カメラの描き方

第2回:コントラストをつかめ! 色を塗る!

黒・グレーを制してメリハリを

こんにちは!飯田ともきです。いい感じにカメラを描けるようになりましたか?

本日はカメラに色を塗っていきましょう。

カメラの基本色:黒の扱い方と光の理解

色は、好きに塗れば大丈夫です!……だけでは字数が余るので私の方法を書いてみます。カメラの色は何色で塗ればいいでしょうか。

カメラボディはだいたい黒色です。しかし黒だからといってどの面も真っ黒に塗ってしまうのはよくないでしょう。光の当たり具合で黒もグレーになるし、グレーにも強弱があるからです。このあたりは写真を理解している人にとってはなじみやすい考え方だと思います。18%グレーを思い出してください。それとも、最近のカメラの測光を信用し切っているので忘れましたか?

グレーを駆使したメリハリ配色テクニック

グレーを駆使してメリハリをつけていきましょう。どう考えますか? やはり天面である軍艦部は明るいほうがいいですよね。ボディ前面は貼り革もあるのでしっかり落としましょう。レンズを明るくすれば全体としておおまかな塗り分けができて便利です。私はこの配分をよく使います。ちなみにレンズにある円いハイライトは、凹メニスカスを意識しています!

さっきカメラは黒だと言ったところですが私のライカMはシルバーですので正面を塗り分けます。絵が単調になるのを回避できました。貼り革の部分に質感を与えようか悩みましたが今回はやらないことにしました。ヌルリとした感触のある金属と、ほどよい摩擦のある貼り革、剥げた塗装から見える真鍮の輝きなどなど、再現したいディテールはいくつもあります。でもここではコントラストについて考えてみましょう。

色の三要素とコントラストの重要性

カラー写真をやっている人には説明不要かも知れませんが、色はバリュー・ヒュー・クロマの3つで捉えることができます。バリューは明るさ・暗さで、ヒューは色相、クロマは彩度です。最も重要なのはバリューで、写真ではコントラストと理解されているものです。

しかし画面全体の濃度差のことではなく、コントラストが最も高くなる「場所」はどこだと思いますか? そう、明るい色と暗い色が隣接している部分ですね。この絵ではボディ右側か、ボディとレンズの部分です。貼り革とトップカバーのコントラストはあまり高くならないようにしています。これらは同じ方向を向いている面なので一体にしてしまったほうが立体のありかたが分かるかなと思ったからです。

モノクロ写真を徹底的に焼き込んだことを思い出します。硬い光で強いコントラストがうまれるといえば伝わりやすいでしょうか。

配色の法則

意識したコントラストを色分けしました。

デザインの世界ではベースカラー・メインカラー・アクセントの3色を使う分量の比率を70:25:5にするとよいという「70:25:5の法則」というものがあります。迷った場合はあてにするのもよいでしょう。このあたりの知識やテクニックは写真に通じるものがありますね!

2010年に漫画サークル「ていこくらんち」をはじめる。2015年に出した同人誌「カメラバカにつける薬」が、あれやこれやでデジカメ Watchで連載させていただくまでになりました。カメラだけじゃなく、その向こう側にいる人たちの想いを伝えていければいいなと思っています。