デジカメドレスアップ主義

スーパーマクロのお作法を考える

α7 II + Freewalker 20mm F2 4.5X Super Macro Lens

  • ボディ:ソニー α7 II
  • レンズ:中一光学 フリーウォーカー20mm F2 4.5X スーパーマクロレンズ
  • グリップ:J.B. Camera Designs SONY α7RII/α7SII/α7 II専用カメラベース(ウッド)
  • ストラップ:インダストリア IND-500

中一光学は大口径MFレンズを手頃な価格で提供するメーカーとして、日本でもずいぶんと認知されてきた。その中一光学からちょっと変わったレンズが登場する。接写専用のフリーウォーカー20mm F2 4.5X スーパーマクロレンズだ。今回はこのレンズを軸にしながら、スーパーマクロ仕様のドレスアップを考えてみよう。

※この記事を読んで行なった行為によって生じた損害はデジカメ Watch編集部、澤村徹および、メーカー、購入店もその責を負いません。また、デジカメ Watch編集部および澤村徹は、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

その昔、オリンパスOMマウントのズイコーオートマクロ20mm F2という接写専用レンズがあった。フリーウォーカー20mm F2はそれを手本としたレンズだ。オリンパスファンから中一光学にリクエストがあり、量産化に至った製品だという。

フリーウォーカー20mm F2はメーカー希望価格2万5,000円(税別)。複数のマウントに対応する。
本レンズは近接専用で、無限遠は出ない。鏡胴のリングで撮影倍率を4~4.5倍の間で調節できる。

フリーウォーカー20mm F2は撮影倍率が4~4.5倍、ワーキングディスタンスは20mmと、スーパーマクロという名称通り、超近接撮影に特化したレンズだ。虫メガネで見る世界をそのまま撮影できるレンズ、と考えれば位置付けを理解しやすいだろうか。相当特殊なレンズだが、実売2万円台と手を出しやすい価格帯に収まっている。

このレンズを手持ちで撮影しようとすると、いつも以上にていねいなホールドが求められる。そのあたりを意識しながらドレスアップしてみた。まず、J.B.カメラデザインのカメラベースを装着。いわゆる後付けグリップだが、これを装着することで、グリップ部に小指をしっかりと添えられるようになる。

J.B.カメラデザインのカメラベースはオリエンタルホビーにて税込9,180円。
カメラベースによって若干背が高くなるが、机上に置いたときの安定感は問題ない。

底部はバッテリーに直接アクセスでき、使い勝手を損なうことはない。いわゆる機能性重視のアクセサリーだが、ウォルナットとバンブーという天然素材を用いることで、シックな佇まいに仕上がっているのが特長だ。

背面の下部がえぐってあり、背面モニターをチルトしやすいデザインいなっている。
付属ネジで底面に固定する。カメラベースを付けたままバッテリー交換できる。
カメラベースがちょうど小指の位置にくる。ホールド感アップを体感できるはずだ。
カメラベースはウォルナットとバンブーの2色展開。形状はどちらも同じだ。

ストラップはインダストリアのIND-500を選んだ。インダストリアはアルティザン&アーティストの創業デザイナーが新たにスタートしたブランドだ。シンプルで機能性の高いカメラバッグやカメラアクセサリーをラインアップしている。このIND-500はイタリアンオイルレザーを用いた95cm長のストラップだ。首掛けタイプのストラップなので、テンションをかけながら撮影すると手ブレを防ぎやすい。

インダストリアのIND-500は税込9,720円。同社通販サイトから購入できる。
先端からショルダー部分にかけて、ゆるやかに太くなっていく。ブランド名がシルバーで刻印してある。

このストラップはシンプルさを重視したスタイルだが、細かい部分にこだわりが宿る。ショルダー部は幅広になっていて、先端からショルダー部にかけてきれいなカーブを描く。二重リングはあえて小さな目のものを選び、ストラップとの一体感を高める一方、富士フイルムなどのストラップホールの狭いカメラに対応する。また、この二重リングはソフトニッケルでマットに仕上げてある。レザーのテイストに合わせるため、このような処理を施したという。こうしたことを踏まえると、インダストリアのIND-500は単にシンプルなのではなく、シンプルに見せるためのこだわりに満ちたストラップと言えそうだ。

二重リングを通常サイズのものと比べてみた。小ぶりなサイズとソフトニッケルの質感が特長だ。

最後にフリーウォーカー20mm F2の描写に触れておこう。今回は鉱石のサンプルを撮影してみた。指先ほどの小さな鉱石だが、撮影範囲はさらにそのごく一部だ。撮影倍率4~4.5倍のクローズアップぶりは驚かされる。開放は無論、F5.6まで絞っても被写界深度が浅く、精緻に撮りたいのであればしっかり絞り込む必要があるだろう。十分な光量を確保しつつ、超近接での撮影は中々骨が折れる。しかしながら、スーパーマクロならではの別世界を知ると、労を惜しまず使いたくなるはずだ。

作例撮影で使った鉱石のサンプル。大きいもので親指大、小さなものは小指大程度だ。
α7 II / Freewalker 20mm F2 4.5X Super Macro Lens / 1/60秒 / F2 / ±0EV / ISO100 / WB:カスタム / 20mm
α7 II / Freewalker 20mm F2 4.5X Super Macro Lens / 1/60秒 / F5.6 / ±0EV / ISO100 / WB:カスタム / 20mm
α7 II / Freewalker 20mm F2 4.5X Super Macro Lens / 1/60秒 / F5.6 / ±0EV / ISO100 / WB:カスタム / 20mm
α7 II / Freewalker 20mm F2 4.5X Super Macro Lens / 1/60秒 / F5.6 / ±0EV / ISO100 / WB:カスタム / 20mm

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp