- ボディ:ソニー NEX-5(ブラック)
- レンズ:ニコン W-Nikkor 35mm F2.5
- マウントアダプター:焦点工房 NIKONOS-Nex.Eマウントアダプター
- ストラップ:Leather Factory Roberu 帆布カメラストラップ(Black & Black)
ミラーレス機はマウントアダプターを介し、古今東西の様々なオールドレンズが装着できる。これは多くのカメラファンが周知のことだろう。昨今さらにその勢いが加速し、マニアックなマウントアダプターが登場しはじめた。前回のロボット用マウントアダプターも相当マニアックだったが、今回のレンズだって負けてはいない。水中カメラの定番、ニコノス用マウントアダプターが登場したのだ。
ニコノスは、ニコンが1963年から2001年にかけて製造した水中カメラだ。フランス・スピロテクニーク社のカリプソがベースになっており、初期のモデルは独特のフォルムが今なお色褪せない。ニコノスは専用レンズがラインナップされており、15/20/28mmが水中専用、35mmと80mmは水陸両用レンズになっていた。なぜ水陸両用レンズをラインナップしていたのかというと、すぐれた防水性能を活かし、オールウェザーカメラとしても用いられていたからだ。
今回は水陸両用のW-Nikkor 35mm F2.5をNEX-5に装着してみた。ひと目見て惹きつけられるのが、鏡胴から生えた2本のダイヤルだ。水中でも作業しやすいように、大きなダイヤルで絞りとピントを操作する。数あるオールドレンズのなかでも、ひと際異彩を放つスタイルだ。とはいえ、NEX-5自体が独自路線を貫くデザインなので、思いのほか違和感がない。時代を超えた個性派スタイルの融合といったところだろうか。
際立って個性的な鏡胴デザインだが、NEX-5との組み合わせは不思議と違和感が少ない | 向かって右側がフォーカシングダイヤル、左側が絞りダイヤルだ。世代によって黒鏡胴もある |
上部目盛りの赤いマークが、絞りごとの被写界深度を示す。絞りダイヤルはクリック感があって使いやすい | ニコノスIIは、ベースモデルとなったカリプソのデザインをおおむね踏襲している |
NEXに水中専用レンズを付けた場合はどうなるだろう。試しにUW-Nikkor 20mm F2.8を装着してみたところ、近接のみ撮影可能だった。このレンズはNEX-5とデザイン的にマッチングがよいだけに、少々惜しい気がする。
ドレスアップはRoberuの帆布製ストラップを合わせてみた。黒帆布と黒レザーを組み合わせ、男性的な印象のワイドストラップだ。ニコノス用ニッコールは外径が大きいので、こういう存在感のあるストラップがよく似合う。なお、この帆布製ストラップは使い始めこそゴワつくが、1~2週間ほど使い込むとやわらかくなってくる。また、各所にあたりがつきはじめ、レザーのエイジングのように育てる楽しみを備えたストラップだ。
焦点工房のニコノスマウントアダプターは1万1,800円。NEX用とマイクロフォーサーズ用がある | UW-Nikkor 20mm F2.8を装着した姿。ボディとのサイズ感がよいだけに、近接のみが惜しまれる |
Roberuの帆布ストラップ(黒×黒)は7,875円。黒のクレインワックスレザーを用いている | 黒の帆布ストラップは、レザー部分がブラウンとブラック、2色からセレクトできる |
W-Nikkor 35mm F2.5は、ニコンSおよびライカLマウントのW-Nikkor 3.5cm F2.5がベースになっている。シャープな描写のなかに、やららかさを感じさせるところが特徴だ。発色は芯があるものの、現行レンズとくらべればレトロな色合いだ。その褪せ方がどことなく和色を彷彿とさせ、国産オールドレンズらしい趣きがある。この地味な風合いを楽しみたいレンズだ。なお、作例はRAWで撮影し、Lightroomでストレート現像している。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
2011/3/3 00:00