デジカメドレスアップ主義
ライカM10フルブラックドレスアップ
Leica M10 + Kistar 35mm F1.4
2017年5月11日 07:00
- ボディ:ライカM10
- レンズ:木下光学研究所 キスター35mm F1.4
- マウントアダプター:レイクォール CY-LM
- ケース:アルティザン・アンド・アーティスト LMB-M10
- ストラップ:蔵CURA 本革ショートホールド&キャリーストラップ(ブラック)
- ソフトレリーズボタン:ジェイツジムラ 忍者 ソフトレリーズボタン シルバー925
- 外付けファインダー:フォクトレンダー 35mm ビューファインダーM
前回の「「ライカM10ファーストドレスアップ」では、真紅のレザーケースで鮮やかなドレスアップを目指した。かなり派手なドレスアップで、持つ人を選ぶスタイルだった点は否めない。そこで今回は、黒一色のライカM10ドレスアップを考えてみた。とは言え、シンプル一辺倒というわけではない。少しだけヒネリを加えたスタイルを楽しんでほしい。
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まず、カメラケースはアルティザン・アンド・アーティストのLMB-M10を選んだ。イタリア製のハンドメイドレザー、アリゾナを使ったレザーケースだ。肉厚で存在感があり、半光沢の仕上げがマットブラックのライカM10によく似合う。本製品は両サイドのフックで固定する仕様で、固定用のネジは不要だ。速やかに着脱でき、バッテリーやメモリカードの交換がスマートだ。
ストラップは蔵CURAの本革ショートホールド&キャリーストラップを選んだ。一見するとよくあるブラックレザーのストラップだが、極端に短い仕様になっている。カメラをハンドバッグのように提げて持つという新たな提案だ。ストラップの使いやすい長さというのは人それぞれ一家言あるところだが、ここまで短いとさすがに驚きを隠せない。たとえば、撮影するときだけバッグからカメラを取り出すタイプの人なら、こういう極短ストラップの方がハンドリングしやすいだろう。収納時にバッグの中でうねうねするストラップがイヤ、という人も検討の価値アリだ。撮影時にはいわゆるハンドストラップとして機能し、実用性は申し分ない。
軍艦部はジェイツジムラの忍者ソフトレリーズボタンを付けてみた。手裏剣モチーフのめずらしいソフトレリーズボタンだ。同社は海外からのオーダーが多く、日本文化をモチーフにした製品は人気が高いという。感性の逆輸入現象がおもしろい。
ホットシューにはフォクトレンダーの35mm外付けファインダーを載せてみた。ライカM10はライブビューがあり、機能的には外付けファインダーは不要だ。しかし、純粋にM型ライカには外付けファインダーがよく似合う。本コーナーで外付けファインダーを取り上げるのも久しぶりだが、カメラをカメラらしく見せるキーポイントであることは揺るぎない。
レンズは木下光学研究所のキスター35mm F1.4を合わせた。「昭和のレジェンドレンズが甦る」で同社第1弾となるキスター55mm F1.2を紹介したことがあるが、おぼえているだろうか。今回のキスター35mm F1.4は木下光学研究所第2弾となる写真用レンズだ。マウントはヤシコン互換のKCYマウントを採用しており、ここではレイクオールのマウントアダプターでライカM10に装着している。距離計連動は未対応だが、ライカM10のライブビューはフォーカスエリアが移動でき、大口径レンズの開放でも任意のポイントにピント合わせしやすい。「ライカでキスター」というマニアにはちょっとたまらない組み合わせだ。
描写については、開放で仄かに滲み、絞るにつれてシャープさとコントラストが増す。現行MFレンズでありながら、オールドレンズのように絞りで緩急を楽しめる製品だ。球面ズミルックス35mm F1.4とヤシカ・コンタックスのディスタゴンT* 35mm F1.4のいいとこ取り、と言ったら褒めすぎかもしれないが、こうした有名な35mmレンズを彷彿とさせる写りである。人とちがったレンズ表現を求めているなら、検討候補として有力な1本となるだろう。