デジカメドレスアップ主義

ライカM10ファーストドレスアップ

ライカM10 + Hexanon AR 40mm F1.8

  • ボディ:ライカM10
  • レンズ:コニカ ヘキサノン AR 40mm F1.8
  • マウントアダプター:レイクォール KAR-LM
  • ケース:鳥井工房 ライカM10オールドスタイルケース
  • ストラップ:バンビ カメラ用ネックストラップ GUIDI革【NSG_Z8】
  • シューカバー:ジェイツジムラ 桜ホットシューカバー シルバー925
  • ソフトレリーズボタン:ジェイツジムラ 桜ソフトレリーズボタン シルバー925

2月下旬、筆者の手元にもようやくライカM10が届いた。久しぶりに購入したデジタルカメラだ。言葉を重ねるよりも、早速はじめよう。ライカM10ファーストドレスアップだ。

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今回のドレスアップは、ありていに言うと澤村の好きなやつぜんぶ盛りだ。半ば冗談、半ば本気である。ライカM10が届く前後から、各カメラアクセサリーメーカーのライカM10対応状況をウォッチし、「自分のライカM10を着飾るならコレ!」というスタイルを練ってきた。言わば満を持してのライカM10ファーストドレスアップである。

レザーケースは鳥井工房のライカM10オールドスタイルケースだ。最近鳥井工房が推しているデザインのライカM10バージョンである。ルトガーというベルギー製のレザーをメインに使っている。艶の強い赤という配色が鮮烈だ。ムラ感のある赤なので、嫌みがなく派手なわりにすんなりと受け入れられるだろう。なお、ルトガーの赤を使ったケースは数量限定になるとの話だ。気になる人は早めにオーダーした方が良いだろう。

ライカM10オールドスタイルケースは税込4万7,800円。同社直販サイトからオーダーできる。
ルトガーの赤は強烈な艶があり、革っぽさは薄い。とにかくインパクトのある外観だ。
付属ネジ(右)で三脚穴に固定する。市販のハンドル付きのネジ(左)にも対応している。
ストラップ取り付け部に当て革が付属するようになった。これで二重リングとボディの干渉を防げる。

軍艦部に目を転じると、桜が満開だ。ジェイツジムラの桜ホットシューカバーと桜ソフトレリーズボタンである。桜ソフトレリーズは従来製品だが、新たに桜ホットシューカバーが登場し、おそろいでセットアップしてみた。実はこの製品、微妙にサイズを変えた4タイプが用意されている。ホットシューは機種によってわずかにサイズが異なり、ホットシューカバーをジャストサイズで装着するための対処だ。現行のライカ製品にはおおむね対応していると言う。

桜ホットシューカバーは税込2万8,080円。軍艦部から盛り上がった造形がすばらしい。
桜ソフトレリーズボタンは税込1万4,904円。ショートスクリューとロングスクリューがあり、多くの機種に対応する。

ストラップはバンビのカメラ用ネックストラップGUIDI革【NSG_Z8】を選んだ。CP+2017で同製品が出展されており、直販サイトで買えると聞いてすぐさま購入した。何故そんなに熱くなっているのかというと、GUIDIのレザーを使っているからだ。

バンビのカメラ用ネックストラップは税込10,778円。これはショルダー部分が細いタイプだ。

GUIDIはイタリアのタンナーで、現在は自社ブランドも展開している。このGUIDIはキャロル・クリスチャン・ポエルやC-Diem(カルペ・ディエム)にレザーを提供していたタンナーなのだ。筆者は独身時代、着道楽に堕ちたことがある。キャロルとカルペはその当時の憧れのブランドだった。しかし、可処分所得の多さに物を言わせた独身時代ですら、それらのレザー製品はおいそれとは手を出せない。そういうとんがった価格帯のブランドである。

おそらくファッション好きでないと何がナンダカの話だが、「超マニアックなカリスマファッションブランドと同じレザーを使ったカメラストラップが登場した」と書けばそのすごさが伝わるだろうか。とにもかくにも、キャロルとカルペが好きなら迷わず行っとけ、という話である。曇りのある透明感という、このレザー独特の光沢がたまらなく魅力的だ。

うっすらと曇りのある艶がGUIDIレザーの特長だ。あえて言えば、半光沢のダークグレーだ。
アンティーク調の金具を使用。ライカに付ける時は別途二重リングが必要だ。

ライカM10はライブビュー機能が使いやすくなっている。そこで、レンズはあえて距離計非連動のものを選んだ。コニカのパンケーキレンズ、ヘキサノンAR 40mm F1.8だ。どうせライブビューで撮影するとは言え、レンジファインダー機は鏡胴の短いレンズが似合う。マウントアダプターはレイクォールのKAR-LMを合わせている。ライカM10とライカM(Typ240)、双方で試したところ、どちらでも問題なくライブビュー撮影できた。無限遠もほぼジャストでピントが合い、レイクォール製ならはでのクオリティーの高さを感じさせる。

ちなみに、レイクォールと言えば定番マウントに強いメーカーという印象が強い。ところが、以前「よもやまさかのアサヒフレックス」で紹介したアサヒフレックスマウントと言い、今回のコニカARマウントと言い、このところマニアック路線のマウントアダプターの製品化が相次いでいる。マウントアダプター界の巨星がいよいよ動くのかと、期待が高まる。

パンケーキレンズなので、M型ライカに付けても違和感のないサイズ感だ。
KAR-LMは税込2万3,760円。ライカMの他に、ソニーE、富士フイルムXもラインアップする。

ライカM10をドレスアップして感じたのは、ケース付きの状態でのホールド感の良さだ。ライカM(Typ240)にケースを装着すると、お世辞にも薄いとは言い難いどっしりとした厚みがあった。一方、ライカM10は薄型化を実現しているだけあって、ケース付きの状態でも無理なくホールドできる。折角薄くなったボディをケースで厚くするなんて、という意見もあると思うが、フルカバードタイプで背面を保護している安心感は何物にも代え難い。

背面はフルカバードタイプを採用。鳥井工房らしく正確な採寸でフィット感は上々だ。

加えて、本機はレンズセレクトの幅を広げてくれる。ライブビューでフォーカスエリアを移動できるようになり、開放や近接でのピント精度が向上した。これまでα7シリーズに任せていたようなオールドレンズも、今度はライカM10で積極的に使っていけそうだ。

Leica M10 / Hexanon AR 40mm F1.8 / 1/500秒 / F8 / +0.33EV / ISO100 / AWB
Leica M10 / Hexanon AR 40mm F1.8 / 1/4,000秒 / F1.8 / ±0EV / ISO100 / AWB
Leica M10 / Hexanon AR 40mm F1.8 / 1/3,000秒 / F1.8 / +0.67EV / ISO100 / AWB
Leica M10 / Hexanon AR 40mm F1.8 / 1/250秒 / F8 / -1.33EV / ISO100 / AWB
Leica M10 / Hexanon AR 40mm F1.8 / 1/250秒 / F8 / ±0EV / ISO100 / AWB
Leica M10 / Hexanon AR 40mm F1.8 / 1/125秒 / F8 / ±0EV / ISO100 / AWB

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp