私はこれを買いました!

仕事や生活のスタイルを“アナログからデジタルへ”

Apple iPad mini(大和田良)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2022年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

Apple Pencil(第2世代)の使い勝手も素晴らしい

2010年のWWDCで、スティーブ・ジョブズによって発表された初代iPadを使い始めてから、様々なサイズや世代のiPadを渡り歩いてきましたが、現在手にしているiPad mini(第6世代)は自分にとって間違いなく最良の一台だと言えます。サイズや重量を考えた場合、私の使い方に最も適しているのがiPad miniであり、それに加えてマグネット式の充電やペアリングが可能なApple Pencil(第2世代)が使えるようになったことは、まさに理想のモデルの実現としか言いようのないものでした。

これを機に今年からスケジュール帳を完全にデジタル化したことも、自分にとって大きな出来事でした。今は「Good Notes」というアプリケーションにカレンダーを連動させて使っているのですが、全てペンで手書きしているため、今まで使っていた紙の手帳とほとんど同じような感覚で使うことができます。スマートフォンにも同期できるため、スケジュールは手元で常に確認可能です。

スケジュール帳としての使い方以外にも、紙とインクを用いて行ってきたことのほとんどを、今年からiPad miniに置き換えました。例えば会議中のメモや、企画のラフ書き、原稿の修正など、全てペンで書き込んで整理できますし、クラウドに保存すれば即座にPCやスマートフォンで共有できます。画像を入れたり、ウェブとリンクさせたりすることも可能なことを考えると、むしろ今までよりも高精度な資料を作成可能です。もちろん、デジタルカメラとして撮影することもできます。

拡大表示できるため、細かい部分まで書き込めます。Apple Pencilの書き味は、画面に貼るフィルムで調整が可能です。手に持って作業できるサイズ感も、miniの特徴だと言えます

出来るだけ持ち物を少なくしたい私のような人間にとって、この小さなタブレットは今やなくてはならないデバイスになったように思います。以前は、動画の視聴やゲームなどの娯楽に用いることがほとんどだったのですが、iPad miniを使うようになってからはむしろ仕事や日常を支える道具として積極的に活用するようになりました。

写真データに関しては、さすがにこれ一台でRAW現像や画像処理をスムーズに行うというのは難しいのですが、画像の閲覧やセレクト程度であれば十分用いることができるでしょう。また、デジタルポートフォリオとしても有効で、クリアで豊かな階調で表示できる画面は、写真を鮮明かつ滑らかに再現することができます。

仕事や生活のスタイルをアナログからデジタルへ転換する道具としては、違和感なくスムーズに移行できるものになると思いますし、何よりもApple Pencil(第2世代)の使い勝手が素晴らしいため、是非一度試してみてほしいデバイスです。次世代のiPad miniはまだ当分発表にはならなそうですし、まだまだ買い時と言えるのではないでしょうか。

近況報告

今年は展示が続いた年でしたが、久しぶりに多くの方に直接お会いできる機会にもなったと思います。今は詩人/作詞家のクリス・モズデル氏と共同で作品制作を行なっています。現在、羽良多平吉さんによる書籍のデザインも進んでおり年明けには発表できるのではないかと思います。完成が楽しみです!

大和田良

(おおわだりょう):1978年仙台市生まれ、東京在住。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院メディアアート専攻修了。2005年、スイスエリゼ美術館による「ReGeneration.50Photographers of Tomorrow」に選出され、以降国内外で作品を多数発表。2011年日本写真協会新人賞受賞。著書に『prism』(2007年/青幻舎)、『写真を紡ぐキーワード123』(2018年/インプレス)、『五百羅漢』(2020年/天恩山五百羅漢寺)、『宣言下日誌』(2021年/kesa publishing)等。東京工芸大学芸術学部非常勤講師。最新刊に『写真制作者のための写真技術の基礎と実践』(2022年/インプレス)。