私はこれを買いました!

気安く使えるAPS-Cの良さを再認識

ニコン Z fc(鈴木誠)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2021年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

サイズも価格も、負担が少ない

カメラは持ち出してナンボという視点に立ったとき、「嵩張らない」「軽い」「高価すぎない」という条件が思い浮かびました。フルサイズ人気は続いていますが、新鮮さや特別感もそろそろ落ち着いてくると、本当にフルサイズの画質や被写界深度が必要な人以外は、わりとAPS-Cぐらいに揺り戻すのではないかと考えています。

実際にZ fcを使っていると、カメラとレンズが小さく軽めで、価格も高価すぎないことから、大事にしすぎない良さがあると感じました。例えばフルサイズ機でボディが40万円で……となると、重量的にもクッション入りのカメラバッグでないと持ち出しづらいですが、Z fcは布にくるんで普通の小さなバッグにポンと入れるような感じでも不安が少ないのです。

APS-Cゆえ高価になりすぎず、沈胴式のDX16-50mmレンズは嵩張らず、さすがカメラ専用機と感じる画質があり、USB Type-Cで思いついた時に充電できる。見た目も楽しい。コンセプトからして従来のニコン機とはまた別の、新時代のバランス感覚を持ち込んだ1台だと思っています。

レトロ風ならオリンパスも富士フイルムもあるだろう、というのは全くもって仰るとおりなのですが、普段はレトロデザインをやらないニコンが突然こういう機種を出すというところに、何故か心を揺さぶられてしまうのです。その証拠に、私は8年前にもそういうニコン機を買いました。

ニコン Z fc NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR(F6.3・1/80秒)ISO 1250

近況報告

コロナ禍に夜な夜な一人で車の運転を練習してましたが、写真目当ての遠出はしておらず、いよいよメインの被写体が「カメラ」(の外観とメニュー画面)になりつつあります。28mmキットの発売延期を経てようやく届いたZ fcで最初に撮ったのは、Z 9の試作機でした。

本誌:鈴木誠