デジカメドレスアップ主義:三脚穴で個性を引き出す

〜オリンパス・ペンE-P1
Reported by澤村徹

 デジカメドレスアップのアプローチといえば、アクセサリーシュー、レンズのフィルター枠あたりが定番だ。アクセサリーシューには外付けファインダーを、フィルター枠にはレンズフードを取り付け、クラシックカメラ風に着飾るわけだ。

 それに加え、昨今注目を集めているが三脚穴である。一見すると地味なアプローチだが、デジカメドレスアップの最後の砦といったところか。今回は三脚穴に装着する個性派アイテムを紹介しよう。

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ルミエール ボトムグリップ

  • ボディ:オリンパス・ペンE-P1
  • レンズ:ケルン マクロスイター 26mm F1.1
  • マウントアダプター:muk select マイクロフォーサーズ用Cマウントアダプター
  • ボトムグリップ:ルミエール Bottom grip k(ボトムグリップ・クルツ)
  • ファインダー:ライツ SBOOI

 ルミエールから新型ボトムグリップが発売になった。特徴はその長さだ。一般的なボトムグリップの半分程度という、ショート丈のボトムグリップである。グリップを握るというよりも、指を引っかけてホールドする。小型軽量なミラーレス機をターゲットに据えた製品だ。

 このボトムグリップは、シネレンズホルダーとしても活用できる。エンド部にCマウント規格のねじ切りが施してあり、Cマウントレンズが装着できるのだ。交換用のCマウントレンズを持ち歩くスタイルとして、ひと目見ただけでその異端ぶりが伝わってくる。Cマウントレンズは総じてコンパクトだが、なかでも25ミリクラスと相性がよい。外周サイズといい丈といい、ちょうどオーソドックスなボトムグリップと同サイズになる。レンズホルダー兼ボトムグリップという発想が新鮮だ。

Bottom grip k(ボトムグリップ・クルツ)は3色展開だ。各色とも5,500円エンド部にCマウント規格のねじ切りがある。スクリューキャップが付属している
25ミリクラスの小さなレンズとバランスがよい。Cマウントのエクステンションチューブを組み合わせてもよいだろう人差し指と中指を引っかけるようにしてホールドする。小型軽量なミラーレス機ならではのスタイルだ

muk select ハッセルファインダーアダプター

  • ボディ:オリンパス・ペンE-P1
  • レンズ:ケルン マクロスイター 26mm F1.1
  • マウントアダプター:muk select マイクロフォーサーズ用Cマウントアダプター
  • アダプター:muk select ハッセルファインダーアダプター
  • ファインダーフード:ハッセルブラッド ファインダーフード
  • ファインダー:ライツ SBOOI

 2点目はmuk selectのハッセルファインダーアダプターだ。この製品は以前「ハッセルファインダーを液晶フードに」で紹介したが、少数生産で入手がきわめて難しかった。ただし、生産終了後もカメラ雑誌で紹介されるなど、注目度の高いアイディア商品である。今回中国製で再販が決まり、価格も従来品より手を出しやすく、いわば待望の復刻といったところだ。

 この製品はハッセルブラッドのファインダーフードを、液晶モニターのフードとして流用するためのアダプターだ。対応機種はオリンパス・ペンE-P1/E-P2のみとなる。ハッセルブラッドのファインダーフードは別売りで、これはユーザー各人が別途用意しよう。従来の国産製とくらべてディテールの甘さを感じるものの、その差異は運用でカバーできる程度のものだ。何よりも従来品の約1/3という価格が目を見張る。再販を待ち焦がれていた人には朗報だ。

従来品2万1,000円に対し、再販品は7,200円だ。ハッセルファインダーフードは別売りとなるハッセルファインダーフードのルーペを使うと、EVFのような透明感のある表示になる
収納時はフードを折り畳むことができ、実用性の高い液晶フードとして機能する左が中国製の再販品、右が国産の従来品だ。再販品は固定ネジに三脚穴が設けてある

 今回組み合わせたマクロスイター 26mm F1.1は、大口径シネレンズとして有名だ。ボケ味が大きい上に滑らかで、特に近接時の幻想的なボケが美しい。発色はいくぶん強めに出る傾向だ。マイクロフォーサーズと組み合わせると、開放時でも若干のケラレが発生する。ただし、周辺の流れは比較的少なめで、高性能シネレンズの凄みを実感できるだろう。なお、作例はRAWで撮影し、Lightroomでストレート現像している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
E-P1 / マクロスイター 26mm F1.1 / 4,032×3,024 / 1/800秒 / F1.1 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 26mmE-P1 / マクロスイター 26mm F1.1 / 4,032×3,024 / 1/4,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 26mm
E-P1 / マクロスイター 26mm F1.1 / 4,032×3,024 / 1/1,600秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 26mmE-P1 / マクロスイター 26mm F1.1 / 4,032×3,024 / 1/250秒 / F2 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 26mm
E-P1 / マクロスイター 26mm F1.1 / 4,032×3,024 / 1/2,000秒 / F1.1 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 26mmE-P1 / マクロスイター 26mm F1.1 / 4,032×3,024 / 1/160秒 / F2 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 26mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2011/6/2 00:00