毛

役立ち度:★★★★★
コスパ:★★★★★
マニアック度:★★★★

ひとつ目は、ブロワー。埃を吹き飛ばすポンプのようなものだ。市場には様々な製品があるが、カメラという精密機器に使うためにはどれでもいいというわけではない。

ポータブルな小型タイプは風量そのものが少ないのが多いし、カメラ用でないものにはポンプ部のゴム素材が固着しないよう、内部にサラサラとした粉をまぶして出荷している製品も存在する。また、ブロワーブラシという先にブラシがついた製品もあってこれもなかなかに使いやすいのだが、ブラシでレンズ部に触れると汚れがつきやすいので注意が必要だ。

また、スプレー缶式エアダスターも手軽で強力なのだが、カメラ機器に近づけすぎたり、長時間噴射すると結露してしまい、汚れの元になってしまうこともあるので使い方に気を付けたい。

ここで紹介するのはHOZANのZ-268。この製品の特徴は、なんといっても空気を圧縮して使うために得られるパワーだ。吹き出し部分に特殊な弁が内蔵されており、少しだけ押しても空気は出ない。そのまま押し続けていって内圧が上がると、ある時点で弾けるように中の空気が噴き出すしくみ。

ノズル部分は半回転させて引き出すことにより、圧縮空気の強さが強弱のふた通り選べる。精密機器用のブロワーとして使いやすく強力な製品としておすすめしたい。

先の延長ノズルを取り外すと扱い易いノズルサイズに。ブロワーは誰しも持っている器具ではあるが、ゴムの劣化もあるので消耗品と考えて数年ごとに買い換えるのがおすすめだ

レンズ面などの細かな埃を吹き飛ばすのに便利なブロワーに加え、用意しておきたいのがブラシだ。カメラ機器のレンズ面以外の多くの場所が掃除できるのだ。特にダイヤルの縁など、手が届きにくい細かな部分もブラシならかき出すように掃除できる。

これもカメラ用としては小さなものが多いが、カメラ機器に傷をつけず、かつ汚れをかき出すコシの強さや大きさのバランスを考えたブラシを選びたい。

大塚刷毛のこの製品は、複数のカメラメーカーがサービス用に採用しているもので使いやすさはお墨付き。レンズ鏡筒のローレットやゴムのひだ部分の汚れなども、効果的に掻き出してくれる。

吉村永

東京生まれ。高校生の頃から映像制作に目覚め、テレビ番組制作会社と雑誌編集を経て現在、動画と写真のフリーランスに。ミュージックビデオクリップの撮影から雑誌、新聞などの取材、芸能誌でのタレント、アーティストなどの撮影を中心とする人物写真メインのカメラマン。2017年~2020年カメラグランプリ外部選考委員。