RECOMMEND 8/EOS R8を使うべき理由
東北6県の旅で感じた「軽量フルサイズ」の魅力——仁科勝介
2023年3月22日 12:00
キヤノン「EOS R8」はフルサイズ機でありながら、小型・軽量で誰もが自由かつ快適に撮影できる1台。上位機から最新のAFや連写性能など、小さなボディながら、その表現力は∞(無限大)の可能性を秘めている。
さまざまなシーンで活躍する写真家たちが、それぞれに感じた「EOS R8」の魅力をレコメンド(推薦)する連続企画。
第1回は、全国各地を巡り、その情景を記録する、旅する写真家・仁科勝介さんにEOS R8の魅力を語ってもらう。(編集部)
1996年、岡山県生まれ。広島大学卒。学生時代に全1,741市町村を巡り、旅の記録をまとめた本、『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)を出版。また、2022年11月には写真集『どこで暮らしても』を自費出版で刊行している。
冬の東北6県の情景と出会う1週間旅
軽くてコンパクトながら、十分な撮影機能を兼ね備えた実用性を持っているEOS R8。2つの強みを兼ね備えているならば、どんな旅でも一緒に巡れるのではないか。カメラにとっては少し過酷な環境かもしれないが、その実力を試してみるためにも、まだ冬の只中にある東北を1週間かけて巡ることにした。
山形の鶴岡、秋田の横手、青森の弘前、岩手の遠野、宮城の鳴子、福島の会津若松。ショルダーバッグにEOS R8を忍ばせて、公共交通機関だけで1日1県ずつ巡る旅に出る。新しいカメラの感触を確かめながら、各地の情景を写し出したい。
広い階調再現性と高感度画質が魅力的
約2,420万画素と必要十分な画素数で、色の階調がつぶれないし、夜に高感度で撮影してもノイズがあまり出ない。雪化粧をした東北の白のトーンや、車内と車窓の明暗差をしっかりと描き分けてくれる。
また、画質低下がほとんどなくデータサイズを抑えられるC-RAWを選べるので、必然的に枚数が多くなる旅の撮影でも、データ管理がしやすい。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMは開放F1.8の明るさで、5mほど離れた対象物でも前後のボケを生かした写真が撮れるのでスナップに最適。さらにハーフマクロ性能を有するので、地域の情景から卓上の名物料理の撮影までカバーできて、まさに旅の万能レンズと呼べる1本だ。
EOS R8の最高シャッター速度は電子で1/16,000秒だから、明るい屋外でも開放絞りを選べる。AFは安定していて気持ち良く、レンズに搭載された手ブレ補正もしっかり効いている印象。
すっきりとした信頼のおける描写で、今回はこの1本だけで旅をした。
カメラが小さいとスムーズにバッグから出し入れできて速写性が高まる
スナップを撮ることが多いので、カメラは常に持っているか、ショルダーバッグの中から、いつでも取り出せる状態にしている。
EOS R8はコンパクトで、バッグから取り出しやすいし、仕切りを使えば日用品も同じバッグに入れられる。旅の荷物の管理もカメラの準備も両方がしやすいと感じられた。
ボタンカスタマイズでWBの変更やサイレントモードに素早くアクセス
使用過程で設定は変わるだろうが、AF-ONボタンにサイレントシャッター、十字キーにホワイトバランスや記録画質の変更を割り当てている。カスタマイズできる箇所が多くて扱いやすい。また、MFで撮影することがあるため、M-Fnボタンに拡大機能、AEロックボタンにピーキングを設定している。
撮影に没頭できる小型サイズがEOS R8の最大の魅力
旅にどんなカメラを持っていくか。その点で、EOS R8はフルサイズ機としてこの上なく軽いというシンプルな強みがある。この強みは見た目で評価するより、自分で手に持ったときに初めて体に染み込んでくる。移動を続ける旅の中、雪が降ろうと、夜になろうと、集中力を切らさずに撮影できた。ピンときた瞬間にシャッターを切れるので、1日1県1エリアと割り切ったコンパクトな旅の中で、その足跡を確かに写真として残せる。
画質面で最も重要視しているのは階調再現性だが、出てくる絵もその期待に応えてくれるものだった。「カメラとしてやれることは果たした」と、EOS R8は写真を撮影者に託している気がした。ならば撮った写真の責任は、自分自身にある。だからこそ、もっと写真がうまくなりたい。そう思わせるカメラだった。
協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社